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(回答先: 在日米軍再編 年内に「中間報告」 政府方針 (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2004 年 9 月 20 日 07:04:14)
基地返還 米の胸三寸
横浜の遊休地 代償は池子の森？
全国屈指の基地県・神奈川県内でも米軍施設が集中する横浜市で、米側が市内４施設などの返還と引き換えに、逗子市にまたがる「池子住宅地区」に新たな米軍住宅の建設を迫り、横浜市は今週にも受け入れを表明する。返還面積は大きいが、実際には遊休地化を指摘されている土地が多く、本来なら無条件で返還されるべき施設といえる。日米地位協定のもと、“基地返還”は米側の胸三寸という現実は変わらない。 （横浜支局・金杉貴雄）
■計画変更
今月二日の日米合同委員会の施設調整部会。横浜市への返還施設を一部追加し、建設戸数を百戸削減することで合意した。譲歩を求める提案が横浜市から出されて、わずか一カ月。防衛施設庁が「計画変更はできない」と一年以上繰り返してきた言葉はあっさりくつがえり、根拠が示されないまま返還面積と住宅戸数の数字だけが動いた。
中田宏横浜市長は「誠意が認められる」と評価。住宅建設の受け入れも示唆した。市はそれまで、返還と住宅建設が交換条件とされたことに反発していたが、大規模な施設返還はぜひとも実現させたい重要課題。決裂を避け条件闘争を選んだ形の提案は、米軍が譲歩可能なもので、国側から「物分かりのいい市長だ」との声さえ聞かれた。
■共有財産
この提案によれば、池子地区には新たな米軍住宅七百戸が建設される。旧日本軍の接収以来、手つかずの緑が残り、「池子の森」と呼ばれる山が切り崩され、貴重な自然が失われることになる。
逗子市は既に八百五十四戸の米軍住宅を受け入れ、国、県と追加建設しないとする「三者合意」を結んでいる。横浜市内であっても池子地区への建設計画は約束違反だとして国を提訴している。
「池子米軍住宅に反対し自然と子どもを守る会」の中野英子さん（６２）は、「池子の自然は行政区域を超えた共有財産。逗子が泣きながら受け入れた思いを無視し、国は合意を曲解して約束を破ろうとしている」と憤る。
地元である横浜市金沢区では住民から「他の返還問題が絡められ、反対を叫びにくい雰囲気がある」といった声が聞かれる。
■取引材料
返還が検討されているのは四施設などで約三百八十ヘクタール。市内の米軍施設の七割に当たり、沖縄をのぞけば一九七〇年代以降で最大の返還となる。
だが、多くは遊休地化が指摘され、敷地の一部が農地やグラウンドとして周辺住民に利用されているところもある。
米軍基地は日米地位協定で、「目的のため必要でなくなったときはいつでも返還しなければならない」と規定されている。だが、判断は米軍にゆだねられている。米軍は具体的な計画がないにもかかわらず、「将来の住宅用地」などの名目で必要性を主張し返還に応じてこなかった。
東京国際大学の前田哲男教授（軍縮安全保障論）は、「米側は本来無条件で返還すべき施設を今回、住宅建設を地元にのませるための取引材料にした。こういう形で自治体ごとに要求を認めさせられると、沖縄など他地域の基地問題に悪影響を及ぼす」と懸念する。
現在の世界的な米軍再編の流れに、国内の基地も巻き込まれていく。しかし、基地の必要性の根本を問う姿勢が国にみられないため、地方は今後も翻弄（ほんろう）され続けそうだ。
◇メモ横浜市内の米軍施設返還と住宅追加建設
返還対象は▽上瀬谷通信施設（２４２ヘクタール）▽深谷通信所（７７ヘクタール）▽根岸住宅地区（４３ヘクタール）▽富岡倉庫地区（３ヘクタール）。今月新たに▽小柴貯油施設の一部（１０ヘクタール）▽池子住宅地区の飛び地（１ヘクタール）が加えられた。米軍住宅の建設は、横須賀基地など在日米軍の家族住宅不足解消が目的とされる。横浜・逗子市にまたがる「米軍池子住宅地区」（２８８ヘクタール）のうち、既に８５４戸が完成している逗子市側ではなく、横浜市側（３７ヘクタール）に８００戸を追加建設するとした。横浜市が戸数削減を求め、現在の計画は７００戸となっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040920/mng_____kakushin000.shtml
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。