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2004/08/06のBlog
ヒロシマ
[ 23:31 ] [ イラク ]
今日は、広島に原爆が落とされてから59年目の8月6日。私は小学生の頃、広島に住んでいたが、教室の本棚にあった『はだしのゲン』をよく読んでいた覚えがある。平和公園や原爆資料館にも、母に連れて行ってもらったが、今、私が戦場取材をしているのも、こうした子どもの頃の経験が影響しているのかもしれない。
「ヒロシマ」という言葉は、イラクでもよく耳にする。最近では、日本の対米追従に関して「日本人はヒロシマ、ナガサキの悲劇を忘れたのか」というセリフを少なくとも3日に1回はイラク人から言われるようになった。
多分、イラク人は、ヒロシマ、ナガサキの悲劇をスミソニアン博物館にエノラ・ゲイを飾りたがるアメリカのヒトビトより、ずっとよく知っているのだろう。そして、「核兵器使用も違憲ではない」と超弩級の大ボケをかました某安倍晋三自民党幹事長のようなトホホな日本人よりも。なぜなら、湾岸戦争とイラク戦争で使用された、劣化ウラン弾などのウラン兵器による放射能汚染によるものとされるガンや白血病などの健康障害にイラクの人々はたった今も苦しんでいるからだ。湾岸戦争以後、特にイラク南部では、ガンや白血病の発症率は3〜7倍にもなった。バスラ教育病院・がんセンター長のジャワード・アルアリ博士によれば、湾岸戦争から4年くらいしてから、急激に発症率が増えたというから、今回のイラク戦争で使われたウラン兵器による汚染の影響が出るのはこれからだろう。
正直、私はイラク復興への支援はそれ程必要ないと思っている。元々イラクは中東の大国で、人材も資源もある。人道支援の緊急度でいえば、アフリカの国々の方がよほどプライオリティが高いだろう。大体、米英両国が勝手に壊したのだから、米英が「自己責任」でイラク復興のための金を払うべきだ。
ただし、放射能汚染によるとされる、健康障害に苦しむ人々への医療支援は別だ。イラクでは、保険省からの委託で半官半民企業「キマリア」が各病院に医薬品を配給しているが、がん・白血病の治療薬は非常に高価で、配給は全く必要量にまったく追いついていないといっても過言ではない。
また、米軍も日本政府もウラン兵器の健康への悪影響を認めようとしていないが、やはりウラン兵器が使用されたコソボやアフガニスタンでも、イラクと同様の住民の健康障害が発生している。ウラン兵器の害悪を調査し、人道に反する兵器として、使用禁止を国際社会の中で訴えるべきだろう。
「ヒロシマ」から59年。被爆国としての日本の果たすべき国際社会の中での責任はますます重要となっている。決して「昔のこと」ではないのだ。
画像は脳腫瘍を患う子ども。バグダッド・マンスール病院にて今年2月に撮影。
[ 更新日時:2004/08/06 23:54