★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争58 > 1137.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
天木直人・メディア裏読み 8月24日 
http://www.asyura2.com/0406/war58/msg/1137.html
投稿者 天木ファン 日時 2004 年 8 月 26 日 08:42:54:2nLReFHhGZ7P6
 

8月24日―メデア裏読み

アリ廟モスクへの攻撃に心が痛む

 イスラム教シーア派の聖地ナジャフにあるアリ廟が米軍の攻撃の危機にさらされている。米占領軍に抵抗しているサドル師派を武装解除しようとしているからだ。さすがのサドル師も廟の鍵を渡して立ち去る意思を示したらしい。ところが鍵を持ち込まれたシーア派最高権威シスターニ師側は受け取りを拒否しているという。その理由を23日の朝日新聞がつぎのように報じている。
 「・・・聖廟にはシーア派初代指導者アリが葬られているとされ長年にわたり世界中から巡礼者が訪れ財宝や金銀を寄進してきた。目録によると保管されているのは千年以上前に書かれたものを含む各時代の貴重なコーラン550冊を初めとして、宝石、ダイヤモンド、金のランプや燭台、王冠、剣、古いカーペットなど計450種類の品目に及ぶ。多額の現金も含まれると言う・・・宗教指導者が認めた一家が代々管理してきた。しかし昨年管理責任者が暗殺され後継者は現在ロンドンにいる。サドル師派はその隙を突く形で鍵を入手、同派の民兵が立てこもり米軍と二週間にわたって衝突を繰り返してきた・・・」
 要するにサドル師派が譲歩して鍵をシスターニ師の事務所に持参したのであるが財宝が一部でもなくなっているとサドル師派はシーア派全体から非難されるし、シスターニ派としてもろくに確認もせず管理権を譲り受けた後に紛失が判明すれば、今度はシスターニ師側に責任がふりかかる。結局双方の代表で委員会をつくり収蔵物の確認作業を進める事になったと言う。しかし量が膨大な為時間がかかり、その間にも米軍の攻撃は行われるというのである。
 それにしてもこれだけの歴史的遺産があるアリ廟を無慈悲に攻撃する米国という国は歴史と言うものを、人類の共通の遺産である文化品をなんと考えているのであろう。
 そういえば最近読んだ本多勝一の「真珠湾からイラクまで」(朝日新聞社)の本の中で進藤栄一筑波大学名誉教授が興味深い発言をしていた。「(スチムソン陸軍長官が京都の文化と歴史に造形があったから京都を空襲から外したのだという説がまことしやかに伝えられているが)・・・スチムソン日記にはそんな事は一切出てこない・・・スチムソンはむしろ日記にこう書いている『我々が原爆投下の準備を完了する前に日本を完全に空爆しつくし新しい兵器(原爆)が威力を発揮する正当な機会を与えられなくなる事をおそれている・・・それを聞いてトルーマン大統領はよくわかる、よくわかると言って笑った・・・』」
 米国という国は我々が考える以上に許しがたい蛮行の国なのかもしれない。イラクがあまりにも気の毒に思えてならないのである。

 オリンピックと小泉首相

 またまたオリンピックの話で恐縮であるが、今回のオリンピックにはいろいろ感動させられる事が多かったがそれに関するメデアのコメントにもなるほどと思うものが目についた。

 女子レスリングの伊藤千春(姉)が「銀なんかいらない」と言って表彰台でも笑顔を見せなかったことについて「マイクを向けたアナウンサーが思わずたじろぐほどの毅然とした物言いだった・・・金メダルを逃がすと期待を裏切ってごめんなさいと謝罪する選手が多い中でこれほど感情を素直に吐き出した千春にむしろ小気味よさを感じた視聴者も多かったでしょう」私はそのうちの一人である。普通であれば生意気であるとか総スカンをくらうところであるが、あのひたむきな戦いぶりとヘタクソ審判をみていれば千春の態度は下手な男より男らしかった。

吉田沙保里の金メダル後の「五輪の金メダルだけがなかった。これで全部そろいました」とこともなげに言い切ったのにはすっきりさせられた。なにしろ国際試合無敗の74連勝、元全日本選手権王者の父から幼い時からスパルタ教育を受けて高校を卒業するまで一日も練習を欠かさなかった21歳の乙女だからこんな発言が心に響くのである。

坂口京子は銅メダルどまりで残念であった。ある報道が「親父の応援につぶされた」と書いていたのには笑ってしまった。子を思う親の心はわかる。親馬鹿になるのは誰しも仕方が無い。しかしその応援がいきすぎた。それを救ったのが「金以上の経験をさせてもらった」という坂口選手の言葉である。この言葉がすべてをプラスに変えたと思った。

それにしてもやはり感動したのはマラソンの野口選手である。そしてその野口選手が極貧生活の中から掴んだ金メダルであることを報道で知った。経済的理由で兄と姉は中学を卒業してすぐ就職したが「妹のみずきだけは高校にいかせてやって」と両親に願い出たと言う話や、自転車を買ってもらえず自転車で走る友達を「日本の足があるから走ればいい!」と原っぱを駆けずり回っていたというエピソードを聞き感動した。
「監督に言われてスパートした後は苦しかったけれどやれると思った。ここまでくれば死んでもいいと思った」というインタビューの言葉を聞いたときはさらに感動した。我々はよく死ぬ気になってと軽々しく口にするがあの時の彼女は本気で死んでもいいと思って走ったに違いない。その言葉には凄みがあった。

 いずれにしてもオリンピックの感動は各選手が体を張って努力するその姿である。そこにはごまかしもパフォーマンスも無い。残酷なまでに正直に結果に現れてくる。一生懸命であるからその感動が茶の間で楽をして見ている我々に感動を与えてくれるのだ。それにくらべてこの国の政治家や官僚の姿はどうか。米軍ヘリの墜落に関心を示さなかった小泉首相をジャーナリストの江川紹子は「楽しいことはやるけれど嫌なことはやらない」と評していた。苦労も努力もせずに人生をごまかして生きてきた三代目の政治家が夏休み明けに金メダルの女性選手を官邸に集めて自分の手柄のようにパフォーマンスするのを見せられるかと思うと五輪の感動がいっぺんに鼻白んでしまう。


 ブッシュと金日成の罵倒の応酬を小泉はどう眺めているのか

 ことの起こりは大統領選挙のため遊説中のブッシュ大統領が18日ウィスコンシン州の対話集会で金日成を「暴君」と表現して核開発を続ける北朝鮮への不信をあらわにしたことから始まった。これに対して23日北朝鮮外務省のスポークスマンは「ブッシュ大統領こそヒットラーをしのぐ暴君中の暴君だ」と痛烈に批判した。これを聞いた米国国務省のエレリ副報道官は「論評に値しない。不適当だ」と応酬、まるで子供の喧嘩みたいになってきた。
 小泉首相は国会で何度も「ブッシュ大統領は正しかった。ブッシュ大統領は善意の人である」と褒め称えてきた。その小泉首相は今年の5月22日の二回目の金日成総書記との会談の後の27日の参議院イラク特別国会において「独裁者と言うとおそろしい不気味なイメージを持っている方が多いと思うが実際会って話してみると穏やかで快活、冗談も飛ばす・・・頭の回転の速い人だなと思った」などと褒めている。9月に始まる国会では岡田民主党党首に是非聞いてもらいたいものだ。小泉首相はこの喧嘩、どっちの味方なのかと。


 米国ジョン・ホプキンス大学ジョエル・アンドレアス助教授の言葉

 米国がいかに好戦的な国であるかを漫画で風刺した「戦争中毒」(合同出版)の著者であるアンドレアス助教授が日本各地で講演したときの言葉が24日付の朝日新聞夕刊に掲載されている。
 「米国はイラクでの戦争に既に負けている。大量破壊兵器が無かったとかテロを抑えられないといったことだけではない。米国がこの戦争で達成しようとした目的―イラクに親米政権をつくり、石油利権への特権的地位を固めるということに戦略的に失敗しているからだ。もともと開戦は危険な賭けだった・・・こんなにも多くの民衆が抵抗するとは米国内のタカ派は予想できなかった。日本に対する一番の疑問は憲法9条という武器がありながら、なんでこんなリスキーな戦争にかかわるのか・・・将来のイラク政権は確実に今より反米、反日になるだろう・・・」
 これほど正確、端的に現状を言い当てた発言を私は知らない。

 次へ  前へ

戦争58掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。