米軍とサドル派の戦闘激化、死者１６５人に　イラク

　イラク駐留米軍とイスラム教シーア派の強硬派指導者ムクタダ・サドル師に従う民兵組織「マフディ軍団」との戦闘は、１１日夜から１２日朝にかけて、中部クートで７５人が死亡するなど各地で激化し、全体の死者数は１６５人に達した。主戦場となっているナジャフでは、米軍がシーア派の聖地アリ廟（びょう）付近で掃討作戦を開始し、サドル派の孤立化を図るなど攻勢を強めている。

　マフディ軍団の勢力が強いクートでは７５人が死亡、１４８人が負傷した。ナジャフでは２５人が死亡、南部アマラでは１４人が死亡するなど計１６５人が死亡し、約６００人が負傷した。保健省スポークスマンの話としてＡＦＰ通信が報じた。

　クートでは１１日、民兵側がカラシニコフ銃や小型ロケット弾で市役所や警察署を攻撃し、地元警察や治安部隊と銃撃戦になった。米軍機が空中から支援し、さらに軍団側が立てこもる地域を１２日午前１時から３時にかけて爆撃したという。

　ナジャフでは、１２日朝から米軍が攻め入り、アリ廟や広大な墓地の周囲にバリケードを築いているという。米軍によると、１２日午前１０時４５分ごろ、アリ廟の中から軍団側が２５ミリ迫撃砲弾を警察署めがけて発射し、銃撃戦も始まった。

　米ＣＮＮテレビによると、ナジャフでの作戦には米海兵隊約２０００人、イラク国家警備隊約１８００人が参加。目撃者の話として、墓地から煙が上がり、上空にはヘリが旋回し、戦車も配置されているという。

(08/12 20:28)

http://www.asahi.com/international/update/0812/009.html

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