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首相の米軍基地本土移転発言 調整難題 米軍再編と両にらみ
■官邸主導の試金石
小泉純一郎首相が先の講演で、沖縄米軍基地の本土移転を検討する考えを表明したことで、政府は強い反発が予想される受け入れ先の自治体との調整という難題と向き合うことになった。世界的規模で進む米軍再編(トランスフォーメーション)の中で、在日米軍をどう位置づけるのかという安全保障上の課題とも関連する。首相官邸が主導すべき「戦略」と、指導力が試される場面となってきた。
「沖縄の基地負担をいかに軽減するかというのは、小泉内閣の重い課題だ」。首相は一日の講演でこう明言するとともに、移転先の自治体に対して「責任ある対応」を促し、痛みを分かちあうべきだとの考えを表明した。
沖縄県の稲嶺恵一知事はさっそく「沖縄の基地問題を全国の問題として取り上げるのは初めてだ。首相のリーダーシップに期待したい」と歓迎する意向を表明した。
首相が、この時期に本土移転に言及した真意は、在日米軍の再編とそれに伴う沖縄の負担軽減に関して、「強い政治的メッセージを発しなければ、県民感情を悪化させるだけではなく、日米同盟にヒビが入る」(外務省幹部)という安全保障上の危機感があった。
在日米軍の再編協議では今年前半、米国側がキャンプ座間(神奈川県)への陸軍第一軍団司令部(ワシントン州)の移転などを提示。また、沖縄に駐留している海兵隊の一部を、キャンプ富士(静岡県)、キャンプ座間、陸上自衛隊矢臼別演習場(北海道)に移転させる構想も打診した。
日本側は受け入れ先の地元自治体との調整がついていないことや参院選が控えていることなどを理由に具体的な回答を引き延ばしてきた。外務省は「米側からの公式な提案はない。打診された再編案は担当者の個人的な構想にとどまっている」(幹部)としてきた。
しかし、米太平洋軍のファーゴ司令官は九月の米上院軍事委員会公聴会で「騒音問題も含めて沖縄基地の再配置について緊密に作業している」と証言。来日した国防総省幹部も自民党幹部に外務省の対応に不満を表明するなど日米の事務レベルでは擦れ違いが目立つようになってしまった。
沖縄県には在日米軍基地の約75%が集中しており「沖縄の米軍基地の整理・統合の話が前に進まないと、米軍再編の協議自体にも影響が出る」(日米関係筋)とみられている。
こうした中で行われた九月下旬の日米首脳会談では、在日米軍の再編問題について(1)効率的抑止力の達成(2)地元の負担軽減につながるよう努力する−との原則で合意するにとどまった。
その後、首相補佐官に起用された山崎拓前自民党副総裁が「基地再編問題の司令塔」の必要性を進言したように、政治面での指導力が発揮されなければ、米側の不満が高まる素地は十分にあった。
しかし、平成七年の少女暴行事件をきっかけに沖縄の負担軽減策の一環として打ち出された海兵隊の実弾射撃演習の本土移転は、受け入れ先の地元自治体との協議が難航した経緯がある。
民主党の岡田克也代表は「実現の見通しがあって言っているならいいが、一般論で言っているなら極めて無責任だ」と批判したが、首相はどこまで成算があって、本土移転に言及したのか。政府内には「方針だけ示しておいて、後は“丸投げ”では困る」(外務省筋)として必ずしも前向きに取り組む空気は高まっていない。
沖縄の米軍基地の整理・統合は普天間飛行場などの返還を決めた平成八年のSACO(日米特別行動委員会)の合意に基づいて進められている。防衛庁幹部も「首相が話した負担軽減策とSACO合意とがどうかかわってくるのかは現状では分からない」としており、官邸サイドが具体的な案や手だてを温めているわけではなさそうだ。
拓殖大の森本敏教授(安全保障論)は「政府は米軍の意向も踏まえ、再編の全体像を描き、マスタープラン(大方針)を描かねばならない。官邸がリードして日本にとって何が望ましいのか、調整を進めるべきだ」と、首相の指導力が不可欠との考えを強調している。
◇
≪発言の要旨≫
小泉純一郎首相が1日の講演で行った沖縄の基地負担に関する発言の要旨は次の通り。
沖縄の基地の負担をいかに軽減するかは、小泉内閣の重い課題だ。本土のどこにその代替機能を持ってくるかというと、名前が挙がる自治体は全部反対だ。沖縄以外の各都道府県のどこに持ってくるかを日本政府は考えて、その自治体に事前に相談しなければいけないこともあるかもしれない。自治体がOKした場合は、米国と交渉する。それをやらずに、ただ米国に指定されると、指定された自治体は必ず反対して消えてしまう。沖縄以外も、少しは「自分たちも持っていい」という責任ある対応をしてもらいたい。非常に難しい問題だが、政府はこれから考えていかなくてはならない。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/04pol001.htm