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旧日本軍毒ガス事故 11歳中国少女が来日、後遺症訴え
中国東北部のチチハル市で昨年8月、旧日本軍が遺棄した毒ガスのイペリット(マスタードガス)が漏れて四十数人が死傷した事故では、汚染された土が小学校に運び込まれ、子どもたちも被害にあった。その一人の馮佳縁さん(11)が母親と来日し、東京都内で20日記者会見した。
「夜、耐え難い痛みが走り、ずっと泣いていました。両足の裏や甲、指の間に水ぶくれができ、色も変わっていました」
1年前、校庭で土遊びをして家に戻った後の出来事。建設現場から校庭に運び込まれた黒土に毒ガス液が染みこんでいた。翌日、母親の白玉栄さん(39)に連れられてその日に入院。「あまりに痛くて一人ではトイレにも行けず、食事も食べさせてもらいました」
2カ月後に退院したが、学校に行けるようになったのは今年4月。今も「傷跡は暑い時はかゆく、寒い時は痛くなる」。歩くだけで疲れる。記憶力が落ち、気力も出ない。すぐに熱が出たり腹をこわしたりする。
馮さん親子を招いた弁護士グループによると、被害者は同じ症状という。日本政府は遺棄化学兵器の3億円の処理費を中国政府に払ったが、個人補償はしない立場だ。
親子は21日から東京などで開かれる日本母親大会などに参加し、体験を語る。白玉栄さんは「ひとりでも多くの日本人に事実を知ってもらいたい。日本政府には謝罪と継続的なケアをお願いしたい」と話す。 (08/21 02:16)
http://www.asahi.com/national/update/0821/002.html