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3.11調査委員会に見る「情報操作」「すり替え」「世論誘導」の実態
●欧州議会選挙後の6月23日にスペイン国会3.11調査委員会が正式に発足し、7月5日から証人喚問が開始され、その作業は7月27日までの日程で続きます。すでに終盤に近づいているわけですが、今までの過程でクローズアップされてきたのは、「3.11とは一体何だったのか」という事件そのものの性質やその背後関係の追及ではなく、「誰の責任で3.11を許してしまったのか」という、爆破事件をめぐる情報の混乱とその責任の追求・責任逃れ、つまり技術論や責任論ばかりなのです。マスコミ報道もそれに終始し、誰一人表立って事件の本質と背後の追求を叫ぶ者はいません。
これは完全にテーマの「すり替え」であって、この事件の真相と深層から世間の目をそらせ、それを闇の中に葬りつつ「イスラム・テロの恐怖」だけが一人歩きする構図が着々と作られつつある、というのがまぎれも無い現状です。
9.11と違ってビデオなどの幅広い角度から検証できる資料がほとんど無く、この委員会の様子も世界中でさほど注目されることも無く、ほとんどスペインという欧州の片隅で処理されてしまう可能性が高いだけに、仕掛けた側としては願ったりかなったりなのでしょう。
逆に言えばこのことによって、この事件の本質と背後関係が明確にあぶりだされてくるわけです。「イスラム・テロの恐怖」を一人歩きさせ、その情報を利用し「テロ事件」を演出して世界を操る傀儡師は誰か。誰がそのグロテスクな「人形遣い」なのか。世界の主要マスコミと謀略機関を駆使してそれを実現させる力とそれによる利害関係を持っている者は誰なのか。
●「すり替え」るためには、まず情報操作が必要です。表に出すべき情報と隠蔽しておくべき情報が分類できている必要があります。これを、3.11委員会が請求して公開された資料とそうでないもの、および、マスコミが大々的に流している情報とそうでないもの、の二つに分けて検討してみます。
3.11委員会は、国会内の各政党・グループから請求すべき資料と喚問すべき証人の要求を提出させ、証人は委員会で検討して決定し、要求のあった資料については一応すべてさまざま分野の機関に提出・公開の要請をすることから始まりました。
各グループの党利党略を元に要求がまとめられたのですが、たとえば旧与党の国民党からは「事件後にETA犯行説にこだわったことを正当化できるような」また「総選挙前日の3月13日にテロ事件を利用して国民党に攻撃をかけた勢力」を非難するのに有利な資料や証人が要求され、逆に現与党の社労党は「イスラム・テロの脅威がいかに以前から叫ばれていたのか」つまり「いかに国民党がイスラム・テロを軽視してきたのか」を明らかにできるような資料と証人を求めました。他の小党派や民族政党は、前首相のアスナールを証人喚問してイラク問題に関する彼の政治姿勢とテロとの関連などを追及するつもりでしたが、アスナールの証人喚問は国民党と社労党の手で握りつぶされました。
また多くの政党から、CNI(国家中央情報局)のスペイン国内でのイスラム組織のデータと3.11の事件そのものに関する資料が請求され、特に共産党系の統一左翼連合からはモサドやCIAによるスペインと欧州でのアルカイダの活動に関する資料が請求されました。
結局、CNIの資料の多くが公開を拒否され(社労党政府の圧力によって)、3.11に関する一部が委員会の秘密会議の場にのみ提供されることとなりました。またCIAやモサドなどの資料は「外国の情報機関だから働きかけることはできない」として退けられました。さらに、3.11の捜査に当たっている大法院のフアン・デル・オルモ判事とスペインでアルカイダ等のイスラム過激派組織の捜査を行うバルタサル・ガルソン判事の方からも、逮捕者・収監者について一切の資料の公開はありませんでした。
【参考】
http://www.asyura2.com/0406/war56/msg/910.html
統一左翼、国会311調査委員会で、CNI、モサド、米英諜報機関の資料を要求
http://www.asyura2.com/0406/war56/msg/930.html
日本と同じく腰が引ける大新聞:地方紙、ネットニュースのみがこれを取り扱う
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/299.html
311委員会は、モサド、CIA資料等、肝心の資料を公開できず
要するに、集まった資料と喚問が決まった証人は事件の本質や背景を明らかにするものではなく、そのほとんどが「初期捜査が適切であったのかどうか(つまりETAなのかイスラムなのかの判断がどのようにつけられたのか)」および「国内でのイスラム過激派に対する認識と警備が適切であったのかどうか」に関するものです。
これで、この委員会で、アスナール国民党が「ETA犯行説」にこだわり続けたことに根拠があったのかどうか、3.11以前のイスラム・テロに対する警備体制に抜かりが無かったのかどうか、に焦点が絞られてしまいました。
【参考】
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/430.html
311調査委員会の経過報告:矛盾だらけ、バラバラ証言
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/487.html
311調査委員会の報告:なぜ国民党政府はETA説に固執したのか
●次にマスコミの報道を見てみますと、もちろんこの3.11委員会での証人の証言が中心で、国民党(特に前内相アセベスと前報道官サプラナ)が3.11以来主張し続けている「国民党は一切嘘をつかなかった」が嘘なのかどうか、に多くの紙面と時間を割いています。さらに事件の予測性に関しては、何と言っても例の「密告屋」ラファー・ゾウヒエルがマスコミの「アイドル」になっているようです。特にゾウヒエルの手紙を受け取るという光栄を手にしたエル・ムンド紙は、彼をクローズアップして事前の警備の手抜かりと警備当局の無責任にスポットを当てています。
【参考】
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/460.html
311調査委員会:社労党は「密告屋」の証人喚問を拒否
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/583.html
密告屋の爆弾告白:刑務所で密告相手の防衛隊員から何も言うなと脅迫された
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/629.html
「密告屋」ゾウヒエルは311を事前に知らせていた!!(エル・ムンドより)
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/698.html
またあの「密告屋」、今度は3・11委員会に手紙:こいつも役者の一人か?
そして、これは阿修羅ではお知らせしていないことなのですが、20日に証人台に立ったガルソン判事は、3月11日中には警察はイスラム・テロの線に傾いていたこと、さらにマドリッド近郊のアルカラーで発見された白い盗難車のバンの中から起爆装置の残りと共に見つかった「コーランのテープ」に関して「アルカイダとの関係を確信する」という証言をしました。こうして終盤に近づいた3.11調査委員会の中で、改めて「アルカイダに主導されたイスラム・テロ」という絵が濃く濃く描かれてきているわけです。
このような種類の情報の洪水の中で、3.11の本質はますます覆い隠され見えにくくされつつあるわけです。情報操作というのは必ずしも偽の情報を流すばかりではなく、情報自体は本物でもこうやって量と内容をコントロールすることで実像を隠し虚像を作り上げることなのでしょう。これこそが「偏向報道」であるし、「誤った世論誘導」なのでしょう。スペインの世論は今のところ、「密告屋」ゾウヒエルの証人喚問を求め、無責任で手抜かりの多い警備当局に不満を持ち、選挙前にETA説で誘導しようとしていた国民党に対する不審の念を強める、といった方向で動いているのでしょう。ただ私が街で見る限りでは、国民大衆はそんなことには頓着無く、どうやって金の無いバカンスを楽しく過ごそうか、で頭がいっぱいになっているように見えます。
●3.11調査委員会で唯一「当局」の情報操作を切り裂いているように見えるものは、事件当日朝に爆弾を運んだとされる例の盗難車の白いバンについてです。先日もお知らせしたとおり、そのバンが「市民の通報」で発見された直後の12時前にそれを調べた警察官と爆発物専門の警察犬が、何一つ怪しいものを発見できなかったのに、午後になってそのバンから起爆装置とコーラン入りのテープが発見された、と発表された点です。
【参考】
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/648.html
311「起爆装置発見」の白いバンは発見当時は空っぽだった?!
調査委員会が、あるいはどこかの政治党派が、この一点をきっかけにしてこの捜査の傷口を広げこの事件にまつわる胡散臭さを追求し始めるのでしょうか。現在のところ社労党、国民党はもちろん、統一左翼も含めてそのような動きは見えてこないのですが。また事件担当のデル・オルモ判事からのこの点に関しての言葉も全く聞こえてきません。担当警官の勘違い(犬の鼻違い?)として有耶無耶のうちに忘れ去られるのでしょうか。
もう一点、奇妙なことがあります。それは前与党の国民党についてです。この調査委員会の以前から、3月11日から13日までETA犯行説に固執し続けた奇妙さを多方面から指摘されて、委員会では明らかにますます不利に追い込まれるのが目に見えているのに、党首のラホイは前内相のアセベスを党の第2位の地位に立たせているのです。アセベスは総選挙以来何度も「国民党は一切嘘をつかなかった」と強弁し続けてきたのですが、委員会の調査が進むにつれて、それが「嘘」でなかったとしたら「馬鹿だった」ということになり、いずれにしても国民の支持が離れることは目に見えているわけです。しかし現在の国民党執行部は、頑固にその姿勢を崩そうとしていません。
私などは、これは自殺行為、3月14日の総選挙に続く「第二の自殺」ではないのか、と思うのですが、これはどういうことなのでしょうか。米国でもブッシュ政権も何やら似たような状況にあるような気もしますが・・・。
●3.11は、9.11以来続いている米軍を駆使しての強引なアフガニスタンとイラクの占領という強硬路線から一歩離れた所に、新たに欧州中心の対イスラム戦略が作られていくターニング・ポイントになった事件です。しかしこの二つのテロをはさんで着々と進められているのが「大中東構想」ではないのか、という気がします。
【参考】
http://www.asyura2.com/0403/war49/msg/698.html
マドリッド列車爆破の1週間前に、アメリカがモロッコと自由貿易協定をむすび、「大中東構想」をスタートさせていた
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/379.html
投稿者 FakeTerrorWatcher 日時 2004 年 4 月 14 日 08:43:02:ctKRGOvG/DIEQ
フラッシュバック:チェイニー来日の目的 「大中東構想」の資金協力要請【グレーター・イスラエル】
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/381.html
「大中東構想の脅威」
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/384.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 4 月 14 日 10:01:04:CjMHiEP28ibKM
大中東構想がレーガン時代とはブッシュ親時代のことなり
モロッコの南部に旧スペイン領西サハラ(サハラ・ウイ)があるのですが、ここはモロッコがその領有権を主張しスペインはその独立し支持して長期間対立しており、モロッコがサハラ・ウイに侵攻して西サハラ人の巨大な難民キャンプができています。言ってみればイスラエルの中のパレスチナ難民キャンプとよく似た状態が20年以上続いているわけです。で、この7月9日に、モロッコのモハメド6世がブッシュとワシントンで、「サハラ問題をできる限り早く解決する必要性で意見を一致させた」という新聞報道がありました。(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/07/09/internacional/1089359427.html
スペイン政府はこれを何とか国連の場に持ち込みたいようですが、モロッコは領有権問題をバネに米国との結びつきを強め、米国にしても北アフリカをイラク、ヨルダン、イスラエルとモロッコの間で挟み撃ちにして、アラブ世界を徐々に自分のペースに巻き込んでいこうとしているように見えます。そしてその中心にあるのが、恐らくナイル川からチグリス・ユーフラテス川まで広がる「大イスラエル構想」なのかもしれません。
もちろん今の時点ではまだ私の妄想の段階かも知れませんが、たとえブッシュがケリーに代わったとしても何の関係も無くこの構想が推し進められるでしょう。現在、米軍によるイラク進駐・支配が実現している以上、あとはもっと政治的にスマート・スムーズに構想を推し進める役目を帯びた勢力(欧州)の台頭が望ましいでしょうし、この流れの切り替えのために起きた(起こした)のが3.11なのではないのか・・・、というような想像が私の頭の中を横切ります。
以上の点はまだいい加減な話ですから、馬鹿馬鹿しいと思ったら記憶から消してください。しかし、このような観点から初めて、「イスラム・テロの恐怖」を一人歩きさせ、その情報を利用し「テロ事件」を演出して世界を操る傀儡師、グロテスクな「人形遣い」の正体が見えてくる、世界の主要マスコミと謀略機関を駆使してそれを実現させる力とそれによる利害関係を持っている者が明らかになるように思います。
まあ、これくらいが現在のところの、3.11調査委員会の作業に関するまとめになるでしょう。