http://www.asahi.com/international/update/0828/004.html
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テロ再発防止へＣＩＡ長官の権限拡大　米大統領令に署名

　ブッシュ米大統領は２７日、同時多発テロ事件の再発防止のために米政府が進めている情報機関改革に関連して、米中央情報局（ＣＩＡ）長官の権限の暫定的拡大や、各省庁の情報機関が握る機密情報を一元管理する「国家テロ対策センター（ＮＣＴＣ）」の新設などを主な内容とする、一連の大統領令に署名した。

　同センターは、同時多発テロ事件の原因を検証した独立調査委員会が７月の最終報告書で、「国家情報長官」ポストとともに設立を勧告していた。ブッシュ大統領は、同長官ポスト新設に応じることをすでに表明しているが、米議会の手続きが必要になるため、当面はＣＩＡ長官の権限を拡大して、国家情報長官の役割を担わせることにした。

　大統領令が規定している、ＣＩＡ長官の権限強化の主な内容は次の通り。

　▽国家安全保障に関する情報について連邦捜査局（ＦＢＩ）、国家安全保障省を含む関連全省庁の情報を入手する

　▽関連省庁の情報関連予算を統合した予算案を大統領に提出する権限を持ち、軍の情報活動に関する予算案策定にも国防長官とともに参加する

　▽各情報機関のトップが任命する人事に拒否権を持ち、大統領が指名する人事でも長官の推薦が必要となる

　従来、ＣＩＡ長官の権限が及ばなかった軍の情報部門にも権限を広げるもので、こうした権限は将来的には国家情報長官に引き継がれる見通しだ。

　ブッシュ米大統領が今月発表した、次期ＣＩＡ長官にゴス下院情報特別委員長（共和）を起用する人事案件はまだ上院で承認されていないため、ホワイトハウスのマクレラン報道官は同日、「マクロクリン臨時代理長官が、暫定的な権限を得ることになる」と述べた。

　国家テロ対策センターは、テロに関する情報を分析、統合する主要機関として位置づけられている。連邦、州、地方の各政府が得た情報を一元的に管理するほか、テロ防止に関する作戦計画の立案にあたる「情報バンク」としての機能も持つ。所長は、大統領の承認の上でＣＩＡ長官が指名する。また省庁間の壁を取り除き、テロ情報の共有を円滑にするため、実務者による「情報システム会議（ＩＳＣ）」も新設する。

(08/28 11:44)
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