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7月22日付・読売社説(1)
[日韓首脳会談]「融和では解決できない『北』の核」
日韓両首脳の北朝鮮への融和姿勢に、大きな不安が残る結果となった。
小泉首相と盧武鉉韓国大統領は、北朝鮮の核廃棄に向けて、日米韓三国が緊密に連携していくことで一致した。
問題は、北朝鮮にどういう姿勢で臨むかだ。北朝鮮には、「対話」だけでなく「圧力」も不可欠だ。日韓両首脳は、「対話」に傾きすぎ、「圧力」カードをどこかに置き忘れたかに見える。
朝鮮半島の「非核化」へ、国際社会が結束を強めなければならない。日米韓の連携がますます必要な時だ。
韓国では、政界や世論に根強い「反米親北」ムードがある。
米国が在韓米軍の三分の一程度の削減を計画し、他方で、盧大統領が打ち出した「自主国防」路線が、米韓同盟に微妙な影を落としている。大統領与党であるウリ党内には、イラク追加派兵への反対論も強まっている。
南北協議では、北朝鮮の核問題は主要議題になっていない。北朝鮮が同胞である韓国に核を使うはずがないという“信頼感”があるのだろう。北朝鮮への食糧支援、離散家族再会事業を続け、鉄道・道路の連結事業、開城工業団地建設への協力にも積極的に乗り出している。
米韓関係がぎくしゃくすることは、日本にとって憂慮すべきことだ。
韓国国防相によると、北朝鮮は、グアムなどを射程に入れる新型中距離弾道ミサイルを生産、配備中だ。現在も、寧辺の黒鉛減速原子炉を稼働させている。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の動向には、何の変化もない。
小泉首相は、自民党総裁任期中の日朝国交正常化実現へ意欲を示している。だが、核・ミサイル、拉致問題の包括的解決が、その前提のはずだ。
先の六か国協議では、北朝鮮の核開発問題は、実質的進展がなかった。拉致問題でも、横田めぐみさんら十人の安否や特定失踪(しっそう)者についての情報提供など、誠意ある対応もない。
首相は、五月の日朝首脳会談では、人道支援の名目で、二十五万トンの食糧と1000万ドル相当の医薬品の支援を表明した。日朝平壌宣言を順守する限り、経済制裁はしないとも言明した。帰国後、朝鮮総連の大会に、自民党総裁として初めて祝意を伝えるメッセージを送った。
これでは、対「北」融和姿勢に転じたと受け取られても、無理はない。
北朝鮮は今この時も、核開発やミサイルの開発、配備を進めている。それを考えれば、首相も、日朝国交正常化へ、前のめりになるべきではない。
(2004/7/22/01:57 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040721ig90.htm