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露、ブレジネフ書記長らの肖像を各地に建設 旧ソ連の歴史再評価の動き
プーチン大統領 中央集権体制構築に本腰
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアでは、歴代ソ連共産党書記長たちの肖像が建設されるなど、ソ連崩壊後、負の側面が強調されてきた同国の歴史を再評価する動きが各地で相次いでいる。プーチン露大統領も、約千人が死傷した先の北オセチア共和国の学校占拠事件を機に、ソ連時代をほうふつとさせる中央集権体制の構築に本腰を入れ始めた。ソ連的な秩序が少しずつ戻っている。
南部、黒海沿岸のノボロシスクでは十六日に、同国では初めてとなる故ブレジネフ書記長のブロンズ製肖像(全高二・二メートル、重さ五百キロ)が街の中心部に設置された。
同書記長は第二次大戦中、南部戦線で軍政治委員を務め、この日は、ナチス・ドイツからノボロシスクが解放された六十一周年記念日だった。
一年ほど前に同地方議会で、「ノボロシスクを解放し、工業都市に発展させた英雄」の記念碑を建設しようとの動きが出て地元有力者も賛同。除幕式には、同書記長の孫も駆けつけたという。
同書記長は、制限主権論を導入して中央集権体制を強化。チェコスロバキア軍事介入(一九六八年八月)やアフガニスタン侵攻(七九年十二月)などを引き起こし、東西冷戦を深めた。国内経済では、米国との軍拡競争により「停滞の時代」をもたらし、これまでは批判的見方が強かった。
そのブレジネフ氏の死後、書記長に就任した故アンドロポフ氏の銅像も今年六月、北部カレリア共和国の首都ペトロザボーツクに建設された。
同氏は、同じ旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン大統領が敬愛しているだけに、記念碑の建設は一足早かった。モスクワ市にも近々、アンドロポフ像がお目見えする予定だという。
十七日には、プーチン氏の大統領令により、モスクワのクレムリンにある無名戦士の墓に刻まれた「ボルゴグラード」の碑名が「スターリングラード」に改名された。
第二次大戦の対ドイツ戦で分岐点となる勝利をもたらしたソ連の当時の独裁的指導者、スターリンの名を取って改名された同市は、スターリン死後の六一年に、ボルゴグラードとなっている。
政治調査研究所のマルコフ所長は「(国内には)生活水準が高く、政治的にも安定していたブレジネフ時代を懐かしむ声は強い。(ブレジネフ像の建設は)さまざまな価値観がある自国の歴史で和解を模索する動きだ」と、同国で歴史の見直しが進むことを認めた。
プーチン大統領は来年の戦勝六十周年を迎えるに当たり、「祖国を愛することができるように歴史を教えなければならない」と強調している。
スターリンやブレジネフといった歴代指導者のプラス面を強調することで犯罪的な負の側面を薄め、ソ連的な秩序導入の環境作りを着々と進めるという同政権の姿勢が浮き彫りになっている。
(産経新聞) - 9月21日3時7分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040921-00000011-san-int