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(回答先: シジミさん是非これ、この本だけは読んでよ。 投稿者 ハンニバル 日時 2004 年 7 月 15 日 00:17:46)
ハンニバルさん、書籍ご紹介有り難うございます。
アマゾンのサイトでレビューを見ますと、大変重要なテーマを扱った本のようですね。
探して是非読んでみようと思います。
【アマゾンのカスタマーレビュー】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480088598/qid%3D1089836636/250-8686382-5424257
洞察に満ち溢れた書, 2004/07/03
兵士は実のところ、「人を殺したくはない」のだ。大岡昇平の作品を読むまでもなく、戦場においてわが身と友軍を危険に曝しながらも、あえて発砲しない兵士の存在は実に普遍的だった。WWUにおける米軍のライフル射手の「非」発砲率は80%、という数字は何よりそのことを物語る。
距離が近ければ人を殺すのに伴う心理的な抵抗は高まる。この距離は何も物理的なものだけではない。文化的、社会的、倫理的なものまで含まれる。敵は神に歯向かう存在、という「合理化」、そして爆撃機のパイロットがいかに容易く引き金を引くか。「距離」があることで人は人を殺しやすくなる。
ベトナムにおける米軍の非発砲率は5%まで低下したという。この劇的なまでの「進歩」は何を意味するか。著者によれば訓練=動機付けの賜物だという。殺人における「距離感」を克服する手段としての動機付け。これは軍隊の中だけの話ではない。日常に溢れる暴力的なメディアの存在も、陰に陽に、殺し易くする動機付け機能を有しているのだ。
メディアの悪影響をめぐる議論は、「限定効果論」など枚挙に暇がない。言論の自由と殺しの動機付けを秤にかけたとき、どちらに天秤を傾けるべきなのか。この問題を考えるうえで、著者の提示する議論こそ広く読まれてしかるべきものである。