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“恐怖”と暮らす 検証・米軍普天間飛行場<1> “無制限”の運用
最も危険な航空基地
米軍CH53D大型輸送ヘリコプターが宜野湾市の沖縄国際大学構内に墜落した事故は、普天間飛行場の危険性と米側に優位につくられた地位協定などの問題点を浮き彫りにした。同飛行場の運用の状況や、住民の生命を守る上での課題などを検証する。
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「普天間飛行場周辺の住宅密集地の上空を、米軍機が年に三万回も飛行している。国内で最も危険な航空基地と言えるだろう」。航空軍事評論家の青木謙知さんは、沖縄以外の各種飛行場と比較した上で、普天間飛行場の実態をそう表現した。
県と宜野湾市は、普天間飛行場に近接する八カ所に、航空機騒音自動監視測定システムを設置している。上空を航空機が通過すると作動し、騒音数値を記録する。県や市は「システムのデータから、各地点の航空機飛行回数が把握できる。基地周辺を民間機が飛ぶ例はごくわずかで、ほとんどは米軍機」と説明する。
最新の二〇〇二年度の集計によると、滑走路の南西側で米軍機離着陸コースの真下に位置する上大謝名地区は、三万五百十二回の飛行を記録。滑走路北東側の新城区では二万二千七百十九回、その他の地区でも一万回余から二千回余の飛行が把握された。
青木さんは「住宅密集地上空で、軍事訓練飛行が年に三万回も繰り返される航空基地は、自衛隊を含め国内にほかにはない」と普天間飛行場の問題点を指摘。航空評論家の関川栄一郎さんは「普天間の危険性は、飛行場内や周辺の民間地上空で、異常事態も想定した訓練が行われていることにある」と述べている。
市の中央部に位置し市面積の約25%を占める普天間飛行場から飛び立つ米軍機が、周辺地域に居住する八万八千人余の市民の上を日常的に飛ぶ。米軍機飛行監視を続ける市基地渉外課の伊波保勝係長や職員の饒平名直さんは「墜落の恐怖は続く。今回は幸運にも住民に人的被害がなかったが、次は奇跡はないと受け止めている」と厳しい表情だった。
市によると、普天間飛行場所属航空機の事故(緊急着陸など含む)は、本土復帰の一九七二年以降、今回の沖国大墜落を合わせ計七十五件に上る(ヘリ六十八件、固定翼機七件)。七三年に国頭村、七八年は北谷町沖合でヘリが墜落し乗員が死亡するなど、発生場所は県内各地に及ぶ。
軍事評論家の前田哲男さん(東京国際大学教授)は「宜野湾市民の危険性は言うまでもない。普天間を名護市辺野古に移設しても、他の基地との連携から米軍機が民間地上空を飛ぶことに変わりはない。米航空基地がある限り、沖縄県全域が危険地帯とみるべきだろう」と警鐘を鳴らす。
(社会部・赤嶺知洋)
http://www.ryukyushimpo.co.jp/cgi-bin/helicrash/index.cgi/fear/20040829.htm?seemore=y