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揺れる香港−中国返還から7年、不運続きで中央への不信増幅(香港)
http://www.worldtimes.co.jp/w/asia/asia2/kr040630.html
7月1日に中国返還7周年を迎える香港は、政治的安定を優先する中央政府と
民主化推進を求める香港市民との間で大きな溝が生まれている。一1には昨年同
様、数十万人規模の反政府デモが準備されている。(香港・深川耕治)
民主派、あす大規模デモを計画
picture 昨年7月1日に行われた香港の反政府デモ参加者は、50万人に膨れ上がった
「アジアの金融センター」ともてはやされた香港は中国返還後、不運続きだ。九七年七月の返還直後に、アジア金融・経済危機が発生。バブル経済下にあった香港経済を直撃し、輸出の減少、不動産価格の大幅下落、失業の上昇、消費の縮小を招き、香港経済を大きく後退させた。
その後も、〇一年の米国の同時多発テロの悪影響を受け、〇二年前半は消費・投資が落ち込んで、マイナス成長を記録。このころから中国本土依存型の経済政策がさらに加速した。
〇三年三月、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の発生で運輸、観光、ホテル、飲食業をはじめとする香港経済全体に大きな打撃を与えた。その上に香港政府首脳は、中国本土が発生源とされるSARSの水際防止不足や、その後の対策不備について、何の苦言も中央政府に呈することができなかった。この時の憤りは大半の香港人の脳裏に深く刻まれた。
香港の最新失業率(三—五月)は、前回調査(二—四月)より0・1ポイント下落して7・0%。香港返還直前は3・0%を切っていたことと比較すれば、非常に厳しい就職難が続いている。
「最近、香港の景気は一年前より随分良くなったが、到底満足できるレベルじゃない。香港政府の政策は十分とはいえないし、選挙ぐらいは完全普通選挙にしないといけない」と一日のデモ参加を予定している香港人男性・陳建治さん(パソコン販売員)は率直に語る。
昨年七月一日、国家転覆罪などを盛り込んだ香港基本法(ミニ憲法)二三条の立法化となる「国家公安条例」制定に反対する大規模デモには、親中国派の予想(最大でも五万人参加)を十倍上回る五十万人超の香港市民が参加。香港政府ばかりか中央政府をも震撼(しんかん)させた。
連立与党・自由党の田北俊(ジェームス・ティエン)主席は、国家安全条例案をめぐる意見の食い違いを理由に香港行政会議メンバー(閣僚)を辞任。香港トップの董建華行政長官は昨年九月五日、同条例案の撤回を表明せざるを得なかった。
その後、親中国派が中央政府と連携し、「愛国」論争を民主派に投げ掛け、民主派の分断工作を開始。中国の全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会は四月二十七日、二〇〇七年の香港行政長官選挙と二〇〇八年の香港立法会議員選挙について、普通選挙を認めないとの法解釈を決定した。
これに対し民主派が猛反発し、紆余(うよ)曲折を経た後、昨年七月一日の大規模デモ主催者である民主派団体「民間人権陣線」は、民主派勢力をまとめ上げ、一日に大規模な反政府デモを決行すること決めた。
六月四日、天安門事件十五周年記念日に行われた支連会(香港市民支援愛国民主運動連合会=司徒華主席)主催の犠牲者追悼キャンドル集会には八万二千人(主催者発表)が参加し、返還後最多を記録。例年にない盛り上がりは一日のデモにも波及しよう。香港中文大学アジア太平洋研究所の事前調査予想によると、デモ参加者数は、約三十万人とみられている。
「愛国」盾に和解策着々と−中国
民主派の足並みに乱れも
picture 香港で開かれた中国国旗国歌展では小平氏とサッチャー元英首相のろう人形も
デモに予想以上の参加者が集まれば、中央政府の香港への監視体制が強化されるとの懸念が民主派の一部からも出ている。
米議会では「香港の一国二制度は維持されていない」との疑念が報告され、香港政策法によって、香港にも中国本土に準じた輸出規制を掛けるべきだとの提唱が、サム・ブラウンバック米上院議員(共和党)から出された。
この提唱は、三月、香港民主派の重鎮、李柱銘(マーチン・リー)前民主党主席と同党の徐謹申氏、職業工人会連盟(職工盟)の李卓人氏がブラウンバック上院議員の要請を受けて訪米し、香港の民主化の現状について米上院外交事務委員会で証言したことが伏線にある。
香港の民主派議員が米議会で証言したことに対して「台湾総統選挙直前の政治的に微妙な時期に中国政府に揺さぶりをかける要因を米国側に与え、香港の立場を危うくした非国民」との強い批判が親中国派から巻き起こり、李柱銘氏は「売国奴」とののしられた。
これを契機に、親中国派による民主派分断工作が奏功し始める。李柱銘氏は、その後、愛国心があることを強調するため、極端な反中国路線を切り替え、七月一日のデモでも香港の独立をイメージさせないように「市民に政治を取り戻せ」という合言葉は使わない方針を打ち出した。
さらに支連会の幹部である職工盟の劉千石主席は九日、「香港の民主派と中央政府は対立をやめ、お互い譲歩すべきだ。いがみ合えば香港社会に何のメリットもない」と発言し、支連会の常務委員ポストを突然辞任。
劉議員は、回郷証(香港人が中国本土に入境するための許可証)を中国当局に奪われたまま、広東省広州にいる病気の母親に再会できずにいた。劉議員の和解の呼び掛けは、民主派からは政治工作に屈したものとみられている。劉議員はその直後、回郷証を再取得し、故郷で母親との再会を果たした。
支連会の元幹部には回郷証が再交付されるなど、中央政府の民主派への揺さぶりはエスカレートしている。
民主派の間では「劉議員の離反で七月一日のデモ参加者が十万人程度減ることになる」との推測も出ており、支連会の司徒華主席は「聖書でいえば、彼はイエスを裏切ったユダかペテロだ」と痛烈に非難。民主派の足並みは中央政府との和解か対立かで乱れ始めている。
民主派は九月十二日投開票の立法会議員選挙(六十議席)で過半数確保を目指している。民主派は立法会議員選で直接選挙枠に二十五人、職業別間接選挙枠に七人を立候補させる候補者リストを発表。同選挙に詳しい香港中文大学政治行政学系の蔡子強上級研究員は「予想統計データでは民主派は直接選挙枠で二十一議席、間接選挙枠で五議席を獲得し、目標の三十議席には届かない。もしも投票率が65%前後まで上がれば直接選挙枠で民主派が二十三議席奪取も可能だが、最悪の場合は二十議席にとどまる可能性もある」と分析する。
香港大学の世論調査(五月十八—二十日)結果によると、香港人の政治的立場は「民主派」が32・1%、「中間派」が29・6%、「親中派」4・6%、「政治傾向なし」26・2%の順。
当分、中央政府と民主派の「一国二制度」の主導権をめぐる、激しいせめぎ合いは続きそうだ。
◇
【米国の香港政策法】「一国二制度の原則下、香港は中国本土と区別できる」と定めた法令。香港が中国への返還を控えた一九九二年に米議会で成立した。米政府が共産圏への輸出を制限しているハイテク製品を、返還後の香港へ輸出できるようにするなど、香港への特例措置となっている。同法令は米大統領が「香港の高度な自治が失われた」と判断したり、調印された国際条約を履行しなかった場合、失効を宣言される。
【香港で民主化デモ、53万人が参加】
中国への返還7周年を迎えた香港で、民主派団体が結集して香港の民主化要求
デモ「七一大遊行」(主催・民間人権陣線)が行われた。主催者発表では約53万
人が参加した。デモ参加者は「普通選挙の早期実現を」「董建華行政長官は辞任
せよ」「政治を市民に返せ」などのプラカードを持ちながら中央政府の政治改革
の在り方に不満をぶつける内容のシュプレヒコールを上げた。
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●中国本土客の観光解禁、本土への「北上」就労増える(香港)
●粗悪食品流入と犯罪増に悩む、有能な人材流出空洞化に危機感
香港は返還後の景気急落を中国依存型の経済政策で乗り切ろうと必死だ。英国
領時代のレッセ・フェール(自由放任)経済が、中国一辺倒に傾斜したことで中
国本土客による犯罪増や中国本土産粗悪食品の流入など、社会不安を伴う高リス
クの経済システムに変容しつつある。(香港・深川耕治)
http://www.worldtimes.co.jp/newworld/w/asia/asia2/ku040701.html
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●麻薬問題が深刻化する中国、エイズ感染の最大原因に(中国)
●広東省が「麻薬の集散基地」化−中毒被害、全国市県の8割超
中国の麻薬問題が深刻化している。国内の8割を超える各市県区で薬物問題を
抱え、麻薬中毒患者の正式登録数は105万人を突破。そのうち約7割が35歳以下
の青少年で専門家の見方では実際は800万人から1000万人が中国内の麻薬中毒患
者総数と推定している。(香港・深川耕治)
http://www.worldtimes.co.jp/newworld/w/asia/asia2/ku040630.html