現在地 HOME > 掲示板 > 戦争58 > 894.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
米国:
対イスラム広報外交成果なし 米の正しさ強調で
【ワシントン中島哲夫】イスラム世界で過激主義は誤りだという認識と米国への理解を広げ、テロ防止に役立てようという米政府の「広報外交」が、成果を上げられずにいる。米紙ワシントン・ポストは20日、この失敗に内外から批判が高まっていると報じ、政策遂行努力や予算の不足を指摘した。しかし、もっと根源的な問題点もありそうだ。
「広報外交」は01年の米同時多発テロを受けてブッシュ政権が強化方針を打ち出した。
ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は19日の講演で、「テロとの戦争」は武力による戦いと同じ程度に「ものの見方の争い」でもあると指摘。米政府は中東地域に「自由選挙、自由市場、報道・表現の自由、労働組合結成の自由」を広げる活動の支援や、アラビア語・ペルシャ語放送局の運営に力を入れていると説明した。
しかしポスト紙は、米政府が出資したアラビア語の衛星テレビ「アルフーラ」がカタールの「アルジャジーラ」などに全く太刀打ちできない現状を紹介。6月の主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)で合意された「拡大中東・北アフリカ地域」への民主化支援構想も推進努力が足りないと指摘した。
また、イスラム世界での対米不信は同時テロ前より深まり、ウサマ・ビンラディン氏の「不戦勝だ」という識者の批判を引用。さらに、国土安全保障省の年間予算が300億ドル以上もあるのに、国務省の「広報外交」の核心である教育・文化交流の予算は中東・南アジア地域で7900万ドルしかないと、資金不足の実態も伝えた。
ただ実際には「広報外交」で憎悪や不信が大きく緩和される見込みは薄い。ブッシュ政権はイスラム世界の怒りを招いたイラク戦争の問題点やイスラエル寄りの政策について批判をはねつけており、「広報外交」の狙いも結局、「米国の正しさを理解させる」ことにあるようだ。こうした姿勢の宣伝活動が異文化の人々の心に届く可能性は、常識的には極めて低いとみられる。
毎日新聞 2004年8月21日 10時29分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040821k0000e030019000c.html