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8月6日付・読売社説(1)
[集団的自衛権]「経済界が求める首相の決断」
経済界に憲法改正を求める動きが強まっている。
日本の経済・社会や国際社会の変化は激しい。経済界としても、今後の経済活動の展開の指針ともなる、新たな時代の国家像、国家戦略を描く新憲法を追求せざるを得ないということなのだろう。
経済同友会が昨年四月、改正の意見書を発表したのに続き、財界の政策提言団体である日本経済調査協議会が、憲法改正を求める提言を公表した。
日本経団連と日本商工会議所も、それぞれ「国の基本問題検討委員会」「憲法問題に関する懇談会」を設置し、七月から、論議を開始した。年内にも提言をまとめるという。
既に公表された提言も、これから本格化する経団連と日商の論議も、主要なテーマは安全保障と憲法九条の問題だ。
経団連の「国の基本問題検討委員会」の委員長である三木繁光・東京三菱銀行会長は、「安全保障がなければ、日本の経済成長は難しい」とし、九条の見直しは避けられない、と主張している。
貿易立国である日本の繁栄は、国際社会の平和と安定なしにはあり得ない。グローバル化が進展する中で、日本の経済活動が世界各地に広がり、相互依存を深めていることを考えればなおさらだ。
例えば、輸入原油の九割近くを依存する中東地域が混乱したり、原油を日本に運ぶシーレーンが脅かされたりして、原油輸入が途絶えれば、日本経済は致命的な打撃を受ける。
安定した経済活動のために、日本と国際社会の平和と安全をどう確保するか、という観点からも、経済界が、九条問題を重視するのは当然だ。
注目すべきは、経済同友会、日本経済調査協議会とも、憲法改正を待たず、緊急に行うべき措置として、集団的自衛権を行使できるよう、政府の憲法解釈を改めるべきだ、と主張していることだ。
集団的自衛権を有してはいるが行使できない、とする政府解釈には、行政の一部署にすぎない内閣法制局の解釈による政府見解であり、政府の判断と意思で解釈変更はできる、と強調している。
現状では、イラクにとどまらず、平和の維持・創出のために、国際社会が協力して対処しなければならない問題に、日本は十分な役割、責任を果たすことができない。日米同盟が空洞化しかねないという危機感もある。
「集団的自衛権の行使容認を決断すれば、二十一世紀の日本の安全保障政策の基礎を築いたとして、戦後の内閣でも最大級の評価を受けるだろう」という声がある。これを首相は、どう聞くか。
(2004/8/6/01:10 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040805ig90.htm