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マドリッド311関連、続報
実は先週から私のPCがイカれてしまい、間の悪いことにカタルーニャでは木曜日から日曜日まで4連休で、修理屋を呼ぶこともできず、やっと回復しました。しかしほぼ1週間ネットからの情報に触れることができず、テレビとラジオのニュース、店頭売りの新聞以外には新情報に触れることができませんでした。
この間に311捜査関連では、スペイン国会の311事件調査委員会が15名の特別委員によって、22日から正式な作業を開始しました。この委員会と311捜査に関して、この先週のニュースを簡単にまとめてみます。また店頭売りの新聞に注目すべき記事があったのですが、これは別に抄訳して投稿することにします。
Urlの前にある『 』の中は各記事の見出しの邦訳です。
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この委員会は、6月16日に準備作業を開始し、22日に、各政党から要求のあった資料を関係団体に提出を要請する作業を始めました。また証人の喚問は来月の日から行なわれますが、その最初は国家警察の担当者になります。そして委員会は7月27日に閉会する予定になっています。
『311委員会の仕事開始、要求された資料の要請を始める』(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/06/23/espana/1087952010.html
『証人喚問の最初は警察関係者の予定』(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/06/23/espana/1087994097.html
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この2週間で、誰を証人として喚問するか、で、各党派の党利党略が絡み、いろいろともめていました。社労党政権と閣外協力関係にある統一左翼連合や民族派諸政党は前首相アスナールの喚問を要求し、最大野党である国民党は現首相サパテロの喚問を求めました。これはともに、311爆破事件そのものというよりはそれ以前のETAを出汁にした国民党の左派攻撃、およびアスナールの対米協力が「テロ」を呼び込んだのか、という点に関するものですが、サパテロはアスナールの喚問を望まず、他の会派は社労党と国民党の間に秘密協定があったものと見て、攻撃しました。もちろん両党はこれを否定しはねつけてています。
また国民党は統一左翼のリャマサルスなどの喚問を要求しましたが、これは総選挙前日の3月13日に起こった国民党本部へのデモに関するものでしょう。このように証人として呼んで政敵のイメージダウンを計り自党に有利な展開に持ち込もうとする、党利党略が様々に絡む人選ですが、今のところ政治家で証人となるのが決定しているのは、前内務相アンヘル・アセベス、現内務相ホセ・アントニオ・アロンソ、元中央情報局委員長のホルヘ・デスカジャルの3名だけです。
『311委員会、仕事始め』(IBLニュース)
http://iblnews.com/txt/noticia.php?id=110175
『各政党が喚問を要求している人物』(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/documentos/2004/06/22/comision.html
『CiU,ERC,IU−ICV,アスナールの証人喚問を避ける目的の国民党と社労党の協定を告発』(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/06/22/espana/1087908115.html
『アスナールの証人喚問について、国民党、社労党と、他の会派が対立』(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/06/22/espana/1087896413.html
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また、各政党が公開の請求を求めている資料ですが、
旧与党の国民党は、311自体よりも選挙前日の3月13日にマドリッドなどで起きた国民党本部前で起きた激しいデモと集会についての、各マスコミからの資料を求めています。そして3月11日から14日までの国家中央情報局(CNI)や警察当局の資料を請求し、自分らが「ETAの犯行だ」を主張し続けた言い訳を探し、そして他の政党の非難が以下に不当なものか、を強調したいようですが、まあ、見苦しいだけで逆に国民の支持率を下げるだけしょう。
ただ国民党の資料要求の中で注目すべきは、例の「警察内通者」で爆薬の入手を手伝ったとされるスアレス・トレスオラスに関して、彼が密告屋として内通していた警察の麻薬係からの資料を要求していることです。ひょっとすると「某勢力による国民党政権つぶしの陰謀」でも発見するつもりかな?
一方、与党の社会労働者党は徹底的に「イスラム・テロリスト」に関するCNIや国家防衛隊、警察、ユーロポル(欧州警察)などのデータを求めるようです。むしろ国民党よりもはっきりと世界の「反テロ戦争」への姿勢を打ち出しているようです。
その他の政党では、以前にもお知らせしたように、共産党系の統一左翼がモサドや米国諜報機関、またインターポールからの資料を求めています。さらに国民党が311から14日の総選挙までの間にとった不可解な態度を追及するための警察やマスコミからの資料も要求しています。他の民族派政党もおよそ同様です。
『各政党が求めている資料』(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/06/22/espana/1087905730.html
『統一左翼は、311調査委員会にモサド、米諜報部の調査とCNIの情報公開を要求』(統一左翼機関紙:電子版)
http://www.izquierda-unida.es/iualdia/2004/junio/17/segunda.htm
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ところで、久しぶりにインターネットで各新聞を確かめると、6月29日までに、各政党から要求のあった75の資料のうち24は正式に発送されたのですが、5つは政府の資料の中に存在しておらず、29は機密事項になっていてそれを公開できるかどうか今から検討しなければならない、といった状態のようです。電子版の記事では何に関する資料なのか、は明らかにされていません。以前の国民党政権が抹消したのか、社郎党政権なのか、あるいはどちらも気づかぬうちに他の関係者が消してしまったのか、今のところは全くわかりません。
『要求された資料のうち5つが政府の記録の中に無い』(エル・ムンド)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/06/29/espana/1088535106.html
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今のところはこのような状態です。一方、店頭売りのエル・パイス紙には、『警察は311の1ヶ月前まで「コマンド」を見張っていた』という見出しで、マドリッド近郊のレガネス市で爆死した「実行犯」の首領「チュニジア人」ことセラハネ・ベン・アブデラマジッドを、要注意のイスラム・テロリストとして、今年の2月前半までは見張っていたことを明らかにしています。これは重要な資料になりそうですので、ぼちぼち翻訳して近いうちに投稿するようにします。