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社説
08月28日付
■ロシア機爆破――テロは人心を遠のける
ロシアの旅客機2機が墜落した事件は、テロが原因だったことが明らかになった。
「1機から爆発物の痕跡を見つけた」とロシアの捜査当局が発表し、国際テロ組織アルカイダと関係するイスラム過激派も犯行声明を出した。
爆発物は、99年秋にロシア国内で続いたチェチェンの武装勢力の犯行とされた事件で、アパート爆破に使われたものと同じ種類だという。今回も同じ勢力が関与した疑いが出ている。
合わせて90人が死亡したこの事件で、3年前の米国への同時多発テロを思い起こした人も少なくないだろう。さらにインドネシア、スペイン、サウジアラビア、トルコ、そしてイラク……。テロの悲劇にまた一ページが加わった。
アパート爆破事件をきっかけに始まったロシア部隊の掃討作戦によって軍事的に追いつめられたチェチェンの武装勢力は、独立をめぐる戦いに世界の注意を向けさせる狙いで、市民を巻き込んだテロを何度も起こしてきた。
100人を超す犠牲者が出たモスクワでの劇場占拠事件は、その典型だ。今年5月には、ロシア政府の後押しを受けて昨秋当選したカドイロフ前チェチェン共和国大統領を爆死させた。その後任を決める大統領選挙が29日にある。
この選挙でもロシア政府の推す候補が選ばれる見通しだ。今回のテロにチェチェンの武装勢力がかかわったとしたら、ロシア側のペースで紛争の解決が進むのを妨害しようとした公算が大きい。
しかし、こんなことを繰り返していたら、人心は離れていくばかりだろう。
武装勢力の中には、アルカイダなど国際テロ組織と関係を持ち、資金援助を受けているグループもある。それが、チェチェンに対するロシア政府の強硬策を正当化させる結果にもなっている。
無差別テロと縁を切る。アルカイダなどとの関係も清算する。そのうえでロシア側と紛争解決の話し合いに入る。武装勢力に残された道はそれしかない。
プーチン政権にも言いたい。
今回の事件でより強圧的な姿勢をとれば、報復とテロの連鎖を招くだけだ。
プーチン政権がチェチェンの独立を主張する勢力との接触を断ってから3年近くになる。その中には、イスラム過激派などとは無縁の穏健勢力も含まれている。どことも話し合いのテーブルにつかないままでは事態は好転しまい。
墜落事件のあとテロを示唆する情報は多かったのに、原因などの情報開示に消極的だったことも問題だ。
今年3月の大統領選でプーチン氏は70%を超す得票率で再選された。だが、年金生活者らへの生活補助を削減したことなどが嫌われ、支持率を大きく下げた。
ロシアは石油やガスの輸出大国である。原油価格が高騰する中、チェチェン情勢が政権の安定を揺るがせば、世界経済にも影響が出る。国際社会にとってもチェチェン紛争はよそ事ではない。
http://www.asahi.com/paper/editorial20040828.html
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モスクワ劇場占拠事件で毒ガスを使って100人以上殺したのはプーチンだろ