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米軍に出入りの外国人運転手が標的に イラクの拉致事件
http://www.asahi.com/international/update/0801/007.html
イラク駐留米軍に食料品などを運ぶ外国人トラック運転手を標的にした拉致事件が、最近イラクで頻発している。武装勢力側が人質解放の条件を各国の駐留部隊の撤退から、企業の撤退に転換したためと見られる。被害に遭う運転手の国籍も、周辺のアラブ圏にとどまらず、ソマリア、ケニア、インドなど広がりを見せている。イラク行きを拒否してクビになったり、自ら辞めたりする運転手も出てきた。
バグダッド東部にある長距離トラックの休憩場。以前は、トラックがひしめきあっていたが、最近はめっきり数が減った。
ケイス・アルオルフィさん(49)は、ヨルダンの運送会社に勤める同国人の運転手だ。「2日前、同じ会社の運転手が武装勢力に殺され、トラックを燃やされた。米軍のために働いていると思われたらしい」
6人の子持ち。今回は食用油30トンを運んだ。給料はトラックの維持費込みで月約340ドルだという。
「拉致されたり、殺されたり……。大半のアラブの運転手はイラク行きを拒否しているよ。会社はクビにするから失業者が増えている」
シリア人のモハンマド・アルミフィンディさん(40)は、クウェートの会社に勤める運転手。子どもは10人。月給は400ドルだ。
イラク入りはこれが初めてだが、「イラクに来るのはこれが最後さ」と言う。「おれが死んで、家族が路頭に迷うのは困るから」と説明する。
7月に入って、武装勢力が外国人運転手を拉致し、イラクからの企業活動の撤退を迫る例が相次いでいる。31日にも、トルコ人運転手2人の拉致が判明した。
イラクに駐留する米軍は約14万人。必要な食料や燃料などは、民間の請負業者がヨルダンやクウェートからトラックで運ぶ。米軍の護衛がつかないことが多く、武装勢力にとっては攻撃しやすい「ソフトターゲット」となっている。
フィリピンの駐留派遣部隊が撤退することになったのも、フィリピンのトラック運転手アンヘロ・デラクルスさん(46)=7月20日に解放=が武装勢力に拉致されたためだ。イラクへ比人労働者を派遣していたマニラの業者は「イラクで働く場合、ヨルダンなど隣国の給料の2〜3倍を出す。イラクで働くトラック運転手の給料は月650ドルだった。でも今は派遣中止命令が出て、送り出していない」と話す。
武装勢力は最近、イラクに部隊を派遣していない国の運転手を拉致すると、その国の企業の撤退を求めるようになってきた。中にはヨルダンの運送会社のように、要求に応じて撤退を決めるところも出てきた。
トラック運転手に対する攻撃の被害は、イラクの運送会社にも及んでいる。しかし、バグダッドに事務所を置く運送会社の多くは、武装勢力に狙われるのを恐れて、拉致事件については語ろうとしない。
ようやく取材に応じた運送会社の代表アリ・ミズバーンさん(35)は、「うちは米軍の仕事を請け負ったことはない。でも、今、運送業はとても危険だ。私の甥(おい)が殺されトラック3台が燃やされた。一時は15台あったトラックも2台になり、運転手はいない。商売はあがったりだ」と話した。
(08/01 18:25)