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「パナマ、カストロ暗殺未遂のキューバ人を放免、米国の圧力か」(エル・ムンド);「ピノチェットが裁かれる」(スペイン各紙)
8月26日付のエル・ムンド紙(電子版)からです。要約して和訳します。
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『パナマ政府、フィデル・カストロ暗殺を企て逮捕されたキューバ人を免罪』
パナマ:特派員----パナマ大統領ミレヤ・モスコソは、キューバとの外交関係破棄の警告にもかかわらず、フィデル・カストロ暗殺を企て逮捕されたキューバ人の免罪を決めた。
釈放されたのはルイス・ポサダ・カリレス、ギジェルモ・ノボ、ペドロ・レモン、ガスパル・ヒメネスで、その一部はある私有の飛行機でマイアミに向かった。ポサダ・カリレスはパナマに残った。彼らは2000年に、第10回イベロアメリカ会議の際にカストロ自身が暗殺計画を告発した後で、パナマで逮捕されていた。さる4月20日にパナマの裁判所はポサダとヒメネスに8年、レモンとノボに7年の懲役刑を言い渡した。
モスコソ大統領はこの決定を、ベネズエラかキューバへの身柄引き渡しの可能性を前にしての「人道的な理由」からであると言い、この決定がキューバとの関係を損ねることは無い、と述べた。パナマのサムエル・ルイス・ナバロ外相は、この4名のアンチ・カストロ主義者の放免の決定を「嘆かわしいことだ」と語った。
キューバは去る日曜日に、パナマ政府がこのような決定をすれば「自動的に無期限に」外交関係を断絶する、と警告していた。そして月曜日にパナマ政府はキューバ駐在大使を引き上げさせて、火曜日には在パナマのキューバ外交官の引き上げを要求した。一方キューバもパナマのキューバ大使を引き上げさせた。
[米国の圧力の可能性]
記者会見でモスコソ大統領は、このアンチ・カストロ主義者が逮捕されたのは「テロリスト」としてではなく「爆薬を持っていた」からである、と語った。そして「米国の圧力があったのではないか」との質問に対し、大統領は強く否定した。
この免罪によって、キューバに対するテロリストの行為を非難してきたキューバ政府の恐れが拡大することになる。キューバ政府は、1976年にベネズエラを飛び立ったキューバ機に対する攻撃で73名が死亡した事件、および1997年にキューバのホテルを爆破する計画を立てていた容疑で、ポサダ・カリレスを告発している。キューバは2000年に、ベネズエラは2001年にモスコソ大統領に対して、それぞれ別のテロ行為でs縛ために、身柄を引き渡すように要求していた。
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/08/26/internacional/1093538432.html
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エル・ムンド紙の記事には具体的な論証はしていないのですが、記事の途中の小見出しで「米国の圧力の可能性」と書いています。中南米の現状に少しでも関心があればこのような認識は当然のことなのですが、明確に書くことができない理由でもあるのでしょう。
しかしその代わりに、パナマのモスコソ大統領の発言についてちょっと読解力のある人ならすぐに気が付くことがあるはずです。この4名が『「テロリスト」としてではなく「爆薬を持っていた」から逮捕された』などという無茶苦茶を言った(たとえば今日では飛行機に乗る際に爪切りを持っていてもテロリスト扱いされる!)あとで、「米国の圧力があったのではないか」との記者団の質問に対し『強く否定』した、ということは、『圧力があった』ことをやけくそに肯定しているのも同然でしょう。
中南米情勢に関しては、スペイン各紙は、チリの元独裁者ピノチェットが1970年代に反政府主義者を多数拷問のうえ殺害した「コンドル作戦」の罪で裁判にかけられるだろう、という記事を掲げています。
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ピノチェット、「コンドル作戦」の罪で裁判を受けるだろう(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/08/26/internacional/1093535078.html
チリ最高裁はピノチェットを「コンドル作戦」の罪で裁くだろう(ABC)
http://www.abc.es/abc/pg040826/actualidad/internacional/iberoamerica/200408/26/pinochet.asp
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またこれは日本の新聞にも書かれています。
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ピノチェット氏訴追、再会へ チリ最高裁が免責はく奪(共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040827-00000015-kyodo-int
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一方でチリ国軍はピノチェットの栄誉を称えて最高裁の決定に対して抵抗の姿勢を明らかにして、不穏な動きをみせています。チリではこの軍の動きに相当に動揺が広がっているようです。
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チリ軍はピノチェットの栄誉を称える
http://www.elperiodico.com/default.asp?idpublicacio_PK=5&idioma=CAS&idnoticia_PK=143491&idseccio_PK=7&h=040826
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まさか再び軍事クーデター、ということは、無いことを祈りますが、ありえない話では無いでしょう。中東、東アジア、ロシア、アフリカと同様に、中南米からもさまざまな煙が立ち上っています。