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サパテロ、国連に、西側世界とイスラム世界の「文明間同盟」を提唱(エル・ムンド:全訳)
ちょっと遅れましたが、9月21日付のエル・ムンド紙(電子版)の記事です。後からも申しますが、このサパテロの発言内容の評価に関しては慎重を要します。とりあえず語った内容をご確認ください。これは全訳します。
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『サパテロ、国連に、西側世界とイスラム世界の「文明間同盟」を提唱』
ニューヨーク:政府首相ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロは、今夜【21日:訳者】第9回国連総会の場での演説の前に、その内容について記者会見に臨んだ。彼は、軍事介入ではない他の方法で国際的テロリズムを押しとどめるために、西側世界とイスラム世界との間の「文明間同盟」を提唱する予定である。
ロドリゲス・サパテロの記者会見は、スペイン時間で0時45分に行われる第59回国連総会に先立ったものである。
彼の演説の中では、合法性においてかつ民主的正当性において例外の無い、テロリズムに対決する根源的な戦いを擁護するだろう。そして「平和は、戦争よりも、もっと勇気を、もっと決断とヒロイズムを、必要とする」と主張する予定である。そしてそれにより、イラクで行ったスペイン軍人の撤退の決定を正当化するだろう。
その国【イラクを指す:訳者】で繰り広げられる「困難な」状態が、来る1月に予定される総選挙のための安定した場を実現させることを難しくしている、との認識を元に、サパテロは彼の前もっての会見の中で、スペインは、財政面で、政治的にはイラクの民主化と主権の回復のプロセスを援助し続ける準備があることを強調した。
このことは、この記者会見の発表以前に、イラク大統領イヤド・アラウイに対して個人的にすでに伝えている。
[ブッシュに関して]
米国大統領ジョージ・W・ブッシュの国連総会の場での発言に関して質問され、彼は、共感できる箇所やそうでない箇所などがあったことを告げ、その上で、テロと対決する戦いはある明確な基準を持たねばならないことを表明した。
しかしながら同時に、すべての自由な国のテロリズムに対する戦いの共通の目的を強調した。それは、一つの国やある一定の方法に関しての不一致点を乗り越えてのものであり、また不一致があってもイラクにおけるような紛争において目に見える形になるようなものである。
民主化のための基金創設というブッシュの提案には、具体性は欠けるものの、「興味深い」と評価した。
[文明間同盟]
その一方でサパテロは、西側世界とアラブ・イスラム世界との間にある種の文明間同盟を提唱するだろう、そしてこの要望を国連事務総長コフィ・アナンに伝えるだろう、と語った。それはこの提案を分析する目的を持ったある上級のグループ(安全保障理事会の機構改革のためにすでに存在しているグループと同様なものである)を作りあげるためである。
「本日我々は、新たな壁が無理解と憎しみが世界を分割してしまうことを拒否しなければならない。」とサパテロは強調した。彼はそれが国連の特別な任務であることを説明した。
彼の国連総会への出席は、同時に3月11日のマドリッドへの襲撃の後でスペインに寄せられた連帯に対しての感謝の表明になるだろう。またスペインが30年間にわたってテロを耐え忍び、それを跳ね返しそれと戦ってきたことを心に刻ませることになるだろう。
同時にまた9.11について米国へのスペインの連帯感を表明し、貧困と飢餓に対する戦いについてのスペインの約束を繰り返すだろう。
[近東情勢]
中東情勢に関しては、この地区に存在する紛争が解決しないならば世界の安全と安定は無いだろうし、すでに「不安定さの複合的な発生源である一つの根本的な腫瘍」であるとの指摘をするだろう。
そして、その仲介の作業に当たるように、米国、EU、国連、ロシアの4勢力に対して呼びかけを行うだろう。
さらに彼は、パレスチナ指導部が困難さと弱体化の状態に直面している、解決の道を見つけるためにもっと賢明な指導力による進展があるようなことは期待できない、なぜなら毎日多くの人命が失われ続けているからだ、という認識を示した。
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/09/21/internacional/1095784316.html
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ブッシュを非難するだけなら少し無謀なヤツならできることでしょうが、やはりサパテロの国連演説の中で「西側世界とアラブ・イスラム世界との間にある種の文明間同盟」は注目されます。これが欧州側の次の大きな戦略の一環であるように思えるからです。
サパテロ演説の評価には慎重を要しますが、しかし、この「文明間同盟」という言葉は、ブッシュ(というよりはネオコン=シオニスト、プロテスタント原理主義者の野合集団)の提唱した「文明間の戦争」(ヨーロッパではあの糞馬鹿野郎ベルルスコーニが得意げな顔で叫んでいましたが)に真っ向から対決するものであることには注目されます。果たしてこれが、この野合集団追い落としの旗印になるのでしょうか。
彼の国連での演説自体に関しては、9月22日付のエル・ペリオディコ紙には次のような見出しの記事が載っていました。
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『サパテロ、国連でブッシュの対テロ政策を徹底批判』
http://www.elperiodico.com/default.asp?idpublicacio_PK=5&idioma=CAS&idnoticia_PK=149818&idseccio_PK=4&h=040922
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これは、おおよそのことは次の阿修羅投稿でもすでに紹介されていることですので、改めての翻訳はしませんが、
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http://www.asyura2.com/0406/war60/msg/337.html
投稿者 すいか 日時 2004 年 9 月 22 日 17:38:17
国連 スペイン首相演説に拍手(NHKニュース)
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ただ、さすがにNHKだけあって、サパテロの演説の中心であった「文明間同盟」の話はカットしてくれていますね。不勉強な日本のマスコミのことですから、ひょっとしたら何の話か理解できなかったのかな?
またこれがブッシュの演説の後だっただけに、効果的だったようです。
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http://www.asyura2.com/0406/war60/msg/313.html
投稿者 ああ、やっぱり 日時 2004 年 9 月 22 日 01:44:50:
イラク戦争を正当化 米大統領が国連演説(kyodo)
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このサパテロの演説原稿を誰が書いたのか分かりません。しかしそもそも、彼の親玉は元首相でしたたかな古狸のフェリペ・ゴンサレスです。
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1982年のゴンサレス政権誕生の裏には様々な怪しげな動きがあったようです。(特に国王フアン・カルロスとオプス・デイの。)【これに関してはもうじき発売の「真相の深層」誌秋号をお読みください。】
またゴンサレスは2002年のベネズエラでのクーデーター未遂に関連して、チャベス追い落としの急先鋒であるベネズエラの大富豪(オプス・デイ)から、ブッシュとともに歓待を受けていたようで、なかなかの食わせ者です。
【参照:この投稿記事の後半のベネズエラに関する部分です】
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/126.html
日時 2004 年 1 月 05 日 03:56:30
イベリア半島「百鬼昼行図」 その4:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ
(1)バチカンを牛耳り中南米を操る悪魔的カルト集団
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また当然のことながら彼の演説は、9.11と3.11を共に「イスラム・テロ」とし最初から真相を覆い隠した上での話ですから、胡散臭さが漂います。(真相を知らないはずはないだろ! こら! サパテロ! アスナールに言いつけるぞ!)
現在、スペイン(サパテロ)がブッシュ批判の急先鋒に立っている感じですが、これは当然フランスとドイツの後押しがあっての話です。今後の欧州の戦術はなかなか興味を引いてくれそうです。
またエル・ムンド紙の記事の最後の段落にあったパレスチナ情勢に関するサパテロの言葉ですが、米国主導の「ルート・マップ」は破綻した、という宣言とも受け取れます。もしそうなら、欧州が次のイニシアチブをどう取っていくつもりなのか、今後に注目したいと思います。