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都立白鴎中・高一貫校 侵略戦争賛美の「つくる会」教科書の採択を許すな!
革マル派「解放」第1835号 2004年9月13日
中国・東南アジアへの日本帝国主義の侵略戦争を、「大東亜戦争」として記述し賛美している歴史教科書――「新しい歴史教科書をつくる会」編集の中学生用(扶桑社版)――がついに、都立の普通校としては初めて採用が決定されてしまった。
八月二十六日に開かれた東京都教育委員会において、〇五年四月に開校予定の都立中高一貫校・白鴎高校付属中学校(台東区)では扶桑社版の教科書を使うことが、六人の委員のうち五人が推せんして決められてしまった。形式上は八社の教科書が検討された、とされているのだが、北朝鮮による拉致問題の扱いや日本の文化や伝統、神話の扱い方がもっともよい、という理由で「つくる会」教科書が採用された。
全国的にみて、公立中学校での「つくる会」教科書の採択は、二〇〇〇年の愛媛県立中高一貫校以来二例目である。都教委はすでに二〇〇一年八月に扶桑社の中学校歴史・公民教科書を都立養護学校の一部で採択してきている。
小泉にも、アメリカの権力者にも「ノー」ということを完全にやめてしまったファシスト知事・石原は、都内の中学校への「つくる会」教科書の全面的採用を視野に入れて、二〇〇五年開校予定の都立白鴎・中高一貫校(現在は白鴎高)の顧問に、都教委の米長邦雄とエリート選別教育の推奨者である三浦朱門とをすえた(二〇〇四年一月)。都立の中学校であることを利用して、都教委が直接のりだすかたちで採択をおこなったのだ。――なお、中高一貫校とされる予定の都立高校は他に小石川、富士など十校が指定されている。これらの中高一貫校でも、「つくる会」教科書の採択がたくらまれるであろう。
自民党の安倍晋三幹事長は「日本の前途と歴史教科書を考える議員の会」が開いた国会議員・地方議員合同シンポジウムで「歴史教育の問題は憲法改正、教育基本法改正の問題と表裏一体の重要問題」と発言した(六月十四日)。
「つくる会」教科書の公立校での採用問題は、国家権力者みずからがあけすけに語っているように憲法・教基法改悪問題とひとつながりの問題なのである。まさに風雲急をつげている!
「つくる会」の副会長――日本共産党からの脱落ファシスト藤岡信勝は昨〇三年五月にすでにのべていた。「白鴎中学校で扶桑社(版)が採用されれば、その与える影響はきわめて大きなものになる。……平成十六(〇四)年の教科書採択で一ヵ所でも成功すれば、二年後のいっせい採択での勝利の展望が開けるだろう」と。(「つくる会」の会報『史』二〇〇三年五月号)。
稀代の破廉恥漢―藤岡は同『史』紙上で「南京大虐殺や朝鮮人強制連行は日本を糾弾するために捏造された嘘」だと叫びたてている。
「日本の戦争目的は、自存自衛とアジアを欧米の支配から解放し、……『大東亜共栄圏』を建設することであると宣言した」というように、日本の侵略戦争を全面的に肯定し賛美するかたちで記述される「つくる会」教科書は、執筆者のイデオロギーの直接的表現であることにとどまらない。ネオ国家主義者がこぞって、この教科書の採択にむけて大合唱をおこなっていることにしめされるように、日本の国家権力者たちが、戦争のできる「普通の国」にふさわしい国民の育成をねらい、「二十一世紀の国家像」「国家戦略」のねりあげを急いでいることと不可分なのである。――日本経団連は「国の基本問題検討委員会」を設置(〇四年五月)して、公々然と憲法改正*竭閧ぶちあげた。「連合」の笹森執行部・自治労本部がこれに歩調を合わせて対応しはじめた。
「つくる会」教科書採択問題は同時に憲法・教基法改正問題でもあるのだ。