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(回答先: CIA Blasted For Iraq Intel Flaws【CBS】イラク戦争の情報源はカーブボール(騙し玉) 投稿者 天地 日時 2004 年 7 月 12 日 15:49:11)
情報源は亡命者「カーブボール」 「戦争の大義」に影響
イラクの大量破壊兵器(WMD)情報の欠陥を批判した米上院情報特別委員会の報告書に、なぞのイラク人亡命者が登場する。ブッシュ政権がイラクの脅威の証拠に挙げた「生物兵器の移動工場」の情報をもたらした人物である。しかし、施設は見つからず、今では偽情報とされている。亡命者の暗号名は「カーブボール」。野球のカーブ以外に「ごまかし」の意味もあるのは、皮肉としかいいようがない。
トレーラーや貨車に生物兵器の実験・製造施設を積んだ移動工場の存在は、米国の情報機関全体としての分析をまとめた「国家情報評価」(02年10月)に盛り込まれた。パウエル国務長官は、開戦前の昨年2月に国連安保理で行った演説で「少なくとも七つの移動施設がある」と語った。
イラストも公表され、「イラクの脅威の最も強固な証拠」(パウエル氏)と位置づけられていた。
9日に公表された上院報告書によると、情報源は「イラクで生物兵器施設の設計や建設にあたっていた技術者出身の亡命者」だった。
500ページ余の報告書の「カーブボール」に関する記述は、機密指定が解かれず黒く塗りつぶされた部分も多い。
だが、(1)供述報告書は112本にのぼる(2)(外国情報機関を介した情報のため)米側は本人に直接接触できなかった(3)この情報がなければ、認定は「イラクは移動式の施設をほしがっている」程度にとどまっていた(4)施設の存在を裏付ける証拠は確認できなかった(5)その信頼性に関する重要な情報が寄せられていたのに、米中央情報局(CIA)は考慮しなかった――などと記されている。
「カーブボール」は98年に突然、ドイツの難民キャンプに現れ、ドイツ連邦情報局(BND)に「移動工場」の情報を供述したとされる。その正体は、なぞにつつまれている。
しかし、「戦争の口実」の著者ジェームス・バムフォード氏によると、旧フセイン政権の打倒をかかげていたイラク人亡命者の政治組織「イラク国民会議」のチャラビ代表の有力側近の兄弟だという。
今でこそチャラビ氏は米政府と絶縁状態にあるが、開戦前は、戦争を主唱したウォルフォウィッツ国防副長官やパール元国防政策諮問委員長ら新保守主義者(ネオコン)の盟友だった。
チャラビ氏は自分の息のかかった亡命者を相次いで米側に紹介した。亡命者たちは、イラクのWMDや、フセイン政権とアルカイダとの関係をめぐる情報を国防総省やCIAに伝えた。
ブッシュ政権の「戦争の大義づくり」にチャラビ氏は大きな役割を果たした。もし「カーブボール」がその関係者なら、「偽情報を米国に提供するよう訓練を受けた疑い」(バムフォード氏)も信憑(しんぴょう)性を帯びてくる。
米情報機関が「移動工場」の情報に固執した背景として、上院報告書は「米国はイラク国内に人的な情報源を持たなかったため、フセイン政権が国連の査察団を追放した98年以降は、亡命者や外国の情報に過度に依存した」点を挙げている。
「イラクはWMD施設を隠しているに違いない」という前提を支えるのに好都合だったから、「反証が出ても、無視する情報機関全体の集団思考が働いた」(報告書)例でもある。
パウエル氏は今では、「情報源は不正確で間違っていた。私は失望し、悔やんでいる」と語っている。
(07/11 15:12)