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米政権:
イラク開戦の証拠で専門家の反論無視 米紙が検証
【ワシントン中島哲夫】3日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、ブッシュ政権がイラクの旧フセイン政権による核兵器開発の証拠として強調した「ウラン濃縮用アルミニウム管」について、核専門家らの反論が事実上無視された経緯を詳細な検証記事で伝えた。検証は3ページを全面使った異例の展開で、ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は同日のテレビ番組で、異論があることを知っていたと認めた。
ブッシュ政権が意図的にイラク戦争へと突き進んだ疑いを深めさせる状況であり、民主党大統領候補ケリー上院議員の陣営は早くも攻撃材料にしている。
アルミ管はイラクが大量輸入を図ったもので、同紙が02年9月、兵器用ウラン濃縮のための遠心分離機に使われる可能性を初めて報じた。同じ日のテレビ番組でチェイニー副大統領は報道を事実だと認め、フセイン政権が核兵器開発を活発に進めていると断言した。ライス補佐官もアルミ管は「核兵器計画だけに適合する」と語っていた。
ブッシュ大統領は03年1月の一般教書演説などで同種の言及をし、パウエル国務長官も翌月の安保理報告で「米国の大半の専門家」はアルミ管をウラン濃縮用とみていると明言した。
しかし、同紙によると、米中央情報局(CIA)は既に01年にイラクが6万本のアルミ管を輸入しようとしている事実を知り、同年4月に「ジョー」という名の下級分析官がウラン濃縮用との報告書をまとめたが、エネルギー省の核専門家らは(1)遠心分離機用にはサイズが合わない(2)イラクは公然と値引き交渉をしており、秘密の核計画にそぐわない−−などと反論、ロケット砲弾の製造用だろうと結論づけた。
これが正しかったことは02年末、国連の査察チームがイラクで全く同じサイズのアルミ管を用いたロケット砲弾1万3000発を見つけたことで事実上確認された。
しかしブッシュ政権は特にチェイニー副大統領が先頭に立ってフセイン政権の脅威を裏付ける証拠を求め、CIA下級分析官の判断を利用する形になったという。
3日、CNNテレビなどに出演したライス補佐官は、02年9月の発言当時、アルミ管に関して論争があることは知っていたが、内容が分かったのは後日だったと釈明。当時のテネットCIA長官をはじめ米情報当局全体として、アルミ管はウラン濃縮用だと判断していたと主張した。
また、情報は思っていたほど良質ではなかったが、フセイン政権の脅威を除去しようという判断そのものは「完全に正しかった」と断言した。
毎日新聞 2004年10月4日 11時23分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041004k0000e030031000c.html