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「君が代」強制批判のPTA会長、辞任に追い込まれる
東京都中野区の小学校の今年度のPTA会長が、迷いながらも、疑問に思っていたことを就任直後の入学式のあいさつで口にした。日の丸・君が代問題に触れ、教育現場への押しつけはおかしい、と話した。非難の嵐の中、会長は辞任に追い込まれた。「お子さんがいじめられるかもしれない」と地域の代表に言われ、校長の求めで辞表まで書いた。
4月6日、東京都中野区立桃園二小の入学式。高橋聡PTA会長(35)は新入生に祝辞を述べたあと、「保護者の皆さん」と語りかけた。
都教委による教職員の大量処分にふれ、「教育は脅しや押しつけとは共存できない。日の丸・君が代で立場の違いはあっても、教育の場を強権的な押しつけから守ることには共同すべきだと思います」と話した。
「暗いニュースが続く中、内心の自由が傷つけられるようなことは、学校ではあってほしくないと問題提起した。迷ったけれど今言わねばいつ言えると力を振り絞った」と高橋さんはふり返る。
反響は予想を超えた。関係者が認めたその後の経緯はこうだ。
花岡光明校長は式後、高橋さんに「PTAや学校の総意と思われては困る。公の場であのような私見は控えてほしい」と苦言。ある区議は電話で「時と場をわきまえろ。反省しろ」と怒鳴った。
翌日の役員会でも批判が噴出した。「PTAは思想的に真っ白であるべきだ」「重大問題なのに私たち役員に相談もなかった」。高橋さんは辞意を表明。8日、高橋さん抜きで役員会が開かれ、「一身上の都合で会長が辞任」との告知を出すことを決めた。
9日、高橋さんも入れて役員会が改めて開かれると、役員らから「辞めろとは言っていない」「信頼関係を戻してくれるなら」などの発言も出た。高橋さんは気を取り直して辞意撤回を決意、校長に報告した。
が、校長は撤回に同意せず、地域の識者らで組織する学校評議員会議への出席を求めた。
12日の評議員会議。年配の評議員が高橋さんに「いったん辞意を表明したのだから実行するのが賢明」と辞任を迫った。「辞めればかえって混乱する」と抵抗すると「お子さんがいじめられるかもしれない。私はそれも心配だ」と言われた。
PTA副会長でもある教頭が「他の役員全員が一緒に仕事をしたくないと言ったら辞めるか」と尋ねた。高橋さんが応じると、教頭は別室に待機させていた残り6人の役員を呼んだ。一人ひとりが「一緒にやっていけない」「勘弁してください」と口々に発言、涙ぐむ人もいた。
校長は「辞任します」と一筆書くよう要求。教頭がペンと紙を差し出した。「持ち帰って考えさせてほしい」という高橋さんに校長は「こういうことは早く済ませた方がいい」と促した。
高橋さんは辞任のきっかけとなったあいさつにもふれ、「皆さんと一緒に仕事を続けていく自信を失いました」と「捨て鉢になって書いた」。署名押印も求められた。
教頭はこれを会員あてのメッセージだったと話すが、その後出されたPTA機関紙には「一身上の都合」とのみ書かれた。校長は、校長用の「辞意の確認」だという。
ジャズピアニストの高橋さんは一時神経衰弱になり、演奏活動にも支障をきたすほどだったという。「強要された辞任」と話すが、花岡校長は「本人の意思だ。辞めさせようとしたことはなく、本人と役員の間を仲介しただけ。ただ、会長が入学式で都教委の批判をすることなどは許されないことだ」という。
(06/14 17:38)
http://www.asahi.com/national/update/0614/014.html