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http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/07/post_3.html
07/11/2004
ブッシュが国民に見て欲しくないインタビュー
2004年6月24日、ブッシュ大統領のアイルランド訪問直前に、アイルランドの放送局RTEの女性記者、キャロル・コールマンがワシントンでブッシュ大統領に直撃インタビューを敢行。「ブッシュを怒らせたインタビュー」として世界で話題になっている。アイルランドの女性記者は、どんな質問をしたのだろうか?さっそく、以下にインタビューの冒頭部分を抜粋してみよう。(source/ホワイトハウス公式サイトの記録)
キャロル・コールマン:
「大統領、これから24時間後にはアイルランドに到着し、アイルランドの閣僚から歓迎を受けるわけですが、残念ながら、アイルランド国民の大多数はあなたの訪問を歓迎していません。アイルランド国民はイラクの現状に怒っていますし、アブグレイブ刑務所の件でも怒りを感じています。そうしたアイルランド国民の考えに困惑されますか?」
ブッシュ:
「まあ聞いてください。アイルランドの皆さんが偉大なアメリカ合衆国の価値について理解してくれることを願います。もしアイルランドの人々が、一部の兵士の行為によってアメリカ全体を評価しているとしたら、まだ理解が足りないと思います。アイルランドとアメリカには強い絆があり、アメリカには大勢のアイルランド系アメリカ人が居て、母国を誇りにしています。しかし、もしそうした人々がアブグレイブ刑務所の件で怒っているとしたら、もしそれがアメリカの全てだと思われたのなら、それはアメリカを理解していないことになります。アメリカはそんな国ではありません。わが国は思いやりある国家であり、強い国家です。そして我々は自分の国を防衛しているのです。しかし同時に、人助けもします。アイルランドの人々をずっと助けてきたし、これからもそうするでしょう。アイルランドとアメリカの関係は良好なのです」
コールマン:
「(アイルランド国民は)イラクの件にも怒りを感じています。特にイラクで死亡者が増え続けることに対してです」
ブッシュ:
「ああ、それはもちろん理解できますよ。誰だって戦争は嫌いですから。しかしアイルランド国民が怒るべきなのは、イラクには残虐な独裁者が居て、住民を攻撃して墓に入れたり、拷問室に入れたりしたという事実に対してでしょう。(中略)ほら、サダム・フセインはイラク国民に対しても、隣国の人にも大量破壊兵器を使っていたんですよ。彼は暴力的な独裁者で、世界の脅威だった・・・国連だって満場一致で、サダム・フセインのことを・・・」
コールマン:
「ごもっともです大統領。しかし、大量破壊兵器は見つかっていないんですよ」
大統領:
「ちょっと待ってくれ。最後まで聞いてくれ。いいかい?・・・国連はこう言ったんだ。武装解除しないと深刻な事態になると。国連はそう言ったんだ。それでどうなった?サダムは武装解除しなかったんだ。彼は武器を公開しなかったから、深刻な事態に直面したんだ。それに我々はサダムが武器を作る能力があったことを発見している。わかるかね?彼は武器を開発できたんだよ。サダムは危険人物だ。サダムが実権を握ったままだったら、誰も世界が良くなるとは言わないだろう」
コールマン:
「しかし大統領、世界は以前よりもずっと危険になりましたよ。現状がお分かりになっているのですか?」
大統領:
「なんでそんなことを言うんだ?」
コールマン:
「毎日テロリストの爆弾騒ぎがあります。毎日のようにです。2年前まではそんなことはありませんでした」
大統領:
「2001年9月11日のことはどうだ?かつては平和だったのに、あんなことに・・・」
コールマン:
「今問題になっているのはあなたのイラクに対する対応のことです」
大統領:
「最後まで聞いてくれ!お願いだから。あなたが質問したら、私が答える・・・いいね?」(以下略)
インタビューは上記のような形で続き、コールマン記者の厳しい批判に直面して、ブッシュ大統領は「最後まで聞いてくれ!(Let me finish.)」を9回繰り返したという。
(参照資料:インタビューを収めたストリーミング動画(要Realplayer):ビデオは1時間ですが、20分40秒過ぎからインタビューシーンが開始されます)
インタビュー終了後には記者と一緒に記念撮影をするなど、穏やかに見えたブッシュ大統領は、内心怒り狂っていたに違いない。このインタビューの後、ホワイトハウスから在米アイルランド大使館に対して抗議声明が送られ、次の日に予定されていたコールマン記者と合衆国ファーストレディ(ローラ・ブッシュ)のテレビ対談は中止されることになったのである。
アイルランド魂を世界に示した反骨の女性記者は、アメリカ合衆国大統領を激怒させた結果、キャリアを棒に振ることになっただろうか?いいや。コールマン記者の雇い主は「よくやった!」と彼女の仕事ぶりを賞賛、キャロル・コールマン記者はアイルランドで最大部数を誇る同局のテレビガイド雑誌の表紙を飾った。
ところで、このインタビューが行われる3日前、ホワイトハウスはコールマン記者側に対して、質問内容をあらかじめ提出するよう求めていたという。どうやら、コールマン記者はこのホワイトハウスからの打ち合わせの申し出に、素直に従わなかったようだ。この件に関して、2004年6月30日のホワイトハウス定例会見で、スコット・マクレラン大統領報道官は質問攻めになり、以下のような珍問答が生まれた。(source/ホワイトハウス公式サイトの記録)
記者:
「ホワイトハウス内部の誰か、もしくは政権内の人物がアイルランドテレビのキャロル・コールマン記者にあらかじめインタビュー内容を提出するように求めていたというのは事実ですか?」
マクレラン報道官:
「それに関する報告があったとは思うが、インタビュー条件について各企業がどういう議論をしているのかは知らないな。しかし、大統領は、海外からであろうと国内であろうと、ジャーナリストとの会談で政府の優先事項について話すことを快諾している。インタビューの予定がある場合は、スタッフレベルで、インタビュー前に記者との議論はあるだろうと・・・」
記者:
「それは一体何のことか・・・」
マクレラン報道官:
「ええと・・・話す内容についてはいろいろ心積もりもあるだろうが、しかし記者は・・・」
記者:
「私が聞いているのはそんなことじゃないんだけど」
マクレラン報道官:
「最後まで聞いてくれ!最後まで聞いてくれ!(Let me finish. Let me finish. )」
投稿: 05:34 午後