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【カイロ=柳沢亨之】サウジアラビア国営通信は4日、同国政府が、1932年の建国以来初の選挙となる「地方行政区評議会」委員選挙を11月から行うことを決めた、と伝えた。
選挙の実施時期を明示することにより、政治改革への意思を改めて示した形だ。同時に、失業問題などへの国民の不満や米国の民主化要求が、サウジ政府にとって、もはや無視し得ないほどに深刻化していることの表れとも言える。
同評議会は、地方での公共サービスなどに関し、政府に助言する機関。国営通信によると、全国178の評議会のメンバーのうちの半数を選挙で決める。選挙は、ラマダン(断食月)明けの祭り「イード・アル・フィトル」の後の11月にまず首都リヤドで行い、来年1月ごろまでに全13県で行う。注目されていた女性の参政権については言及がなかった。
同選挙の実施方針は、政府が昨年10月に表明していたが、同国では武装勢力によるテロ事件が多発しているほか、今年3月には民主化活動家多数の逮捕に踏み切るなど政府の強権姿勢も見られたことから、実施を疑問視する声も根強かった。建国以来、サウド王家と厳格なイスラム宗教勢力が、政党の禁止やメディア規制など徹底した取り締まりを通じ、政治活動を規制してきたサウジで、選挙が行われる意義は大きい。
サウジが歴史的改革に踏み切った背景には、国内の過激派勢力拡大の素地となっている国民の不満がある。また、サウジ出身者が関与した米同時テロ以降、米国はサウジに対して民主化要求を強めてきた。米国はサウジにとって石油の安定供給と引き換えに安全保障と経済開発をもたらしてくれる最も重要な同盟国だ。
サウジ政府は、昨年以降、改革を進めている。政府の影響下にある宗教権威に、テロリスト非難のファトワ(宗教令)を出させるなど、テロの温床と批判もある宗教勢力の改革に着手した。
ただ、イスラム法学者ら保守層の意向に配慮する同国政府は、米国の民主化要求に屈したとの印象を避けなければならず、改革を一気に進めることは難しい。
(2004/8/6/01:24 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040805id22.htm