現在地 HOME > 掲示板 > 戦争57 > 979.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
社説
07月23日付
■日韓会談――北朝鮮に向けた「希望」
小泉首相が韓国の盧武鉉大統領と会談した。首相はその後の記者会見で「北朝鮮が日朝平壌宣言を履行すれば、国交正常化は1年以内でも結構だ」と表明した。金正日総書記に核の放棄を促すメッセージである。
大統領も首相の再訪朝を高く評価し、北朝鮮を譲歩させるための日韓両国それぞれの努力の大切さを説いた。
首相の積極姿勢の背景には、拉致被害者5人の家族が日本で暮らすようになり、全面解決はなお遠いとはいえ、拉致問題が一つの節目を越えたという思いがあるのだろう。大統領も日朝関係の打開に懸ける首相の意欲を見て、済州島に招いたに違いない。
会談では日米韓の連携が再確認されたが、3国の構図は複雑だ。北朝鮮に強硬な米国に比べて、韓国は柔らかなアプローチをとろうとする。両国にはさまれながら、拉致やミサイル問題にも取り組まなければならないのが日本である。
そんななかでの会談だったが、日韓両国ができること、しなければならないことでは合意できたと言えるだろう。
「核を完全に廃棄することで得られるものと、核を持つことによって得られるものは、天と地ほども違う。チャンスを逃してはならない」。首相は先の訪朝で、金総書記にそう迫った。
そのことを盧大統領に説明すると、大統領は、北朝鮮が核廃棄という選択をするには「希望が必要だ」と応じた。首相も「希望の必要性」に全面的に賛同したという。「希望」とは、北朝鮮が欲しがる経済的な支援である。
核問題を平和的に解決するには、対話と圧力が必要だ。加えて、北朝鮮の譲歩に応じて経済支援の用意があることを示すことも手段となる。先月の6者協議で北朝鮮が実質的な討議に応じたのも、米国が核放棄の見返りとして重油の供給を認めると言及したことがある。
米国は大統領選を控えている。本格的な米朝対話が行われるにしても、選挙後だ。今は日韓両国が連携し、対話と圧力の手段を駆使して北朝鮮に核放棄を迫り続けることである。米国を動かす役目もある。焦ってはならないが、両首脳の腕の振るいどころだ。
こんどのノーネクタイ会談を機に、首相と大統領は形式にこだわらずに相互に訪問し合うことを約束した。過去にも両国の首脳がそんな合意をしたことがあるが、歴史認識をめぐる問題などが足かせとなって期待された成果はなかった。
来年は日韓国交正常化40周年だが、同時に日韓併合につながる第2次日韓協約から100周年でもある。盧大統領は、任期中は歴史問題を公式に争点としないと語った。日本側がみずから歴史を重視することを前提にした言葉であろう。
自由貿易協定から東アジア共同体づくりまで、北朝鮮問題以外にも日韓首脳が話さなければならない課題は山ほどある。相互訪問どころか、毎週でも電話を掛け合っていいくらいだ。
http://www.asahi.com/paper/editorial20040723.html