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●行き先不透明な米韓同盟、対北認識乖離が一層拡大(韓国)
●在韓米軍の再配置と削減めぐり不協和音
米国が矢継ぎ早に在韓米軍に手を入れている。先月中旬、盧大統領の“復権”に合わせたように一部在韓米軍のイラク派遣を“通告”したかと思うと、在韓米軍の削減問題(再調整)を協議する米韓の公式ルートを発足させ、今月6日にはその第1回会議で来年末までに在韓米軍の3分の1に当たる1万2500人を削減する方針を提示した。1953年10月の米韓相互防衛条約締結以来、50年以上が過ぎた米韓同盟は確固たる将来のビジョンを持たないまま大きく動き始めた。(ソウル
・武田滋樹)
行き先不透明な米韓同盟
対北認識乖離が一層拡大
http://www.worldtimes.co.jp/w/korea/korea2/kr040611.html
米国が矢継ぎ早に在韓米軍に手を入れている。先月中旬、盧大統領の“復権”に合わせたように一部在韓米軍のイラク派遣を“通告”したかと思うと、在韓米軍の削減問題(再調整)を協議する米韓の公式ルートを発足させ、今月六日にはその第一回会議で来年末までに在韓米軍の三分の一に当たる一万二千五百人を削減する方針を提示した。一九五三年十月の米韓相互防衛条約締結以来、五十年以上が過ぎた米韓同盟は確固たる将来のビジョンを持たないまま大きく動き始めた。
(ソウル・武田滋樹)
在韓米軍の再配置と削減めぐり不協和音
「京畿道・東豆川一帯に駐屯中の在韓米軍第二師団の兵力のうち、一個旅団規模(約四千人)が数週内にイラクに派遣されると政府関係者が十六日、明らかにした」
五月十七日付の韓国紙・中央日報は、「在韓米軍四千人イラクへ」という見出しの一面トップ記事で、政府関係者の話としてこのように報じた。
在韓米軍が海外に作戦出動するのは史上初。しかも、この政府関係者は「イラクに派遣される一個旅団は作戦遂行後、韓国に戻るか、他の場所に行くかは不確実」だと語り、なし崩し的な在韓米軍削減の第一歩ではないかという不安が台頭した。
米国は十七日午前、国家安全保障会議(NSC)の副補佐官が潘基文・外交通商相に電話をかけてイラク派遣を公式説明したのに続き、同日夜にはブッシュ大統領自ら盧大統領に電話をかけて一部在韓米軍のイラク派遣は不可避だと説明し、盧大統領から公式的な「理解」を得た。
●(=恵の心を日に)永吉・国防相が後に明らかにしたところでは、米国が最初にイラク派遣計画を通告してきたのは十四日朝、駐米韓国大使館を通してだったという。これはちょうど、盧大統領の弾劾審判請求が憲法裁判所で棄却される直前だ。米国が十分にタイミングを見計らっていたことが分かるが、これは始まりでしかなかった。
米国は昨年十一月、新しい世界戦略に基づく在外米軍再配置計画(GPR)を公式発表したのに続き、今年四月にはこの一環として在韓米軍の再調整問題の協議を六、七月ごろから開始する意向を韓国政府に伝えていた。
韓国政府関係者がこの事実を公表した三日後の先月三十一日、米韓両国が六月七、八の両日、ソウルで行う第九回未来米韓同盟政策構想(FOTA)会議を契機に、在韓米軍の(削減問題を含む)再調整問題の協議を開始すると発表。そして、今月六日、ソウルのホテルで行われた第一回公式会議で、米国がイラク派遣予定の三千六百人を含む在韓米軍一万二千五百人を来年末までに削減する方針を韓国側に説明したわけだ。
韓国側はこの削減方針は一方的に「通告」されたものでなく、今後の交渉によって変え得るという立場だ。しかし、削減の規模は昨年六月の第二回FOTA会議で示された一万二千人程度と大差がないものの、その時期については百十億〓を投入する在韓米軍の戦力増強が終わり、漢江以北に配置された米第二師団の烏山・平沢基地への移転が始まる〇七年以降と予想していただけに、米国とのすり合わせは容易でない。
また、八日に終わった第九回FOTA会議でも最大の焦点だった龍山基地の移転問題で、米国と移転先の面積や移転費用などの折り合いがつかず、またもや合意が先送りされた。
このようなギクシャクした米韓関係は、軍事同盟の核心となる韓半島の安保問題に不安を抱かせるのに十分。五十年を超えた米韓同盟は大きな曲がり角を迎えたといえる。
米韓同盟は北朝鮮という「共通の敵」を持つことで成り立っている。ところが、対北包容政策(太陽政策)を掲げる金大中政権の登場により、特に二〇〇〇年の南北首脳会談後、韓国では、北朝鮮を敵対関係にはあるが同じ民族であり包容の対象と考える風潮が強まった。
これに対し、〇一年に誕生したブッシュ政権は当初から北朝鮮に厳しい姿勢を示しており、9・11テロ以降は北朝鮮を「悪の枢軸」の一つに挙げるまでになった。
このような米韓の対北認識の乖離(かいり)は金大中政権末期の〇二年秋、北朝鮮の核問題が再燃し、米軍装甲車による女子中学生轢死(れきし)事件で韓国の反米感情が沸騰する中で極大に達した。
その最中の〇二年十二月五日、ワシントンで開催された第三十四回米韓定例安保協議(SCM)で米韓両国の国防相が調印したのが、二十一世紀の新しい米韓同盟関係づくりを目指す未来米韓同盟政策構想(FOTA)に関する約定書だ。
これに基づいて米韓両国は、昨年四月以来、FOTA会議を開催し、統一以後までにらんだ米韓安保同盟の未来と在韓米軍の役割、構造、規模、指揮関係などの青写真作りを進めている。
しかし、約定書調印から二週間後に行われた韓国大統領選挙で、反米感情をあらわにするろうそく集会・デモに後押しされ、太陽政策の継続・改善を主張する盧武鉉大統領が当選したことで、米韓の対北認識はいっそう乖離せざるを得なくなった。
先の総選挙で開かれたウリ党や民主労働党など北朝鮮に融和的な勢力が躍進し、その基盤に乗って盧大統領が復権したことにより、米国はより一層強い姿勢を打ち出さざるを得なくなったようだ。米韓同盟の行く末はますます不透明さを増している。