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イラク情勢ニュース 2004年7月20日 火曜日
[飛耳長目録]
☆ロバート・フィスクのイラク現地ルポ (前半)
アラブニュース 7月20日付から訳
・電力供給の回復進まず 米軍計画空回り
・フィリピン軍の撤退完了、人質解放、米の批判に反論
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☆★A Nation Whose Govt Rules Only Its Capital
首都以外には政府・米軍の統治およばず
アラブニュース by Robert Fisk(インディペンデント)
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http://www.arabnews.com/?page=7§ion=0&article=48646&d=20&m=7&y=2004&pix=opinion.jpg&category=Opinion
2004年7月20日 ナジャフ発:
昨日バグダッドの南へ何マイルも行ったが、話はおなじだった。人
気のない警察の詰め所、放棄されたイラク軍と警察の検問所、燃え
尽きてゴミとなった米軍燃料輸送車とロケット弾を浴びた警察車両
が、ヒッラおよびナジャフに向かう幹線ハイウェイに散在する。
イラク政府高官と西側外交官が、ジャーナリストにバグダッドの市
外へドライブするなと言う−−今その理由が判る。危険だからだ。し
かし私の取材旅行は危険に満ちたハイウェイ8号線を南下する。そ
れは少なくとも15人の西洋人が殺害された現場だ。このことはアメ
リカの承認したイラク政府が、バグダッド以南の土地をほとんど統治
できてないことを証明している。
先週、イラクの新兵採用事務所の外で、自動車爆弾が発生した。
その現場となったスンニ派教徒の居住地区マフモーディヤの街でし
か、私はイラク人警察と出会わなかった。
彼らは破壊された11台の白いピックアップ軽トラックの車列の中
にいて、カラシニコフ自動小銃を周りの群集に向け、交通渋滞で混
雑してくると反対車線を走り、道をあけるようにドライバーたちに叫
んでいた。怯(おび)えたアメリカ兵ではなく、イラクの青い制服を着
た警官であり、彼らのライフルも民家や商店の窓と、周囲のイラク人
群集に向けられていた。
イスカンダリヤでは、道端近くに銃を手にした2人の男を見かけ
た。なぜ彼らがそこに立って警戒しているのか知らなかった。警察
はとっくに詰め所から離れて、2、3メートル先にいる。
そう、それはわれわれのイラク侵略をめぐる恥ずべき反省である
−−「大量破壊兵器」のことを厳粛に思い起こしたまえ−−が、しか
し、とりわけイラク国民にとっては悲劇であるのだ。彼らは不快なサ
ダムに耐えた。恥ずべき国連制裁に耐えた。われわれの侵略に耐
えた。そして今、彼らはわれわれが「自由」と呼ぶところの無政府状
態に耐えなければならないのである。
バグダッドでは、もちろん、昨日もありふれた光景だった−−自爆
事件で15人のイラク人が死亡し、62人が負傷した。自爆者が燃料
輸送車を警察署の傍で爆発させ、イラク国防相の高官は自宅を出
たところで暗殺された。そうして、『不思議の国のアリス』の世界よろ
しく、43人のイラクの大使が世界各国へむけて任命された。しかし
彼らは誰を代表しているのか? イラク全体か、それともバグダッド
だけなのか?
ヒッラの街をあとにしたところで、私は散在している新イラク軍兵士
と警官に出会った。クーファでは、彼らは聖都ナジャフの街に私たち
の車を護衛していくと言いはった。しかしナジャフの中心部から数マ
イルのところで、彼らは向きを変え、ムクタダ・サドルのマフディ軍と
停戦が成立しているので、彼らはこれ以上車を進めることはできな
いと私に言った。
彼らは正しかった。サドルの民兵−−アメリカ軍は去る4月にこれ
を「殲滅(せんめつ)する」と約束した−−は歴史のあるこの都市、
モスクへ向かう主要な道路、そしてイマーム・アリ廟の入り口を防衛
している。
実際に、このイスラムの建築様式に貢献する不思議な金色のタイ
ルでおおわれたドームの奥深く入ると、陶磁器とペルシャ絨毯があ
ふれる空調のきいた屋内で、サドル軍の包囲をあきらめて撤退する
米軍のために地図を広げている人物が目に入った。
「アメリカ軍がわれわれに地図を提供し、どの道路だとパトロール
できるかと尋ねてきた」−−ターバンを巻いてサドルの右腕といわ
れるスマイシン師が昨日ナジャフで私に話した。
「私はベイト・シーア(シーア派の議会で、ダーワ党を含む多くの地
元政治的指導者と結びついている)の他のメンバーと相談し、米軍
に許されるパトロール・コースを提示した。この地図はそのときアメリ
カ側に示され、彼らもわれわれの選んだパトロール・コースを受け入
れた」。
私は驚かなかった。
米軍は現在、多くのゲリラ攻撃を受けていて、彼らは昼間にはハ
イウェイ8号線、つまりファルージャやラマディを通過するバグダッド
西方には移動することができないでいる。
米軍ヘリはイラク全土で、ロケット弾攻撃を恐れて、100メートル
以上の高度を飛ぶことができず−−米軍ヘリが低空を高速巡航す
れば、反乱勢力には攻撃する余裕がほとんどない−−、昨日は、
バグダッド郊外に孤立したA1M1戦車を救出するために、その道路
に出動した米軍車両をわずか1台しか見かけなかった。
ナジャフでは、ハンビーが単独でパトロール・コースを移動すること
でマフディ軍の同意を得た。超低空飛行のアパッチ・ヘリ3機がユー
フラテス川の方へと飛んでいった。
(次回につづく)
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●イラク: 電力供給の回復進まず 米軍計画空回り
毎日新聞 2004年7月19日 20時15分
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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20040720k0000m030064000c.html
バグダッド/イラクの電力回復が進まず、復興の足かせとなって
いる。旧米英占領当局が打ち出した6月末のピーク時供給目標60
00メガワットにはほど遠く、現在は4500メガワットに満たない。最
高気温50度を超すバグダッドの中心街は3時間ごとの計画停電で
しのぐが、貧困地区では停電時間が昨年3月の開戦前より長い。
・・・ 昨年9月に始まった米軍の電力回復計画の予算は14億ド
ル弱で、うち13億ドル強の契約がアフガニスタンでも同様の計画を
受注した米国の3企業に発注された。3社は工事の大半をイラクの
業者に発注するが「実際、見積額の2割ほどしか業者には回ってい
ない」とイラク業者の関係者は言う。・・・ イラクの電力回復が進ま
ない背後には、そんな構図が見て取れる。
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☆★フィリピン軍の撤退完了、解放、米の批判に反論
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●イラク人質のフィリピン人解放 アラブ首長国連邦が確認
朝日新聞 7月20日 18:11
http://www.asahi.com/international/update/0720/009.html
ロイター通信によると、アラブ首長国連邦の衛星テレビ局アルアラ
ビアは20日、イラクの武装勢力に拉致され人質となっていたフィリ
ピン人のトラック運転手アンヘロ・デラクルスさん(46)が解放され
た、と報道した。
●フィリピン: イラクから部隊全員の撤退完了
毎日新聞 2004年7月19日 23時15分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20040720k0000m030117000c.html
マニラ/在クウェート比大使館によると、イラク警察は19日、イラ
クに残るフィリピン軍部隊が同日、陸路イラク国境を越えてクウェー
トに入ったと述べた。これで同軍全員のイラク撤退が完了したことに
なる。 ・・・
●フィリピン部隊の撤退完了 メディア、米豪の批判に反論
朝日新聞 7月19日 23:05
http://www.asahi.com/international/update/0719/009.html
イラクのフィリピン人労働者の人質事件をめぐり、フィリピン部隊の
イラクからの全面撤退が19日に完了した。武装集団の要求に応じ
る形で早期撤退を決めた比政府の対応に、米国やオーストラリアか
ら批判が出た。これに対しフィリピン国内では政府の決定に賛同す
る声が強く、フィリピンを代表するコラムニスト2人がこの日、米国な
どの批判に反論するコラムを執筆した。 ・・・逆に「サダム・フセイン
が大量破壊兵器を持つという間違った米国の主張から始まった戦
争に我々は引き込まれた」と戦争の大義について疑問をつきつけた
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