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米国で、ケリーを利する報道が主流を占めだした。
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「ゆがんだ情報が戦争へ」NYタイムズがイラク開戦検証
なぜ米国は、イラクのフセイン政権が核兵器の開発を進めていると判断し、戦争への道を進んだのか――3日付の米有力紙ニューヨーク・タイムズは特別報告として、詳細な検証を載せた。情報機関や核専門家の意見を退けた米政府は、偏りに気づいたあともイラク開戦に向けて、核疑惑が深刻であるかのように国内外の世論を導いた、と結論づけている。
「ゆがんだ情報が戦争への道を染め上げた」と題する記事は、1面トップから3面までの全ページを使う異例の大展開。検証はブッシュ政権が核疑惑の証拠として挙げた「イラクが輸入したアルミニウム管」を中心に据えた。アルミ管は当初から、地上発射かヘリコプター搭載のロケット砲用との見方が強かった。なぜ、ウラン濃縮用の遠心分離器の部品と見なされたかを説明した。
同紙によると(1)中央情報局(CIA)には経験のある専門家が不足していたが、「ジョー」と呼ばれる人物が中心になって01年春、「ウラン濃縮計画以外の使用はほとんど考えられない」との報告書をまとめた(2)ただちにエネルギー省の核専門家らが「ロケット砲」との報告書をまとめたが、注意は払われなかった、という。
02年9月にライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、アルミ管について米テレビで「核兵器計画にのみ使用される」と断言。記事は「すでにそのとき『ロケット砲用』というエネルギー省の判断を知っていた」と指摘。03年のブッシュ大統領の一般演説や、国連安全保障理事会でのパウエル国務長官の説明でも、核兵器用と断言するのを避けて「転用が可能」との留保にとどめたという。
約1カ月後に迫った米大統領選でブッシュ大統領は、民主党のケリー候補が「開戦に賛成し、その後、戦争批判に転じた」ことを強調しているが、この記事は議会が開戦決議をする際に情報操作があったことを指摘。当時の情報では、賛成もやむを得なかったと主張するケリー氏を利するものだ。 (10/03 23:18)
http://www.asahi.com/international/update/1003/011.html