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◎FCS ground vehicles delayed
米陸軍は、FCS (Future Combat System) のうち有人車輌の配備を最大で 4 年
遅らせて、それ以外の構成要素について配備を加速する。
こうした事態になった原因は、車輌の開発に困難をきたしているため。FCS で
使用する車両は重量を 18t 以内に収めて C-130 で空輸できるようにするよ
う要求されているが、その一方で高い生存性を要求されていることが、技術
的チャレンジの原因になっている。FCS では全部で 8 種類の有人車輌を開発
することになっているが、"Operation Iraqi Freedom" の教訓により、この
すべてに対し、ロケット推進擲弾対策としてアクティブ防護システムを取り
入れることになった。当初の計画では 4 種類の車輌だけがこれを装備するこ
とになっていて、Recovery and Maintenance Vehicle、Medical Treatment
and Evacuation Vehicle、NLOS-C (Non Line-of-Sight Cannon)、NLOS-Mortar
は対象外だったが、これらもアクティブ防護システムの装備対象に加わった
次第。
一方、FCS の配備時期については、技術的に、特にネットワークと通信関連
の能力が実用可能になる 2010 年からの配備を予定していたが、議会が最新
予算案で設定する条件次第では、NLOS-C の配備時期を 2008 年に繰り上げる
可能性が出てきた。
さらに、従来の計画では、ロボット車輌、Recovery and Maintenance Vehi-
cle、Intelligemt Munisions System、2 種の UAV についてはまだ予算がつ
けられていなかったが、新しい計画では FCS を構成する 18 種類のシステム
すべてに対して、一斉に予算をつけることになった。これにより、FCS の開
発と初期段階の量産に要するコストは、45 億ドルから 50 億ドルに上昇する。
さらに、FCS テクノロジーを現在の陸軍部隊にインテグレーションするため
の経費として、今後 6 年間で 90 億ドルが必要になると見積もられている。
経費上昇の理由は、古い装備に FCS 用の技術をインテグレーションするため
だが、そのための費用を FCS 計画の費用から支出するか、それとも現行の運
用経費から支出するかは、まだ決まっていない。
こうした一連の変更により、FCS の計画総経費は 250 億ドルから 300 億ド
ルに上昇する。陸軍参謀総長を務める Peter Schoomaker 大将は、この計画
変更により、予定通りに配備できる FCS 構成要素の比率を 26% から 70% に
引き上げられるといっている。
米陸軍では、1 個旅団 (または UA - Unit of Action) を実験部隊に指名し
て、最初に新技術を導入することになる模様。具体的に、どの部隊がこの役
割を担当するのかは未定。
こうした計画変更は、ネットワーク化を早く推進したいという米陸軍の考え
方によるもの。米陸軍では初期段階のネットワーク化を 2008 年に実現して、
接続性や情報共有を大幅に改善したいといっている。FCS 計画で主契約社
(リード・システム・インテグレーター) を務めている米 Boeing 社も、こう
した動きを歓迎している。ただ、NLOS-C 以外の有人車両について計画が遅延
することで、すべての関連企業が喜べるわけではないとして、今回の動きに
対して冷静な見方を示すアナリストもいる。
新しい計画の下では、NLOS-C 以外にも、地上配備センサー、Intelligent
Munitions System、NLOS Launch System も 2008 年配備を目指すことになる。
続いて、2010 年に暫定モデルの UAV (RQ-7A シャドー 200 に電子光学/赤外
線センサーとレーザー目標指示器を備えた機体) が、2012 年に 3 機種の無
人車輌が、それぞれ配備される計画。そして、2014 年に FCS をフル装備し
た最初の UA が出現する計画だが、これは当初計画よりも 2-4 年遅い時期と
なる。
◎US vulnerable to EMP attack
アメリカ議会が指名したメンバーで構成される Commission to Assess the
Threat to the United States from Electromagnetc Pulse Attack なる研究
班は、米軍のインフラやアメリカ社会が、EMP (Electromagnetc Pulse) に対
して脆弱であるとして警告を発している。
たとえば、中国などの仮想敵国がアメリカの上空に ICBM で核弾頭を送り込
んで破裂させる能力を持つほか、北朝鮮やテロ組織についても、2015 年頃に
は同種の能力を備えるものと考えられている。乱暴なやり方としては、アメ
リカの沖合いにバージを引っ張ってきて、そこからスカッドなどの短射程弾
道ミサイルを発射して核弾頭を送り込んでくる可能性もあるとしている。
米軍は、コンピュータや電子機器、各種の情報システムに対する依存度を増
す一方で、冷戦終結後に EMP 耐性に関する要求を引き下げており、こうした
状況が続くのは間違っているというのが、先の研究班の指摘。
また、民間部門についても EMP に対する備えができていないと指摘されてい
る。アメリカ社会は電子機器や電気通信、エネルギー供給、情報ネットワー
ク、大量の財務・運輸システムなどに依存して高い国際競争力を備えている
が、このことが逆に脆弱性や災厄をもたらす可能性を生じさせている。
たとえば、電力供給網が EMP によって麻痺すれば、長期にわたる影響が生じ
る上に、復旧作業は困難なものになる。また、低高度の軌道を飛行している
人工衛星も EMP の影響を受けるが、特に民生用の衛星は EMP に弱い。
とはいえ、米軍や同盟国軍の部隊をまるごと EMP から防護するのは現実的で
はなく、とりわけ重要な構成要素、つまり衛星航法システムや各種人工衛星、
航空機に搭載する情報収集・目標捕捉システム、通信インフラ、ミサイル防
衛といった分野に集中して EMP 対策を施すべきだとしている。軍用のシステ
ムに対して後付けで EMP 対策を施すのは大変な作業ではなく、システムのコ
ストを 1% ばかり引き上げる程度とされる。
また、件の研究班は、EMP 対策を施す際には国防総省幹部のリーダーシップ
が必要だとも指摘している。そのほか、情報面での優越、とりわけアメリカ
沿岸の監視や EMP 攻撃阻止の重要性も指摘している。さらに、アメリカ政府
は民間の重要インフラについても防護措置を講じるべきであるとして、軍民
両方にわたり、 EMP の影響について正しく理解するよう求めた。その際、EMP
の影響は洋上の空母戦闘群についても及ぶと付言している。
そのほか、政府に対して、任務と責任を明確にした政府機関を設置して、EMP
被害が発生した際の復旧計画を担当させるよう求めている。
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http://www.kojii.net/jdw/jdw040728.html