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フィリピンのアロヨ大統領が施政方針 結束呼びかけ(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/1094.html
投稿者 すいか 日時 2004 年 7 月 27 日 07:35:06:LY5kOdCz7scms
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040727-00000120-mai-int

<フィリピン>アロヨ大統領が施政方針 結束呼びかけ


 【マニラ大澤文護】フィリピンのアロヨ大統領は26日、国会で今後6年間の新任期の施政方針演説を行った。その中で大統領は、イラクでのフィリピン人運転手拉致事件を解決するため、イラク派遣部隊の早期撤退を実施した問題に触れ「フィリピンは人命の犠牲を要求する政策を持ち得ない」と述べ、自身の決定が正しかったことを改めて強調した。

 アロヨ大統領は演説の冒頭で「(拉致された)アンヘロ・デラクルスさんは今、自分の家にいる。国民とともに祝福したい」と語った。

 また、デラクルスさんの解放を踏み台に「我々は政治改革と経済再建を成し遂げるため結束しなければならない」と主張。大統領選によって生じた国論の分裂を修正する必要性を国民に呼びかけた。

 また国家再建の具体的な方法として(1)雇用創出と経済成長(2)汚職防止(3)社会正義の実現(4)教育の機会提供(5)エネルギー面での自立――の五つを掲げ、任期中の実現を約束した。

(毎日新聞)

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/philippines/news/20040723ddm007030104000c.html

イラク・フィリピン人人質解放:
子どもと涙の再会−−デラクルスさん、晴れて帰還

 【マニラ大澤文護】イラクで武装グループの人質となり、無事解放されたフィリピン人運転手、アンヘロ・デラクルスさん(46)=写真・AP=は22日午後、アラブ首長国連邦のアブダビで合流した妻のアルセニアさん(48)とともに帰国した。

 デラクルスさんは胸に「私はフィリピン人」とフィリピン語でプリントされたTシャツを着て、マニラのニノイ・アキノ国際空港のターミナルに降り立ち、8人の子供たちと涙の再会をした。

 空港で会見したデラクルスさんは「武装グループは丁寧に扱った」と語った。その一方、オレンジ色の服を着てビデオカメラの前に立たされたのは、武装グループによる処刑の準備ができていることを示すためだったと説明。緊張した状況に置かれたことも強調した。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/philippines/news/20040721ddm002030212000c.html

イラク・フィリピン人人質:
解放 アロヨ大統領、指導力強化図る

 【マニラ大澤文護】米国や国際世論の反発にもかかわらず、イラク派遣部隊撤退によって20日、フィリピン人運転手アンヘロ・デラクルスさん(46)を解放させたアロヨ大統領には、世論をまとめて国内指導力を高めたいとの思惑も見え隠れする。アロヨ大統領は26日に、国会で施政方針演説を行うが、地元メディアは事件解決のために国内が一致団結したことを強調すると予想している。

 デラクルスさんの誘拐事件が発覚した時、アロヨ政権が最も恐れたのは、野党勢力を中心とする庶民層の反発だった。

 「もし、アロヨ大統領がイラク派遣部隊の早期撤退方針を表明しなければ、反政府デモが拡大し、政権打倒の動きにつながったはずだ」(地元記者)というのが、フィリピン国内の一致した見方だった。アロヨ政権が、派遣部隊撤退を即決したのは、こうした国内政局の観点からみても「当然の選択」との見方がフィリピン国内では有力だった。

 また、アロヨ大統領は事件発覚直後、デラクルスさんの家族を大統領府に招き「救出のため、可能な手段はすべて使う」との姿勢を明示した。アロヨ大統領の姿勢は国民の共感を呼び、借家に暮らすデラクルスさん一家に市民の寄付によって家が贈られ、子供たちへの奨学金給付も決まった。

 米国との当面の関係悪化は、依然として大きな不安要素だ。しかし、アロヨ大統領は、政権安定を印象づけることで海外からの支援を獲得するという、したたかな戦略も描いているようだ。


 ◇「弱腰」伝染阻止へ−−米国

 【ワシントン中島哲夫】「テロリストとは交渉しない」という断固たる方針を掲げ、脅しに屈しないよう呼びかけてきた米国にしてみれば、フィリピンのイラク派遣部隊の前倒し撤退は恥ずべき結末と言える。しかし、親米アロヨ政権に厳罰を加えるわけにもいかないのが現実だ。過剰反応を避けながら静かな怒りを示すことで、他の有志諸国に「弱腰」が伝染しないよう努めることになろう。

 比政府がイラク派遣部隊を出来るだけ早く撤退させると発表した時、米政府は驚き、怒り、この方針を撤回するよう働きかけた。だが、それが奏功しないと分かってからは、表向きの批判を自制している。

 米政府高官は「政権交代で撤兵したスペインよりも、信じていたフィリピンが脅しに屈したことの方が衝撃が大きい」という趣旨の発言を非公式にしていた。ただ同時に、「派兵は有志諸国の自由意思による。貢献の内容は各国が決めることだ」という原則論も述べ、露骨に干渉するような姿勢をとれば米国の威信はむしろ損なわれるという判断をにおわせていた。

 米側の比政府への報復措置も取りざたされているが、それは「内輪」の目立たない意趣返しの形になる可能性が高い。米国としても親米国との亀裂を広げることは国益にならないからだ。

毎日新聞 2004年7月21日 東京朝刊

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