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イラク:
副大統領「空爆は正当化できない」 米軍を批判
【バグダッド斎藤義彦】イラク暫定政府のイブラヒム・ジャファリ副大統領は5日までに、毎日新聞と単独会見し、中部の聖地ナジャフやバグダッド西方のファルージャでの米軍の攻撃について「暴力は暴力を生むだけで正当化できない」と強く批判した。また、暫定政府として「多国籍軍を削減するよう働きかけている」ことを明らかにした。イラク国内には主権移譲後も米軍が各地で軍事攻撃を続けていることに対して強い批判があり、こうした不満をくみとった発言とみられる。
また、来年に予定される総選挙に向けて、暫定政府内部で米国と距離を置く動きが出始めた兆候としても注目される。
副大統領は「暴力を解決するために強い行動を取ることを否定しない」と武力行使を否定しなかった。一方で、米軍がファルージャなどで空爆を続けていることについては「軍事力は最終的な手段であるべきだ。多くの犠牲が伴う空爆は正当化できない」と語った。また「重火器の使用は無用な破壊を招き非生産的。新たな戦士が戦いに参加する機会を与える。暴力は暴力の継続を正当化するだけだ」と米軍の姿勢に疑問を示した。
特に、強硬派のイスラム教指導者ムクタダ・サドル師と米軍・イラク治安部隊が中部の聖地ナジャフで起こした衝突を解決するため、米軍が空爆を繰り返したことについては「聖地が侵され、人的被害も大きかった」と強く非難。イラクのイスラム教シーア派最高権威シスタニ師の仲介で和平合意したことについては「平和的解決への努力が実った。最後は軍事力行使を主張していた人も、受け入れざるをえなかった」と評価した。
また、暫定政府が「米国の操り人形」だとする批判は「事はそんなに単純ではない」と否定。その証拠として「多国籍軍をできるだけ削減するよう働きかけている。主権を回復するチャンスは高まっている」とした。
副大統領はシーア派で穏健なイスラム教政党「アッダワ党」党首。フセイン政権時代の反体制派で、ロンドンで活動していた。サドル師と米軍・暫定政府を仲介し、今年5月に一時停戦を成立させるなど実績があり、世論調査でも高い人気を集めている。
毎日新聞 2004年9月6日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040906k0000m030116000c.html