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下村氏: たぶん以前にもこの番組で言ったと思うけど、ニューヨークタイム
スの支局長と話した時、彼は田岡さんと全く同じことを言っていた。「それが根
源なんだ。そこを解決しないことには・・・」と言うので、「それなら書きなさ
いよ」と言ったら、「いや、絶対に書けない。タブーだ」と言った。
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マリネッリ恵です。
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全文をそのまま転送・転載して下さるようお願い申し上げます。
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文責: マリネッリ恵
9月11日(土)、朝日ニュースター(CS31)の
「愛川欽也 パックイン・ジャーナル」を観ました。
出演者は、愛川欽也(司会)、田岡俊次(朝日新聞編集員)、二木啓孝(日刊ゲ
ンダイ)、横尾和博(社会評論家)、内田誠(ジャーナリスト)、下村満子
(ジャーナリスト)の皆さんでした。
今回とくに興味深いと思った部分は・・・・・
★思い遣り予算
★テロの根本原因を語るのはタブー
★チェチェン情勢
できるだけ正確にお伝え致します。
★思い遣り予算
愛川氏: この局でテレビ朝日の「朝まで生テレビ」を再放送しているのを、
たまたま観た。この番組でも以前おっしゃったように、「米軍は世界戦略の中
で、武器もよくなっているせいか基地をどんどん引き上げている。日本みたいに
米軍に思い遣り予算なんて払っている国は他にない。米軍は思い遣り予算がある
から日本に駐留しているんじゃないか」と田岡さんが発言なさった時、田原総一
朗さんが「そんな事を日本人で信じている人は、一人もいませんよ。朝日新聞も
そんな論調じゃない」とおっしゃった。私は「そんなことないよ。俺、いるよ」
と言いたかったけれど、再放送だったので電話もできなかった。僕は田岡さんの
説に納得している。この番組を観ている人は、かなり信じていると思う。
田岡氏: 変だなぁ。だってアメリカの議会で「なぜ日本にいるのですか?」
と訊かれると、国防省の役人が「日本にいるほうが安くつくからです」と、よく
言っているわけでねぇ。
愛川氏: 田岡さんにもう一回でて頂いて、言ってもらわないとね。その日は
亀井静香さんがお出になっていて、その後の田原さんの言動は、まるで小泉さん
に頼まれたみたいに「亀井さん、内閣に協力してくれ」っていうことで・・・。
裏に小泉さんがいるんだなぁと思いながら見ていると、一貫して見られる。色々
な番組を観て勉強していかないと、この21世紀は本当に混乱の中で、おっかな
い事だらけ。
★テロの根本原因を語るのはタブー
(私個人は「テロ」ではなく報復又はレジスタンスと呼びたいが)
愛川氏: マイケル・ムーアの「華氏911」を観に行った。職人だな、上手
いなと思った。わかりやすくできていて、笑わせて笑わせて、泣かせてくれた。
他にご覧になった方、何かご感想は?
田岡氏: 私は正直いってあんまり感心しなかった。だって内容は、アメリカ
ではあまり知られていなくても日本ではもうけっこう知られている事だし。特に
何故テロにやられたのかといえば、それはひとえにアメリカがイスラエルを支援
し過ぎるからで・・・。イスラエルが酷いことをする。それで国連で制裁をかけ
ようとしても、常にアメリカは拒否権を発動してずーっとイスラエルをかばい続
ける。1967年の第二次中東戦争で占領したヨルダン川西岸とかガザから撤退
しろということは、その年にもう決まっていたことなのに、37年間も居座って
おる。まあ少しだけ返したけれど。イラクがちょうどクウェートに侵攻して国連
の安保理決議に違反して居座ったのと同じ形なのに、イスラエルは経済制裁を科
せられないだけでなく、アメリカから毎年3000億円くらいの援助を受けてい
る。これを恨まれてもしょうがないのに、その事をアメリカではユダヤ人の勢力
が強くて言えない。さすがのマイケル・ムーアも、ブッシュ家とビンラディン家
の結びつきには触れているがイスラエルのことは言っていない。
2000年の9月にシャロンがわざわざ東エルサレムを挑発して第二次イン
ティファーダが始まった。アラブ人のテロ活動による死者は去年末までで800
人だか880人くらいでよく報道されているが、それに対してイスラエル軍は2
700〜2800人くらい殺しているはず。概ね1:3くらいの比率で殺してい
るんだけど、そのことはあまり知られていないし、まずアメリカのメディアには
出ない。「イスラエルを背後から支援するからテロにあう」なんて言おうものな
ら、みんなに「テロを正当化する気か!」と言われて袋叩きにされるものだか
ら、怖くてとても言えない。さすがのマイケル・ムーアでも言えないんだなぁと
思った。
下村氏: たぶん以前にもこの番組で言ったと思うけど、ニューヨークタイム
スの支局長と話した時、彼は田岡さんと全く同じことを言っていた。「それが根
源なんだ。そこを解決しないことには・・・」と言うので、「それなら書きなさ
いよ」と言ったら、「いや、絶対に書けない。タブーだ」と言った。
田岡氏: 人口のわずか2%、500万人くらいしかいないユダヤ人が完全に
アメリカを牛耳って、アメリカを戦争に追い込んでしまった。あと98%のアメ
リカ人は、いったい何をしとるんじゃ。
二木氏: アメリカの特定のメディアを名指しして、ユダヤのコントロールを
受けていると日本の週刊誌が書いたことがあった。そしたら直ぐにアメリカから
ユダヤ人人権団体が飛んで来た。600万人弱のメディアと金融を握っている人
達が、いわゆるネオコンと呼ばれている勢力に金銭的な援助をしているというの
もある。
田岡氏: イスラエルを批判する事とユダヤ人に対する差別とは、違う話なの
に。日本だって、北朝鮮がしている事は悪いという事と、在日朝鮮人がけしから
んという事は別の話なんだけど、そこのところをわざわざグチャグチャにしてい
る。昔から、一方のテロリストは他方の英雄ということはある。アメリカの独立
の頃だって親英派もいたわけで。独立派・中立・親英派はそれぞれ3分の1ずつ
だったが、親英派を脅したり迫害したりして。
二木氏: さかのぼれば、インディアンを殺戮して占領した国だから、最大の
侵略者。
下村氏: 根源を断たないと解決はないが、ただそういう中で「華氏911」
を作ったのは偉いと思う。
愛川氏: 911でアメリカはずいぶん変わった。ブッシュの人気が上がった
し、以前はチェチェン問題に関して「人権問題としてまずい」とロシアに批判的
だったけど、911以降は態度を変え、大国の植民地物語の続きみたいなものを
容認していく姿勢になった。テロは悪ということで、「テロと臭うだけで叩いて
いいぞ」という先制攻撃論が起きた。
田岡氏: 911から表面化したという面もある。ソ連に勝ったところですご
く傲慢になって、国連なんかどうでもいいんだとか他所の国はどうでもいいんだ
というような事を、既にかなり言うようになっていたから。「全世界の覇権を
握ったのはアメリカが初めて。最初で最後の覇権国家になるんだ」なんていう事
を、911以前から学者などが平気で書いていた。一方、人権重視ということも
あったのでそこで抑えが効いていた。ところがテロが起きたので「テロは悪
だー」という事で、傲慢が一挙に表面に出てきたという方が、むしろ真相に近い
んじゃないかと思う。つまり覇権意識が生まれ、+テロによる被害者意識が生ま
れ、その2つが合体して・・・
内田氏: アメリカってやっぱり不思議な国で、本当に2つあるんじゃないか
と思う。69年の"Easy Rider"という映画をもう一度見た。ピーター・フォンダ
ともう一人、監督さんだけど、バイクに乗ってアメリカを縦断して謝肉祭を見に
行く。その過程で最終的には、南部で「髪の毛を切れ」と言われて保守的なアメ
リカ人にショットガンで殺されるという話。映画の最後に「自由とか権利につい
てみんな語るけど、人が自由にしているのを見るのは、みな大っ嫌いなんだ」と
言う。
二木氏: 最後にジェーン・フォンダが、「奴らはバイクが嫌いなんじゃない
んだ。人が自由にしているのを見るのが嫌いなんだ」って言う。
田岡氏: だからアメリカには、反自由主義が常にあるんだ。どちらかという
とおしゃれで外国好みの、寿司を食ってる人とか、カフェ・ラッテを飲んでる人
とか、ニューヨークタイムスを読んでる人なんかは、「あれはリベラルだ。けし
からん」ということで・・・。みんな一生懸命、「私は自由主義者じゃありませ
ん」と言わないと、ブッシュ側から自由主義者だというレッテルを貼り付けられ
るから。
下村氏: アメリカって本当に国際的な視野を持った人は少数派で、地方に
いって新聞を見ると、まず国際的なニュースなんてほとんどゼロ。フットボール
の試合なんかのことばっかり。
田岡氏: それからもう一つ、他所の国に自分たちがお説教したりする権利が
あると思っている。911前には人権問題で盛んに他所の国をお説教していた。
一番ひどいのはユーゴスラビアのコソボで、元々ユーゴスラビアの昔からのセル
ビア領だった所に、隣のアルバニアから不法に入って来たのが、人数が増えて独
立運動が始まった。「あれは正にイスラムのテロ活動じゃないか」とアメリカに
言われて、ミロシェビッチが行った。それで騒ぎになったら、今度は人権問題だ
と言う。ミロシェビッチを裁判にかけているけど、今だったらあれは絶対にアメ
リカが全面的に後押しをしているケース。911以降は、ブッシュとシャロンと
ぷーチンの3人が弾圧枢軸みたいになっちゃって。
田岡氏: これの世界の変わり方がすごいと思うのは、911の直後はアメリ
カ同情論が急に高まってアメリカ支援ムードがあの1〜2ヶ月は一挙に盛り上
がった。ところがアフガンで戦争を始めイラクで始めとなったら、今度は嫌米感
情が一気に高まった。今やもう皆、アメリカ大嫌い。それから今出兵している
国、国際社会との協調と日本政府は言うけれど、どんどん減って今はもうたぶん
世界の16%くらい。それも大多数は東ヨーロッパの最近NATOに入った国。
最近ではブッシュだけでなくケリーまでもがタカ派路線で負けちゃ困るという
んで、「如何なる国際機関にも如何なる国にも、我々の政策には口出しさせな
い」という事を平気で言っている。つまり国連も無視する。外国も無視する。先
制攻撃もじさない。
★チェチェン情勢
愛川氏: プーチンさんはやけに強権的な政治を始めたという気がする。
田岡氏: 第2のスターリンでしょ。以前のKGBの手口が100%復活したの
にはびっくりした。アンナ・ポリトコフスカヤというチェチェン問題をよく書い
ているノーバヤ・ガゼータ紙の評論員が今回モスクワから行こうとした時、役人
が優先的に手配してくれたのでわりと早く飛行機に乗れた。ところが機内で紅茶
を飲んだら、ひどい腹痛になって入院。それはKGBが昔からよく使ってた手口。
日本大使館に盗聴器が仕掛けられているというので、日本の自衛隊の専門の将校
二人が盗聴器を外しに行った。お茶を飲んで、さあ仕事をしようと思ったら、突
然バタンと倒れた。今回と全く同じ症状。KGBのお得意の死なない程度の嫌がら
せの毒。他のチェチェン問題を扱っている記者も、爆薬所持の容疑で逮捕され
て、何も持っていないから直ぐに釈放されるけど、そうやって一時的に活動させ
ないようにしている。
横尾氏: ソ連の時代はサミズダードといって地下出版とかが凄く流行ってい
て、権力に対する批判や風刺をしていたが、今は少し民主化された雰囲気がある
から、政権批判などがなかなか出てこないのが問題だと思う。
田岡氏: ただ外国の記者がジャンジャン入っているから、そういう話は出て
くる。
内田氏: 社会主義が崩壊してエリツィンが大統領になって、新興財閥がもう
メチャクチャをやって税金も払わないっていう世界で、ほとんどの人が貧しくて
非常に苦しい時代があった。で、それをプーチンが、その新興財閥を全部おさえ
ることによって、自分の独裁体制を築いていった。それはKGB出身のプーチンで
ないとできなかったと思う。ただ独裁をやっているんだけど、今ロシアっていう
のは世界最大の原油輸出国、サウジアラビアを抜いたから。だから経済的には良
くて、言論の自由はないけど飯は食えるっていう世界になりつつあるんじゃない
か。
愛川氏: ロシアが世界最大の原油輸出国というのは、初めて聞いた話。この
ロシアが輸出した石油は、やっぱりアメリカの石油資本の中に組み込めれていく
の?
内田氏: いや、その辺はわからないけど、例の黒海とカスピ海を結ぶ地域と
いうのは問題ないが、チェチェンよりも南側にグルジアとアゼルバイジャンとい
う国があって、それはいずれもアメリカに親米政権にひっくり返された。そこは
アメリカに握られている。グルジアは確か外務大臣だったシュワルツナゼってい
う人が追い払われて、アゼルバイジャンはアリエフの息子になって親米政権に
なってしまった。だからチェチェンはある意味じゃロシアにとって物凄く大事だ
から。
愛川氏: ロシア(ソ連?)の崩壊した所を、アメリカはしっかりチャンスを
握っちゃったわけでしょ。着実に覇権を進めている。ということはロシアにとっ
てチェチェンは命の国みたいになってる。ここにチェチェンの独立問題があっ
て、たかだか岩手県くらいの人口80万人か90万人の内の20万人殺されて、
まだがんばっている。その中でこの学校占拠事件があった。
田岡氏: 20万人殺したということは完全に genocide (集団殺戮)で、普
通の国の動員可能兵力は人口の最大10%くらい。20%ということは凄い。村
を襲って村人を全部つかまえて拷問して殺しちゃうとか、そういう事をどんどん
やっているわけでしょ。だから夫も子供も失った全く希望もない未亡人がテロに
走るわけで。
二木氏: だから北オセチアの学校占拠はひどい惨劇なんだけど、帝政ロシア
の時代にロシアがチェチェンを奪ってしまったから、もう200年戦争みたいな
ものな訳でしょ。この時点で何があったかということで、例えばグロズニーに
入って戦車がバンバン撃っているところをとれば、ロシアは何て酷い国だという
ことになるし、今回は北オセチアのあの惨劇があるからチェチェンは何て酷いん
だという話になるんであって・・・。
ニュースっていうのは輪切りにしたそこしか出さないんだけど、ここ200年
の長い流れでいうと、圧倒的にチェチェンの人達がかわいそう。アメリカが91
1で何が変わったかというと、テロという言葉で全てくくってしまって、「テロ
との戦い」と言えば何でも許されるみたいになったこと。今度プーチンがやっぱ
り先制攻撃論を言い始めた。だから見事にプーチンのブッシュ化なんだか、ブッ
シュのプーチン化なんだかわかんないけど。
田岡氏: いや、むしろブッシュ化・プーチン化より、シャロン化なんだ。全
員、シャロン化。ロシアは本当に今の軍事行動でチェチェンのテロを絶滅できる
かもしれない。だってもう25%死んでるわけでしょ。残り75%、みんな女・
子供だから。80万人みんな殺しかねない。
二木氏: ロシアとしては、もうそれしかないでしょ。和解するとか、独立さ
せて自治権を与えるとか、できないわけだから。叩き潰すか、昔みたいに中央ア
ジアに移住させるか。
田岡氏: 彼ら前も、第二次世界大戦の時、ドイツが来たからしめたと思って
ドイツにすがったんだけど、後でドイツが下がったから報復で43年から全員中
央アジアに送られた。その時も3分の1くらい死んでいる。チェチェンだけ殺し
ても、結局また他の所で問題が起きる。
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以上、文責マリネッリ恵でした。
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