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8月26日付・読売社説(1)
[米軍ヘリ墜落]「安保機能損なう不信を招くな」
事故後の、極めて不適切な対応が地元住民の不信を招いていることを、米側も、深刻に受け止めるべきだろう。
沖縄県の宜野湾市で起きた米軍ヘリ墜落事故をめぐって、小泉首相と稲嶺恵一知事が会談した。知事は、普天間飛行場の所属機の飛行停止や日米地位協定の改定、などの措置を講じるよう、首相に要請した。
事故後の米側の対応には、極めて問題が多い。日本側が求めた墜落機の現場検証を拒否した。政府が派遣した外務省の荒井正吾政務官の現場立ち入りも認めなかった。日本側に十分な説明がないまま同型機六機が離陸し、沖縄を離れた。
地元住民の感情を逆なでするような対応だ。川口外相がパウエル米国務長官との電話会談で、遺憾の意を表明したのは当然である。政府としても、もっと早い段階から、米側に適切な措置を取るよう求めるべきだったのではないか。
在日米軍基地に対し、地元住民や広く日本国民が良好な感情を持つことは、基地機能、ひいては日米同盟の強化につながり、日本や地域の安全保障上、重要な意義を持つ。そのためにも、地元住民の負担軽減を図る必要がある。
今後、米軍再編に伴い、在日米軍基地の見直しが日米協議の課題となる。見直しを円滑に進める上でも、関係地域の住民の理解が不可欠だ。
米側の対応には、こうした観点に立って地元住民らとの信頼関係を築く、という配慮が欠けている。
米側が、墜落機の現場検証を認めなかったのは、日米地位協定で、訓練など公務中に事故を起こした米軍の航空機や車両の検証は、米側の同意なしには出来ないことになっているからだ。こうした現状への不満から、稲嶺知事は地位協定の改定を求めている。
だが、地位協定は、同時に、日本の法令に対する米軍の尊重義務や相互協力もうたっている。改定を待たずとも、運用上の対応で可能なことがあるはずだ。
事故現場の検証についても、米軍が一方的に拒否するのではなく、米軍と警察が十分に協議するルールを作ればよい。米側のみによる検証とする場合は、例えば、機密保持の観点など、正当な理由がある場合に限ることも考えられる。
政府は二十六日に日米合同委員会の事故分科委員会を開く。今回の反省に立って、同じ問題を起こさないよう、日米間の問題処理のルール作りを急ぐべきだ。
最も重要なのは、日米安保条約が円滑に機能することだ。わずかな配慮の欠如が、安全保障の基盤を損なうことになっては取り返しがつかない。
(2004/8/26/03:28 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040825ig90.htm