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中性子パルスを照射してトラックの積荷を検査【hotwired】1基1000万$、こう言う事に中性子を使って良いのだろうか
http://www.asyura2.com/0406/war59/msg/355.html
投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 9 月 01 日 18:53:51:WmYnAkBebEg4M
 

中性子パルスを照射してトラックの積荷を検査【hotwired】1基1000万$、こう言う事に中性子を使って良いのだろうか?
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/20040831301.html

Ryan Singel

2004年8月27日 2:00am PT  米国の国境警備当局は、貨物に忍び込ませたマスタードガスの容器、マリファナの包み、札束に対して「核武装」することになった。

 米税関国境保護局(CBP)は8月の最終週から、中性子照射によるスキャニング装置『高速中性子パルス分析(PDFファイル)』(PFNA)システムのテストを開始する。この装置を使えば、国境警備員は大型トレーラーの荷室を開けなくても、積荷の分子構造をすべて確認することができる。

 CBPは1000万ドルをかけて、PFNAシステムをテキサス州エルパソに近いイスレタにある国境検問所脇の古い綿花畑に設置した。同システムは中性子パルスを貨物コンテナの外から照射し、積荷が発するガンマ線を読み取って、コンテナ内の3次元画像を作成する。

 CBPが使っている従来のX線装置は、積荷の形と密度の違いを示すモノクロの2次元画像しか映し出すことができなかった。国境警備員は、医者がレントゲン写真を読み取るように、不鮮明な画像を分析しなければならなかった。

 いっぽう、PFNAを開発したカリフォルニア州サンタクララの企業、米アンコア社によると、同装置は3次元画像を作成するだけでなく、積荷の判別まで行なえるという。つまり国境警備員は、廉価版DVDの箱に100キログラムのコカインが隠されていたり、漂白剤のラベルを貼った容器に放射性物質が入っていたりしても発見できるのだ。

 アンコア社の業務開発担当副社長で原子物理学者のダグ・ブラウン氏は同システムを、MRIに匹敵する「飛躍的な技術革新だ」と評している。

 「X線を使って頭部の精密検査をしても、眼窩(がんか)や顎骨や歯の状態はわかるが、脳の軟らかい組織の損傷までは発見できない。これに対して、MRIが映し出す3次元画像を見れば、健康な組織とは異なる特徴を手がかりに、損傷箇所を突き止めることができる。われわれの技術もまったく同じように機能する」

 「多くの危険物がタンク容器で運ばれている。X線では一杯入っているかどうかが分かるだけで、中身が水なのか、石油類なのか、爆発性の物質なのかは判断できない。その点、PFNAでは中身まで突き止めることができる」とブラウン氏は説明している。

 PFNAの技術は新しいものではなく、1990年代末に連邦政府の麻薬対策とテロ対策の予算を使って開発されたものだ。

 しかし、麻薬検知用に導入するにはコストがかかりすぎるとして、実用化には至らなかった。

 ところが時代は変わった、とブラウン氏は言う。「9.11テロ以降、安全性の確保は当然のこととなった」

 アンコア社にとって政界で最も強力な支持者は、シルベストル・レイエス下院議員(テキサス州選出、民主党)。同議員はかつて国境警備責任者を務めたことがあり、1998年からPFNAの技術開発を推進している。

 同議員は現在、90日間にわたるPFNAのテストに、運輸保安局(TSA)、米国防総省、CBPからの支援を取り付け、「胸を躍らせて」いるという。TSAはまもなく、PFNAを使った民間航空機の貨物検査を開始する。

 レイエス下院議員は広報担当者を通じて、「テロとの戦いにおける最強の技術になるかもしれない。驚くべき技術だ」とコメントしている。

 PFNAに新規の政府予算が確保されているにもかかわらず、アンコア社は親会社の米OSIシステムズ社と協力し、試作品よりも大幅に安い価格を目指して製造コストの削減に努めている、とブラウン氏は強調した。

 連邦政府が現在抱えている赤字と、メキシコとの国境に42の検問所があることを考えると――PFNAシステムを全米の港や空港に設置するのはもちろん――各検問所に設置するのでさえ、国土安全保障省の予算360億ドルにとって大きな負担になる。

 PFNAシステムは1000万ドルと高価なことに加えて、核物質を使うというやっかいな問題がある。

 国境警備員や付近の住民を放射線から守るため、このシステムを使用する際にはトラックを検査用の建物に入れる。係官の一部に放射線バッジを着用させたり、付近住民を放射性のガスから護る対策を採ったりする必要がある。

 同システムの導入に先駆けて、政府は科学者に、中性子を照射した食品の安全性を調査させている。

 また、中性子照射が核爆弾を起爆する可能性についても調査が行なわれた(起爆の危険なしに検知できるが、核爆弾を爆発不能にする場合があることが判明した)。

 米放射線防護審議会(NCRP)はPFNAシステムについて綿密な調査(PDFファイル)を行ない、作業員や付近住民の危険を軽減する複数の対策を提唱しているが、容認できないほどのリスクだとは考えていない。

 メキシコ国境の検問所すべてにPFNAシステムが設置されても、国境を越える交通量が膨大なため、すべてのトラックを検査するのは困難だろう。

 CBPによると、エルパソの検問所では毎月2万6000台から3万台ものトラックが国境を越えており、同システムを導入したとしても、国境警備員は訓練と直感を頼りに、検査車両を選び出すことになるという。

 それでも、同システムが10分ほどでトラックの全積荷を正確に判別できるようになれば、国境警備員は最も疑わしいトラックを自分たちの手で隅々まで検査する仕事から解放されるだろう。この作業には現在、2時間もかかっている。


[日本語版:山本陽一/湯田賢司]


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