現在地 HOME > 掲示板 > 戦争59 > 392.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
8月29日(日)午前10時より、旭川労働組合総連合や旭川平和委員会などの実行委員会が、イラクのアサード・アミル・カラフ医師を招き「劣化ウランのもたらす影響」をテーマに講演会を行なった。参加者は130名。
アサード医師(34歳)は、イラク南部バスラ市のサドル教育病院の内科医で、白血病・ガンなどが専門。今年1月、NGO「セイブ・イラク・チルドレン名古屋」の招きで、白血病患者のアッパース君(5歳)親子、ムハマド医師と一緒に来日し、今年12月まで名古屋大学病院で研修する予定。
講演会では、アサード医師が1991年の湾岸戦争から今日までのイラクにおける「劣化ウラン被害」について、スライドなどを含めて説明を行なった。通訳は内藤永旭川医科大学助教授。
はじめに、アサード医師は湾岸戦争当時の状況を話した。攻撃ミサイル800発のうち300発がバスラ地域に落とされた。それも人口が密集している地域に。病院も攻撃対象になった。それから「環境汚染」がはじまったと話す。その他にも、経済封鎖があったので食糧危機になり、水や電気などインフラの不足が加わった。収入減などが続いて生活の危機を抱えたまま今日に至っていると語った。
そして、今日のテーマ「劣化ウラン弾における健康被害」について話しはじめた。劣化ウラン弾のターゲットは都市部だった。放射能が撒き散らされ、風や雨で拡散しそれをイラク人が口にすると言う構図になった。
「劣化ウラン弾の環境汚染」はひどく、放射濃度は空気が7倍、土は1000倍と、湾岸戦争から10年以上たった今も高い。この10年で成人のガン発生率が10倍に、死亡は19倍へ。家族みんなにガンが発症したケースが58家族。一人の人間に、二重三重の重複ガンが発生しているケースもある。このごろは、ガン発生が若年層へ移っていたり、原因不明の腎機能不全などの病気も起きている。
バスラでの成人ガン発生率を年代で比較すると、1980年が11人/10万人だったのが2002年には123人/10万人に、死亡は1981年34人に対し2002年は650人と大幅に増加している。ガンの50%が白血病で、心疾患は7倍になっている。
そういう中、病院外来ベッドが3床、入院ベッドは24床しかない。外来患者は月 /500人〜600人、入院患者は月/300人いる。本来なら何ヶ月もかかって治療しなければいけないところ、数日しか受け入れてあげられない。治療手段が不足していると話した。
講演の最後を、アサード医師は次の言葉で締め括った。「いったい何のための戦争だったのか」。米国の「湾岸戦争・イラク戦争」の目的は、米軍の恒久基地をイラクに置くことだった。イスラムの弱体化を狙って石油を支配することが目的だった。その結果、イラクはテロリストの避難場所になってしまった。そう話すと、口を強く結んで講演を終えた。
(岩崎信二)
http://www.janjan.jp/world/0409/0408318541/1.php