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韓国で未申告ウラン濃縮 IAEAが査察官派遣 朝日新聞 2004/9/3
韓国の政府系研究機関で00年に、国際原子力機関(IAEA)に申告しないままウラン濃縮実験が行われていたことが2日、分かった。IAEAが声明を発表し、韓国政府から先週、通告があったことを明らかにするとともに、韓国政府も記者会見を開き、基本的な事実関係を認めたうえで事情を説明した。双方の説明や関係者の話を総合すると、濃縮されたウランは0.2グラムと微量ながら、核兵器レベルに近い約80%の高濃縮度に達していたという。IAEAは、韓国側からの通告を受けて直ちに査察官を現地に派遣、実態の把握を進めている。韓国政府は、「核兵器関連プログラムでは全くない」としている。
IAEAが2日、発表した声明によると、韓国政府からウラン濃縮に関する通告があったのは8月23日。「IAEAに申告されていないレーザー濃縮法の実験の過程で、濃縮が行われた。実験は研究所規模のもので、濃縮されたウランはミリグラム単位の量にすぎなかった」という内容。さらに「韓国政府の関知しないところで00年に行われ、すでにその活動は停止された」としているという。
この通告を受けて、IAEAはすでに査察官のチームを現地に派遣しており、来週早々にウィーンに戻り次第、事務局長に報告する。事務局長は13日から始まるIAEAの9月理事会に調査結果を報告し、真相解明を進める構えだ。
声明とは別にIAEA関係者が明らかにしたところによると、濃縮されたウランは、微量ながら核兵器用に近い約80%の高濃縮度に達していたという。韓国政府が「(濃縮実験は)関知していなかった」と説明していることに対しては、IAEAは強い疑念を抱いており、核拡散防止の観点から「深刻な事態」と受けとめている。
IAEAが各国と締結する保障措置(核査察)協定では、一般的に核物質を使った濃縮については、実験前の通告と査察官の受け入れが義務づけられている。韓国政府は今回、この義務を果たしていない可能性がある。先月23日に通告があったのは、同協定の追加議定書に基づく拡大申告について、IAEAと協議している最中のことだったという。
韓国が追加議定書を批准したのは今年2月。発効すると、通常の核査察協定よりも広範囲の核施設についてIAEAの査察を受け入れなければならなくなる。IAEA側は、韓国が議定書批准にともなって、過去に秘密で行ったウラン濃縮も隠し通すことはできなくなったと判断、やむを得ず通告してきたとの疑いを抱いているという。IAEAは「実験の意図はともかく、未申告で核活動を行ったという点では、イランやリビアと同じ」(関係者)として、過去の経緯を厳しく問う方針だという。
韓国政府は2日、ウラン濃縮実験問題について記者会見した。「原発の核燃料の国産化を目指した研究の中で行われた」とし、「核兵器関連プログラムでは全くない」と強調。さらに、「当時は追加議定書に署名はしたが批准をしていない状況で、IAEAへの申告対象ではなかった」とし、実験自体は保障措置協定違反ではなかったとの見解を示した。
科学技術省によると、実験が行われたのは韓国中部の大田(テジョン)にある韓国原子力研究所。時期は00年1〜2月で「少数の科学者が自発的に行ったもの」と説明している。分量は0.2グラムで、濃縮度は70〜80%に高まったという。
同省は「ごく少量であり、兵器化などとは全く無関係」「韓国は原子力の平和利用義務を誠実に守っている」と説明し、核不拡散条約(NPT)加盟国としてのすべての義務を順守すると改めて述べた。
その一方で、実験の事実を把握したのは「今年2月の追加議定書批准後の調査だった」と説明。「関連装備は全部廃棄された」とし、当局が実験が行われた当時にその事実を把握できなかったことを反省点とし、再発防止が必要だと認めた。
92年の南北非核化宣言に違反するかどうかについては、「実験は1度だけで、そのあと廃棄しているのでウラン濃縮施設の保有には当たらず、宣言には違反しない」と述べた。
http://www.asahi.com/international/update/0903/004.html