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(回答先: 「賢者のネジ」出版! 「小泉純一郎の破廉恥事件の基礎資料が収録された本が誕生」 投稿者 野田隼人 日時 2004 年 7 月 12 日 03:41:22)
日本のマスコミに失望したという声を至る所で耳にする今日この頃です。私は一年ほど前に日本のジャーナリズムについて某企業の機関誌に掲載したことがありますが、皆様にも参考になると思いましたので以下に転載させて頂きます。日本のジャーナリズムに関心のある方に一読いただければ幸いです。野田隼人拝
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ジャーナリズム精神の墜落を憂う
本来、ジャーナリストの使命は権力の監視にある。日本の権力が辿ってきた道程を振り返ってみよう。先の第二次世界大戦による敗戦の後、祖国復興の意気に燃えていたのは何も日本国民だけではなかった。日本の権力の中枢を担う自民党にも高い理想を持って祖国の為に尽力した政治家も少なからずいたのである。やがて、そうした先人達の努力が実り、高度成長期を経て完全な復興を遂げた日本であったが、その反面、1970年代頃前後から政界が利権の漁場と化し、愚民政策による日本社会の退廃が進んだのも周知の事実である。その後の日本は経済大国の道を歩み、やがてバブル景気に沸き、日本中が好景気に酔いしれていたまさにその時、突然バブルが弾けたのであった。それからの日本は十年以上の長きにわたる平成大型不況に突入し、今日に至っても依然として大型不況からの出口を見出せぬどころか、さらに奈落の底へと突き進んでいる。このように、日本が亡国寸前にまで陥った原因の一つに、ジャーナリズム精神の墜落が挙げられるのではないだろうか。社会の木鐸という言葉を持ち出すまでもなく、権力を監視し、警告を発していくのがジャーナリスト本来の使命のはずであるが、ジャーナリストのサラリーマン化と言われて久しく、最近の日本のジャーナリズム精神の墜落は目を覆うばかりであり、とても政界や財界、あるいはマスコミ界自身に対して「鋭い知的洞察をもって(権力による)その邪用・誤用を戒める」だけの覇気は、日本のジャーナリスト、より正確には大手マスコミには最早無いと断言しても差し支えないであろう。時代は、我々自身で「鋭い知的洞察をもって(権力による)その邪用・誤用を戒める」よう要求しているのである。そして、そのために必要となる武器こそがセマンティックスなのだ。ここに、「個人の生き方に知的判断を回復させようとする努力」のすすめを説く所以である。
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また、オンライン書店のアマゾンにも、マスコミを批判したコメントを以下のように載せました。
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日本経済の「闇」がわかるF.T.(フィナンシャル・タイムズ)の読み方―この「経済英語」と「情報力」で自分を守れ 藤原 直哉 (著)
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藤原直哉氏が、FT(ファイナンシャル・タイムズ)・WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)・日経(日本経済新聞)の三紙を比較しているのを興味深く読んだ。藤原氏は、日経新聞が日本のビジネスマンに読まれている理由として横並び主義を挙げており、「この新聞さえ読んでおけば、上司に何か質問されても答えに窮することはないし、取引先へ行けば雑談のきっかけになる。なんとなく安心だから、朝の日課として読むのである」と解説している。世界を舞台に活躍するビジネスマンにとって、日経は購読する価値が全くない新聞である上、この3月31日に漸く例の鶴田卓彦相談役を退任させることができたという低落ぶりで、旧態依然とした体質が世界中に明らかになってしまった。そうしたことから、日経が来る情報大革命の大波に翻弄され、やがては海の藻屑となることは容易に予想できよう。
WSJについて藤原氏は、「WSJは、あくまでもアメリカの国益と国民感情を重視した、アメリカのための新聞なのである。だから、この新聞ばかり読んでいる人には、ほんとうの世界情勢はわからない」と切り捨てており、小気味がいい。確かに、WSJは視野狭窄のユダヤ系アメリカ人が牛耳る新聞だから当然の話なのである。
FTについて藤原氏は、「FTも、しょせんはアングロサクソンの価値観から解き放たれることはない」としながらも、「世界でもっとも信頼できる英国の高級経済紙」であるとFTを高く評価している。藤原氏がFTを高く評価する背景については同書に譲るとして、藤原直哉氏と同姓の藤原肇というフリーランス・ジャーナリストもFTを勧めている一人であることをこの場で触れておきたい。私の場合、藤原肇氏との交流が長いことから、藤原氏にすすめられて若い頃から欧米の一流紙や雑誌を購読してきた。おかげさまで、現在ではコンサルティング業務の一環として、FTやIHT(インターナショナル・ヘラルド・トリビューン)の要約や全訳を主要官公庁に配信することも多い。ともあれ、その藤原肇氏が『夜明け前の朝日』(鹿砦社)という本を出しているが、これはジャーナリズム精神が墜落した日本のマスコミを徹底的に叩いた本なので、本書と併読されると得るものが多いと思う。
最後に、本書はFT入門書という性格も備えており、これから世界を舞台に活躍したいという、若い日本人にも読んで欲しい本であることを付言しておこう。
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