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『我々は1日半を無駄にした』仲介役のイングーシのオシフ前大統領電話インタビュウ-**Chechen Watch**
http://www.asyura2.com/0406/war59/msg/1132.html
投稿者 どさんこ 日時 2004 年 9 月 12 日 18:43:31:yhLXMcSQdrkJ2
 

(回答先: **学校占拠事件の母親人質がロシア当局声明の嘘を暴露** 【アラブの声齊藤力二朗】 投稿者 どさんこ 日時 2004 年 9 月 12 日 18:29:50)

我々は1日半を無駄にした
              写真はアウーシェフ ルスラン・スルタノービッチ

ルスラン・アウーシェフ 彼の眼で見た我々の身に起こった事件について

オセチアの人質たちが死を迎えたとき、13:時05分までの全てのニュースが古びてしまった。他人の命を気に懸けることのできない、多くの者が死を迎えたこの日は、町の記念日、サッカーチーム「テレク」勝利の日、などなどであったのだが。 生還した子どもたちの記憶には、アウーシェフ、ルスラン・スルタノービッチの行為以外は何も残らないだろう。彼はただ一人で、まだ生きていた学校の中に入った。彼は一団の母子と15人の乳飲み子を連れ出した。 ことが人質の生死に及んだとき救出本部は、初めてアウーシェフに声をかけたのだった。

聞こえますか? 17:00ごろに交渉が行われるはずだったと言うことは本当ですか? テロリストに対して子どもたちを解放しろと言うマスハードフの伝言を持って行こうとしていたというのは本当ですか? 

時間的にはその通りだ。昼までは全て正常だった。死体を回収に行かせた。21名の死体が横たわっていたから。グツェリーエフが彼らと(編集者注:テロリストたちと)話しあった。車に医師を乗せて5人で行くことに合意したんだ。その時に向こうの建物の中で爆発音がした。女性が飛び出してきて、誰かが、何かに引っかかったと叫んだ。紐だか、電線だか、そんなものに戦闘員の一人が引っかかって、爆発が起こったんだ。我々の方も何が起こっているのか、確かめようとした。そしたら、射撃が始まった。次々といろんなことがね。

射撃というのは校内からですか?

いや、校内で起こったのは爆発だ。そして子どもたちが飛びだしてきた。それより前に私が校内に入って、見たときには体育館内は女性と子どもがすし詰め状態だった。爆発が起こって、人々が出口に殺到して、その後は大混乱だ。 我々は射撃を止めさせようと思った。で、電話をした。彼らは、「こっちは撃つのをやめた。撃っているのは、そっちだ」と。こちらも命令を出した。「一切撃つな、射撃止めろ」と。ところが、馬鹿なことに「第3勢力」がいたのだ。そんな連中が、一体なぜあそこにいたのか、それは今、調べているところだが、自動小銃などを手にした「自警団」の様な連中が、自分たちで人質を解放しようとした。そして彼らが学校に向かって撃ったのだ。ということで、公的な部隊は撃たなかったし、占拠者も撃たなかった。我々は互いに怒鳴りあっていた。「誰が撃っているんだ?」学校の中にいる連中は 「もうダメだ、ならば自爆だ」。で、自爆した。彼らは突入と解釈したのだ。自爆があって初めて、こちら側でも突入命令が出た。

貴方の計画では、どういう展開を考えていられたのですか?

我々はアスラハーノフの到着を待っていた。私はアスラハーノフと一緒に校内に入ろうと思っていた。マスハードフの声明を持ってね。

マスハードフは貴方に自分の声明を託したのですか?

いや、我々はインターネットに載ったものを出力した。とても良い声明だったから。「我々は子どもを戦いに巻き込んではならない。」とかね。チェチェンの戦士たちは独立のために戦っているのであって、女子どもをそれに巻き込むことはない。この声明を私は読んで、彼らに声明を見せようと思ったんだ。というのも彼らと話し合ったとき、聞いたんだ。「誰と交渉しろと言うんだ?」彼らは「マスハードフとだ。」だから私は彼らに、マスハードフは、「こう言っているんだぞ」と見せておいて、「さあ、どうなんだ早く子どもたちを解放しなさい!」と。 アスラハーノフがこっちに飛んで来る間、ロンドンのザカーエフを掴まえることができた。「アフメード、あんた出来ることなら人々の解放を助けてくれないか?」 「もちろんだ」 「そしたら政治交渉は受けて欲しい」 彼らは相談して、マスハードフの声明が出たんだ。その声明を私は、占拠者たちに手渡そうと思った。でもアスラハーノフが着いた時には全てが終わっていた。(編集者注:アスラハーノフは、いったんモスクワに寄ってから、現地入りした) そして思惑では彼らにプーチン大統領宛の手紙を出させようと思っていた。

彼らは手紙を既に手渡していたのですか、ルスラン・スルターノビッチ?

私個人にはね。

手紙には、特別な要求でもありましたか?

いや、相変わらずの、ブジョンノフスクの時みたいな。軍隊の撤退。チェチェンの独立国家共同体諸国による管理などなど。それで、こちらも状況の軟化を狙って、「あんたたちの手紙はロシア連邦大統領に必ず届けられるから」と。とにかくこんがらかったものを解く努力がいるんだよ。一番大切なことは本当にそうなんだが、我々は子どもたちを救いたいと思っていたんだ。「他の宿題は後から家でやれるから」と。

全くそうですね。

彼らの方だって、校内に持ち込んでる自分たちの電話番号を教えて、ロシア連邦の大臣クラスの高官が誰でも電話をかけて来られるようにしていたんだ。それを誰だか判らん民間人連中の銃撃がふいにしてしまったんだ。とにかく突入の準備は出来ていなかった。「突入の準備は出来ていた」など言うのは嘘っぱちだ。誰も突入なんて考えてもいなかった。私はその場にいて準備がないのを見ていた。全部が水泡に帰してからだよ、軍人たちが動き出したのは。 彼らは私に電話で叫んでいた。「我々の方に突入してくる!」、我々は答えた「いや、突入はない。アルファの連中は、まだこっちで待機中だ。」彼らは「我々に向かって撃ってくる。我々に向かって突入してくる。もう我々は自爆だ!」

貴方はご自分の発意で現地入りされたのですか?

現地本部の要請で私はあそこに飛んだ。

なぜ、ジャジコフやザソーホフという彼らが望んだ人物たちは行かなかったのですか?

それは、彼ら一人ひとりに聞いて下さいよ。ただ一つ言えることは、誰が交渉に行くのかと言うことで、1日半を無駄にしていたということだ。将校の誇りにかけて言っておくが、彼らの与えられた期限は3日間だった。3日で解決するか失敗するか。それを誰にするかで、1日半を失っていた。

彼らは貴方とは覆面をしたままで話し合ったのですか?

いや、そんなことはなかった。そして彼らは全員ロシア語で喋っていた。電話でもロシア語。校内でもロシア語。私は言ったんだ。「ワイナハの言葉で喋ろうじゃないか」って。彼らの返事は「いや、ロシア語で話して下さい。」と言うことだった。

何で丸2日間、人質は2-300人だと、公式にはずっと言われていたのですか?

そんなこと判りきってるでしょうが。数字には絶えず政治状況が絡むんだ。私は体育館に入ったとき何とか人々を安心させようと思って喋ったんだ。「皆さん、私が誰だか判りますか?」って。みんな言っていた「はい判ります」それで私は言ったんだ。「私は何とかしようと思っていますから」って。それでも、彼らは飛びださざるをえなかった。

ルスラン、何と言っても本当にありがとう。とにかくアウーシェフが26人を救い出したと言うことに多大な感謝を!

ディーマ、26人ではなく、本当に大切なのはそのことではなく、最も大事なのは乳飲み子たちなんだ。15人の乳飲み子たちだよ!彼らは大きくなった時、きっと知るだろう。ワイナハの我々とオセット人の友好は永遠でなくてはならないのだと。これを絶対に書いて欲しいんだ。

絶対書きますとも。

P.S. この質問は私は彼には聞けなかった。 なんでこの子どもたちはこんな目にあわねばならなかったのか?

電話取材: ドミトリー・ムラートフ(2004.9.6.)

補注:アウーシェフ ルスラン・スルタノービッチ 1954年 カザフスタン、コクチェタフスカヤ州ウォロダルスコエ村に生まれる。機甲部隊の高級将校であった。1980-86年アフガニスタンに従軍、何度か負傷、ソ連邦英雄。1993-2002年、イングーシ共和国の大統領を務める。その間、多くのチェチェン難民の受け入れに努めたが、連邦中央の圧力で「自発的に」大統領職を辞任。現在はモスクワにあってアフガン帰還兵協会議長を務める。

アスラハーノフ、アスランベーク・アフメードビッチ 1942年チェチェン、ノブイ・アタギ村生まれ、1967年以来民警、内務省に勤務、90年以降政界入り。2000年以降ロシア下院議員。2003年、プーチン大統領のチェチェン問題担当顧問に任ぜられる。カディロフ政権には批判的で、マスハードフ政権との話し合いによる紛争解決に理解を示してきた。

ジャジコフ (アウーシェフの後、イングーシ大統領となったFSBの将軍 

ザソーホフ(北オセチア大統領) 

ノーバヤ・ガゼータ紙第65号 2004年9月6日 http://2004.novayagazeta.ru/nomer/2004/65n/n65n-s01.shtml

訳+補注 岡田一男

http://groups.msn.com/ChechenWatch/page73.msnw

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