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【エルサレム樋口直樹】イラク北部タル・アファルでの米軍の武装勢力掃討作戦をめぐり、トルコが、トルコ系少数民族トルクメン人の被害を理由に、同盟国である米国に激しく抗議、イラクでの協力関係の停止を警告した。同地でのクルド人勢力の独立に反対するトルコが、イラク戦争を機にクルドとの関係強化を図ってきた米国に、強い不満を募らせていることなどが遠因とみられる。
タル・アファルは人口約35万人で、住民の9割以上はトルクメン人といわれる。米軍はシリア国境などから同地に多数の外国人武装勢力が侵入したとみて、大規模な掃討作戦を展開、住民側に多数の死傷者や避難民が出た。
ロイター通信によると、地元トルクメン人組織は500人の民間人が殺害されたと非難、一方、米国筋は50人未満だと主張している。
これに対し、少数派トルクメン人の保護を求めてきたトルコのギュル外相は13日、「このような状態が続くならイラクでのトルコの(対米)協力は終了する」と警告、「言葉だけではなく、成すべきことを行うのにちゅうちょしない」と異例なほど怒りをあらわにした。
トルコはイスラム諸国で唯一の北大西洋条約機構(NATO)加盟国で、中東における最大の親米国のひとつ。米軍はトルコ南東部インジルリク空軍基地などをイラク北部での軍事作戦の重要な足場にしてきた。
しかし、昨年のイラク戦争を機に、イラク北部で米軍の支援を受けたクルド人組織が勢力を拡大。多数のクルド人を抱えるトルコは、分離独立の動きが自国に波及することを警戒してきた。また、イラク北部を拠点にトルコを攻撃する非合法組織「クルド労働者党」(PKK、クルド人民会議に名称変更)に対する米軍の実効的な掃討作戦が行われていない、との不満が募っていた。
トルコの観測筋は今回の警告を「米国にクルド政策の見直しを迫るためのけん制」と分析する。AP通信によると、タル・アファルの米軍部隊は14日、トルコの警告に配慮した格好で約2週間ぶりに町の包囲を解いたが、今後の出方次第で両国間の緊張が続く可能性もある。
毎日新聞 2004年9月15日 10時47分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040915k0000e030023000c.html