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密告屋の爆弾告白:刑務所で密告相手の防衛隊員から何も言うなと脅迫された
7月12日付のエル・ムンド紙は、311の爆薬入手を手伝ったとして逮捕・収監されているモロッコ人ラファー・ゾウヒエルからエル・ムンド紙あてに手紙が送られてきたことを明らかにしました。この手紙の中で、彼が以前内通者(密告屋、情報屋)として働いていた国家防衛隊の隊員が複数回刑務所にやって来て、その際に、事件に使用された爆薬の販売について知っていることを、判事にも弁護士にも新聞にも、一切言わないようにと圧力を受け、最初は刑務所から出してやる、そして後には殺すと脅迫を受けたことを書いています。
ゾウヒエルが収監されている刑務所の所長は国家防衛隊員が面会に来たことを否定していますが、ゾウヒエルは面会の申請書のコピーなどの証拠を持っている、と主張し、政府も本日、4月初旬に(つまりまだ前政権だったときに)2回、国家防衛隊員が刑務所を訪れていることを明らかにしています。
ただし、エル・ムンド紙の記事では、311事件に関するゾウヒエルの言葉は、190名の犠牲者に申し訳ない、といったしおらしい反省の言葉以外には何も書かれていません。何せ手紙文をそのまま載せているのではなく(街頭販売の紙面でも同様)、バラバラに切って解説を入れながら編集しなおしているのです。
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『ゾウヒエル:犠牲者は、私が武装集団に協力したのかそれとも国家防衛隊の集団に協力したのか、知る権利がある』(7月12日、エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/07/12/espana/1089600194.html
『政府はGCが獄中のゾウヒエルを2回訪ねたことを認める』(7月12日、エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/07/12/espana/1089656338.html
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スペインの警察・治安の仕組みはややこしく、全国的な広域犯罪やテロなどは主として国家防衛隊(Guardia Civil:グアルディア・シビル、英語で言うとCivil Guard)が担当しますが、これは内務省ではなく国防省に所属する機関で、いってみれば軍の国内治安部隊です。ただしここは高速道路や港などの管理も行っています。国家警察は内務省に属し、やはり広域犯罪やテロを担当し国家防衛隊の仕事とかなりの部分が重なっています。さらに各自治体には自治体警察があり、その上にバルセロナなどの大都市には主に交通の取り締まりやデモなどの警備を行う都市防衛隊があります。おまけにテロなどの事件ではここに中央情報局(CNI)が絡んできますので、それぞれの管轄が大幅に重なり合って非常に面倒なことになります。一応の協力体制はできているのですがやはりそれぞれの縄張り争いや情報の食い違いなどが起こりやすい体質です。
ゾウヒエルが内通していたのは国家防衛隊の中央行動部隊ですが、彼は元鉱山労働者エミリオ・スアレス・トラスオラス(やはり国家警察の内通者)などが手に入れたダイナマイトをモロッコで売るために麻薬と交換し、その情報を国家防衛隊に流していたわけです。不思議なことにトラスオラスからの情報が311の1ヶ月ほど前から警察に入っていないわけで、7月8日の国家警察作戦行動部の元副部長ディアス・ピンタド(トラスオラスからの情報を買っていた)の証言によると、今年の2月にピンタドが「精神的な病気にかかっていたという不運」のためにトラスオラスの情報がつかめなかった、という、まことに奇妙な話になっています。
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【参考】
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/487.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2004 年 7 月 10 日 04:22:58
311調査委員会の報告:なぜ国民党政府はETA説に固執したのか
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一方、国家防衛隊の総司令官カルロス・ゴメス・アルチャによると彼らもこの間ゾウヒエルからの情報を手に入れていません。ただトラスオラスにしてもゾウヒエルにしても、彼らが本当に情報を売らなかったのか、あるいは売ったのだが警備当局の内部で握りつぶしたのか、は誰にも分かりませんが。
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『警察の情報によると、「内通者」は爆薬販売の連絡をしなかった』(7月10日エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/07/10/espana/1089469075.html
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もし国家防衛隊員が311に使われた爆薬の販売に関して口止めをしたことが本当なら、彼らはいったい何をしたいのでしょうか。単純に日ごろの内通の様子を知られたくないだけなのか、それとも情報を手に入れる作業をサボった(あるいは意識的に避けた)事をばらしたくないのか、ひょっとして情報を受けていたのに握りつぶしたことをばらされたくないのか。「殺す」とまで脅し、ゾウヒエルの手紙によると「家族の所にまで脅迫が来た」そうですが、これが単に内通を受けていた国家防衛隊内部の小グループの動きなのか、それとも組織ぐるみ、あるいはもっと大きな力なのか、今のところは明らかではありません。さらに、そもそもこの刑務所内からエル・ムンド紙に送られてきた、という手紙が本当にゾウヒエル本人のものであるのかどうか、も疑ってみる必要があるでしょう。またそれが本当だとしてもこの新聞が肝心のところを隠している可能性が高いでしょう。
いずれにしても、トラスオラスにしてもゾウヒエルにしても、311事件との関係は検事局からの発表があっただけで、本人らの口からの情報はごく一部の検事・取調官以外は誰一人聞いていないわけです。今週の311委員会での展開に注目したいと思います。