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(回答先: Re: 特殊な戦車砲弾? もしかして、フレシェット弾? 投稿者 Kotetu 日時 2004 年 10 月 05 日 02:15:07)
ガザ地区への激しい攻撃
Severe Attacks on the Gaza Strip
クリステン・エス
Kristen Ess
2003年3月7日
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ガザ地区の病院はどこも緊急に血液と医薬品を必要としている。イスラエル軍による封鎖が続いていて、入手できない状態にあるのだ。多くのパレスチナ人が死にかけているというのに、在庫の血液と医薬品は底をついてしまった。この1週間だけで、イスラエル軍はガザ地区で数百人のパレスチナ人を負傷させている。
今週のガザ地区での状況は特にひどいものだった。イスラエル占領軍の暴虐行為のもと、パレスチナの人々は人質状態に置かれ、侵攻するイスラエル兵たち──戦車から砲撃し、空を飛ぶアパッチ・ヘリから爆撃し、目の前にいるすべてのパレスチナ人を銃撃する──から逃げることもできない。昨晩、イスラエル軍は、ガザ地区のブレイジュ難民キャンプを襲撃した。8人のパレスチナ人を殺し、29人に怪我を負わせた。5軒の家を破壊し、内4軒にはダイナマイトを使った。隣りの家が爆破されたため、自分の家にいた33歳の妊娠中の女性が死んだ。イスラエル軍はまた、ガザ地区南部、ハン・ユニスのナムサーウィー地区に侵攻、2人を殺し、40人を負傷させた。イスラエル軍は、もう当たり前になっていることだが、救急車が負傷者のもとに行こうとするのを許さなかった。彼らは9軒の住居と6軒の店舗、そして、ナシール病院の一部を破壊した。
一昨日には、イスラエル占領軍は、ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプに侵攻。合衆国が供与しているアパッチ・ヘリからガザ市立病院にミサイルを撃ち込み、すでに負傷して収容されていた男性1人と2人の看護師を殺した。イスラエル軍がジャバリヤ難民キャンプに対する9時間の攻撃を終えたのは、昨日の朝8時──その最後の時になって、イスラエル軍は、救急車の近くに集まっていた人たちの間に戦車砲を撃ち込んだ。1軒の家が炎上し、家族が閉じ込められていたため、人々は火事を消すために集まり、2人の消防士が建物に放水していたところだった。イスラエル兵たちは、その消防士と周囲に立っていた人たちに向けて戦車砲を発射したのだ。救急車の運転手が片脚だけになりながら幼い男の子を何とか助けようとし、ほかの大勢の人は地面に倒れて死んだ。男の子を抱き上げようとする運転手に手を貸そうと、2人が駆け寄った。その時になって初めて、私たちは、運転手の顔がなくなっているのに気づいた。残されていたのは、地面に流れる大量の血と幼い男の子だけ。同じ日の朝には、2人のジャーナリストが銃撃を受けた。夜間に行なわれた殺戮を報告しようとしていたジャーナリストの誰も、キャンプに入ることを許されなかった。この1晩の攻撃で、140人以上のパレスチナ人が負傷。11人が死に、内3人は子供だった *1。
残忍なイスラエルの「軍事」政府の手によって、ガザ地区ではこのような攻撃が毎晩、起こっている。この地の人たちにとって、日々まのあたりにする多数の死者と恐怖とに対処していくのは不可能に近い状態だ。イスラエルの兵士たちは、夜間のほとんどの時間帯、救急車が助けを必要としている人たちのもとに向かうのを妨害する。さらには、イスラエルの兵士は、救急車を押収して自分たちが乗り込み、住民をもっと簡単に撃てるよう、キャンプに入るのに使っている──こんな話も、キャンプの人たちから聞いている。この週だけで、イスラエル軍の兵士たちは、ガザ地区で80人以上のパレスチナ人を殺した。こうした殺戮行為は、合衆国がイラクに対する軍事侵攻と占領を公然と計画している今、さらに続くものと思われる。
追放されてガザ市にいる友人がいる。彼には4歳の息子がいる。息子は、イスラエル政府によって、父親のもとを訪問するのを許されていない。父親は、「父さんに会いに来たいかい?」と息子にたずねた。
4歳の息子は問い返した。
「イスラエル軍は、ぼくを撃つ?」
父親「いや、そうは思わないな」
息子「そうか! イスラエル軍が殺すのは大きい人だけで、小さい子は殺さないんだね? 違う?」
父親「そのとおりだ」
息子「わかった。それじゃ、行く」
あるパレスチナ人は、今では以前よりもさらに未来がなくなった、と言う。立てるべき計画もない。現在、アラファト議長は、シャロンが進んで話に応じてくれる人物を見つけ出そうとして、アブー・マーゼン(マフムード・アッバース)を首相候補として真剣に検討しているが、そのパレスチナ人は、こう言っただけだった。「合衆国に好かれているやつだよ」
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翻訳:山田和子
原文初出:ISM(国際連帯運動)のレポートによる
原文:http://electronicintifada.net/v2/article1227.shtml
編集者註:
*1 2003年3月6日のこの攻撃の映像(動画)が以下で公開されている。この文章で書かれているように首が失われた人なども写っている衝撃的な映像。フレシェット弾が炸裂して、矢のようなものが飛んでくるところがわかる。また、救助に駆け寄っていた人たちが銃撃に追われている光景もある。まさに阿鼻叫喚の映像なので、覚悟の上で見て下さい。
http://www.hiropress.net/contents/archive/gaza_movie.html
(HIROPRESS.net 「ガザから届いた映像」)
この攻撃で使われたフレシェット”ハチの巣”砲弾とは……砲弾の中に2.5〜5cm位の鋼鉄製釘(形状はダーツ、矢などに酷似)が約5000本仕込まれ、砲弾が空中で炸裂する際に飛び散り、無差別に人体をずたずたにする対人殺傷兵器。1つの砲弾から発射される「矢」は300m×90mの範囲に降り注ぐ。この砲弾の通称は『ハチの巣』。米軍がベトナム戦争時に最初に使用した。ガザ地区ではこの砲弾により2000年以来、少なくとも26人が殺されている。最近で確認されているのは、2003年3月、難民キャンプに打ち込まれ、8人が殺され、100人以上が負傷したケース。この砲弾による遺体の中には首が落ちていたケースも2件報告されている。イスラエルとパレスチナの人権団体は2002年にこの兵器の使用を禁じるようイスラエル高等裁判所に訴えていたが、2003年4月、高等裁判所はこの訴えを退けた。フレシェット弾は「不必要な苦痛を与え、民間人に危害を加える」という点でジュネーブ協定第4条約や国際人権法に違反している。http://www.thenausea.com/elements/Israel/israel-doc1.html にこのフレシェット弾の構造図など。
フレシェット弾 参考サイト(英文):
http://www.hk94.com/weblog/?p=79
Israeli Armour Units Fire “Beehive” Flechettes at Palestinians
http://www.janes.com/regional_news/africa_middle_east/news/jdw/jdw010522_2_n.shtml Israel's military debates use of flechette round
http://www.btselem.org/English/Open_Fire_Regulations/Flechette.asp
イスラエルの人権団体「ブツレム」によるフレシェット弾の使用レポート
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http://www.onweb.to/palestine/siryo/ess07mar03.html