ジャカルタの豪大使館前で爆発、６人死亡　テロの可能性

　９日午前１０時２５分（日本時間午後零時２５分）ごろ、インドネシアの首都ジャカルタ中心部にあるオーストラリア大使館前で大きな爆発があり、国家警察などによると、少なくとも６人が死亡、外国人を含む１００人以上が負傷した。爆弾を積んだ車が大使館前で爆発したとみられる。国家警察は、イスラム過激派組織によるテロ事件の可能性があると見て、捜査を始めた。

　インドネシアでは、国際テロ組織アルカイダと関係があるとされる東南アジアのイスラム過激派組織ジェマー・イスラミア（ＪＩ）によるとみられる爆弾テロ事件が、０２年１０月にバリで、昨年８月にはジャカルタで起き、２００人以上が犠牲になっている。国家警察のダイ・バクティアル長官は同日、爆弾を積んだ車を使った手法が一連の事件と類似していることを指摘。ＪＩの爆弾製造専門家で、指名手配中のマレーシア人アザハリ容疑者が関与している、との見方を示した。

　現場では、大使館をはじめ、近くのビルは数百メートルの範囲で窓ガラスが割れたり、天井が落ちたりした。大使館前のラスナ・サイード通りでは、１０数台の車が壊れた。負傷者は、大使館に近いメトロポリタン・メディカルセンターなど４つの病院に運ばれた。在ジャカルタの日本大使館によると、日本人が事件に巻き込まれたという情報はない。爆破事件のあったクニンガン地区は、大使館やホテル、外資企業、外国人向けの住宅などが密集する地域。昨年８月に爆弾テロがあったマリオットホテルは、現場から１キロ余り離れた同じ地区にある。

　メガワティ大統領は同日夕、皇太子の結婚式に出席するため訪問していたブルネイから急きょ帰国し、豪州大使館や負傷者が収容された病院を訪れた。大統領は、国際世論に押される形でＪＩなどテロ組織の摘発を続けてきたが、再発を防げなかったことで、内外からの厳しい批判を受けることは必至と見られる。

　一方、オーストラリアのダウナー外相は同日、同国を標的にしたテロとの見方を示した。外相は同夜、ジャカルタに向かった。インドネシアでは２０日に大統領選の決選投票が予定されており、オーストラリアでも来月９日に総選挙が実施される。選挙妨害を狙ったテロとの見方が出ている。

　米国や豪州は最近、ＪＩによる爆弾テロが再び起きる可能性が高いとして、自国民に対して、外国人が利用するホテルなどに近づかないように注意を促していた。

(09/09 20:28)

http://www.asahi.com/international/update/0909/006.html

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