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フィリピン部隊の撤退完了 メディア、米豪の批判に反論
http://www.asahi.com/international/update/0719/009.html
イラクのフィリピン人労働者の人質事件をめぐり、フィリピン部隊のイラクからの全面撤退が19日に完了した。武装集団の要求に応じる形で早期撤退を決めた比政府の対応に、米国やオーストラリアから批判が出た。これに対しフィリピン国内では政府の決定に賛同する声が強く、フィリピンを代表するコラムニスト2人がこの日、米国などの批判に反論するコラムを執筆した。
アマンド・ドロニラ氏は19日、有力英字紙「インクワイアラー」の1面に「誤った論理に基づく米国、オーストラリアの非難」と題した分析記事を載せ、アロヨ大統領の決断を擁護した。
同氏は「51人という規模は微々たるもので、撤退の影響は象徴的なものにすぎない」と分析。要求に応じればテロの続発を呼ぶという懸念については、「フィリピン人海外労働者へのテロは、部隊のイラク駐留に関係なく起こり得る」と応酬。逆に「サダム・フセインが大量破壊兵器を持つという間違った米国の主張から始まった戦争に我々は引き込まれた」と戦争の大義について疑問をつきつけた。
さらに「人質が犠牲になれば海外出稼ぎ者800万人を保護すべき政府への信頼が崩壊する」としたうえで「イラク占領に関する我が国の国益は、米国などとは異なる。我が国の事情が他国の国益より大事だということだ」と論じた。
テオドロ・ベニグノ氏も有力英字紙「スター」で「今回のドラマはフィリピンに大失敗をただす機会を与えてくれた。米国のイラク侵略はとんでもない過ちであることが証明された。私たちは参加すべきでなかった」と書いた。さらに、中東の出稼ぎ労働者を守ることが国益で「アロヨ大統領は、最も厳しい試練を乗り越えた」と締めくくった。
19日朝には、クウェートを16日に出国した部隊11人のうち、パルパラン司令官が民間機でマニラに到着した。司令官は「(任務を)うまく遂行した」と語った。残りの10人も近く帰国する予定だ。 (07/19 23:05)