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(回答先: 在仏ユダヤ人退避勧告と分離壁問題(極東ブログ) 投稿者 エンセン 日時 2004 年 7 月 31 日 04:31:08)
先週来、フランスの有力紙はいずれもシラクとシャロンの対立を大きく報道してきた。7月18日にシャロンが「フランスでは野放図な反ユダヤ主義が蔓延している。フランス在住のユダヤ人は直ちにイスラエルへ逃げて来るように」とアピールを出した。「野放図な反ユダヤ主義」――この非礼な発言にシラクが激怒し、公式、非公式にシャロンに反論した。その文脈の中から、「大イスラエル建設構想」に関する言説が出たのだろう(「カナール・アンシェネ」ではウェブサイトは発信していないので今のところ当方では確認不能)。
今週になってフランスから200人のユダヤ人がテルアヴィヴ近郊のベングリオン空港に到着、シャロン以下数人の閣僚がわざわざ空港まで出迎えて彼らを歓迎、式典まで行なった。だが、「リベラシオン」の記事によれば(「リベラシオン」は200人のうちの10家族以上に直接インタビューを行なっている)、移住の動機として、反ユダヤ主義を嫌ってフランスを離れたという人はほとんどなく、「フランスは好きだ。イスラエルとフランスの橋渡しをしたい」と述べる人がいたり、イスラエルの大学へ入りたいとか、イスラエルで医院を開業したいとか、前々から移りたいという願望を抱いて準備してきたというユダヤ人ばかりだった。「逃げて来た」わけではないのだ。ただし、シャロンの呼びかけが移住を実行するきっかけにはなったようである。
全世界のユダヤ機関が、各国における“反ユダヤ主義”の動きや事件を監視、調査しており、毎年その件数を発表している。その調査によるとフランスは毎年トップだ。ことに先月以来、フランスのアルザス地方でユダヤ人の墓に対する破壊や荒らしが相次ぎ、その数30件以上。墓石にペンキでナチスのカギ十字のマークや、悪魔の印である「666」と書かれたりしたのもあった。7月9日に、22歳の女が「お前はユダヤ人だ!」と怒鳴られて襲われたとして検察局に駆け込んだ事件があり、4日後に狂言だと分かったが、この女は「ユダヤ人の墓荒らしの記事を読んで思いついた」と告白している。
だが、フランスではイスラム教徒の墓に対する攻撃も多い。「ヌーヴェル・オブセルヴァトゥール」紙によれば、ストラスブールで6月、一夜にして50以上のイスラム教徒の墓が荒らされた。「アラブ人に死を!」の標語もあった。ネオナチ・グループの仕業だと言われている。
フランスがシャロンの訪仏を拒否するまでに対立は激化したが、結局シャロンが謝った形で解決し、10月には訪仏できる見通しとなった。だがシャロンは、フランスの(ヨーロッパの)イスラエルに対する批判的態度、ことにマスメディアのパレスチナ寄りの姿勢に苛立っているため、いつ対立が再燃するか分からない。フランスの新聞が「親パレスティナと反ユダヤ主義は違う」といくら論説に掲げても、狂信者シャロンには通じないようだ。