自衛隊イラク派遣でイランの油田開発のお墨付きをもらった。子分である日本は親分に仁義を切って汗を流す、とやくざの取り引きのようなことをやっているわけだが、それでまさかイランが攻撃されまいとする見方は極めて甘い考えに思う。
http://counternews.blogtribe.org/entry-dc49abaf4097480a11a2eaed34fdea75.html

　やくざの口約束に失望している愚か者はいかほどいるのだろうか。泣きついてもせいぜい「保障はしていない。『自己責任』でどうぞと言っただけだ」とでも、にんまりしながら言われるのがオチではないだろうか。

　オクトーバー・サプライズ、８２年にイスラエルがスーダンに動き始まったイラン・コントラと続く８０年代、中東を舞台にしたアメリカ、イスラエルの謀略の渦の中、日本は翻弄され、結局はイラン・ジャパン石油化学（ＩＪＰＣ）は幕を閉じた。

　ベルリンのディスコが爆破された８６年に起きたのが三井物産若王子氏誘拐事件だった。

German TV exposes CIA, Mossad links to 1986 Berlin disco bombing
http://www.wsws.org/news/1998/aug1998/bomb1-a27.shtml

　事件が発生した８６年には、はからずもウォルフォウィッツがインドネシア大使に就任した年でもある。そして時が過ぎた昨年１月、NPAが身代金支払いを認めるという出来事があった。NPAは、フィリピンで爆破事件を起こし、アメリカにVIP帰国したCIAエージェント、メイリングとつながりがある。

　このプロジェクトに粉骨砕身した寺島実郎氏で面白い文章があるので紹介しておこう。『自己責任を巡って』というタイトルの『世界』７月号の記事で、論の前提となる、意図しないとしてもあるところからは敵視されることがある、ということの具体例として冒頭に記している文章である。

　不条理なことだが、国際社会を動き回っていると、日本人だけだというだけで不当な状況に身を置くことがある。１９８０年代の前半、私は中東に関する情報活動に必死に取り組んでいた。勤務先の三井グループが中東イランでの巨大石油化学コンビナート事業に取り組み、７９年のイラン革命、８０年のイラン・イラク戦争という二重苦に直面していた。ホメイニ師率いる革命政権との事業継続を巡る交渉に向けて、イランの将来についての将来分析が必要となり、情報活動の末席を担って世界中の中東専門家を訪ね回っていた。

　その頃のイスラエルでの体験である。多くのユダヤ人に日本の中東政策の一貫性の欠如を論難され当惑した。１９７３年の石油危機に際し、日本は「アラブ友好国宣言」をして石油確保のための「油乞い外交」を展開した。当時の事情からすればやむをえない選択であったともいえるが、イスラエルの側からすれば、日本はそれまで友好関係にあったイスラエルを切り捨て、アラブ諸国のイスラエル・ボイコットに加担したことになるのである。ユダヤ人はグローバルネットワーク民族であり、米国における６００万人のユダヤ人までが日本の姿勢に不快感を抱いていた。ある国際シンポジウムでユダヤ系の人から「日本人は信義に厚い民族だから、仮にアラブ諸国に石油を依存しなくなってもアラブ友好国といい続けるのでしょうね」と嫌味をいわれたものである。

　自分では意識していなくても、帰属する国の政策選択が重いがけぬ敵を作る。悪意がなければ憎しみを受けるはずがないと考えるのが日本人の傾向なのである。

（『世界』２００４年７月号P.３３）

　やはり歴史は繰り返すのだろうか。
　
U.S. pressures Japan to quit Iran oil
http://www.aljazeera.com/cgi-bin/news_service/middle_east_full_story.asp?service_id=2880#
8/9/2004 8:00:00 AM GMT

Source: IranMania

The United States is pressuring Japan to invest in Libya's oil industry instead of a project to tap Iran's giant Azadegan oilfield that has provoked the wrath of Washington, a Bush administration official said.

The United States, which imposes sanctions on American firms doing business in Iran, has persistently expressed its disappointment that its close ally, Japan, would invest in the Iran’s $2 billion project.

"We understand their energy needs. But there is no question that we are emphasizing that Libya is an alternative that is going to come online soon," The Bush administration official, who demanded anonymity, told Reuters.

The administration official also stated that Japan was “sensitive” to increasing U.S. concerns about Iran although it did not indicate it would withdraw from an oilfield which is about the size of Tokyo.

The Japanese Embassy in Washington said it had no comment.

Azadegan oilfield, located in southwestern Iran, with estimated 26 billion barrels of reserves, is one of the world's largest untapped finds and one of Iran's biggest international deals since the 1979 Islamic revolution.

Japan signed a landmark agreement with Iran on 18 February to develop Azadegan oilfield in a move that could create tensions with the U.S.

A consortium of Japanese firms will hold a 75 percent stake in the project while a unit of Iran's state oil company, NIOC, will own the remaining 25 percent.

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