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9月10日付・読売社説(1)
[『9・11』3年]「テロ集団をどう封じ込めるか」
米同時テロから、三年たつ。世界を、より安全にするためには、なお根気強い国際社会の努力が不可欠だ。
世界各地で、テロは終息するどころか、広がる勢いだ。
九日も、ジャカルタで、オーストラリア大使館を狙った爆弾テロがあった。
ロシア・北オセチヤでの学校襲撃テロや、モスクワ地下鉄の自爆テロ、航空機の同時爆破テロの記憶も生々しい。スペインは列車同時爆破テロに見舞われた。パレスチナとイスラエルは、テロと報復攻撃の悪循環の中にある。
テロの性格によっては、北アイルランド紛争のように、政治的解決へ向かう場合もあるだろう。
だが、米同時テロを起こしたイスラム過激派の国際テロ組織アル・カーイダのような、世界の秩序破壊を狙うテロ集団は別だ。政治的解決はあり得ない。彼らが大量破壊兵器を入手すれば、世界は重大な脅威に直面する。
米国は、そうした危機感からアフガニスタンとイラクで戦争に踏み切った。いずれの国でも政権は崩壊した。だが、安定化には程遠い。
国際社会にとって、両国の安定化を図ることが最優先課題だ。復興と民主的政権の樹立に失敗すれば、世界は、テロとの戦いで敗北することになる。
主権移譲から二か月以上たったイラクでは、暫定議会に相当する諮問評議会の選出が終わり、来年一月の総選挙へ向けた準備が、これから始まる。最大の懸念材料は、治安の悪化だ。
イラク中部の都市ファルージャは、アル・カーイダと関係の深いテロリスト、ザルカウィ一派など過激武装勢力の拠点と化した。米軍との衝突で、連日のように多数の死傷者が出ている。米軍の死者は、イラク開戦以来、千人を超した。
アフガンでは、来月は大統領選挙、来年四月は議会選挙を予定している。首都カブールでは先月末、旧タリバン政権の残党による爆弾テロ事件が起きた。
治安の改善なしには、選挙で中心的な役割を担う国連は活動できない。政治日程が大幅に狂えば、テロ勢力の温床国家となりかねない。
イラク戦以降、世界的に反米機運が高まる傾向があることも懸念される。ブッシュ政権の単独行動主義的傾向という政治手法への反発もあるのだろう。
だが、唯一の超大国である米国を抜きにしては、世界の安定も繁栄もあり得ない。仏独露は、開戦をめぐる対立からイラク多国籍軍に参加していないが、世界をより安全にするために、米欧はともに亀裂修復に努めるべきだ。
(2004/9/10/01:45 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040909ig90.htm