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1.新自由主義・グローバリズムの背景について
ソ連邦の崩壊は、西側連合にとって、非常に衝撃的な出来事であったので、その衝撃が、『自由主義の勝利』、米国一国主義、米国による力の世界新秩序へと、歴史の歯車が突き進んだ。
しかし、アジアは異なった。
中国は、共産主義を手放さなかったし、ベトナムも同じだ。
アジアは、通貨危機時に、動揺を蒙ったが、現在、政治制度において、ソ連邦崩壊前・後で、その体制は揺らいでいない。
その後、米国は、強引に、アフガニスタン、イラクと、武力によって、政権を倒して、アジアの緊張を高めた。
しかし、米国の目論見は、成功したとは言えない。
中国もWTO加盟など、経済的には国際化を進めているが、政治的発言力は、むしり、増大しつつある。韓国も、また、IMF危機を乗り切り、自国の政治体制に自信を持ちつつある。インドネシア、フィリピンなどの、むしろ、政治的に欧米よりの傾向の強い国家が、未だに、動揺と安定の交差の中にあるが、徐々に、独自の文化・伝統への回帰が台頭しつつある。
ただ、日本のみが、現在、政治的混迷を強めつつある。
2.『国内ニーズ』と『資金流入目的』のミスマッチ
開発途上国のインフラ整備に、外資の導入を図ることは、一般論としては、合理的に思える。その理由の一つは、成長のための資本、原始的蓄積が乏しいことが貧困の原因と広く考えられているからである。
しかし、国家は、通貨の信用創造力を持っている。江戸末期、日本の諸侯は、藩札など、こうした制度によって経済政策を行って成功を収めている。(失敗もあるが。)
むしろ、外国資本による方が、リスクが大きいとも考えられる。
なぜなら、外国の『意思』によって、資本受入国の国家政策が歪められる恐れがある、からである。
その理由は、投資元は、投資による利益と元金の回収を確実に行うスキームを要求すること、投資するプロジェクトの選別を行う傾向が強いこと、長期の安定性を確保するために政治にも干渉しやすいこと、などが挙げられる。
経済政策は『国内ニーズ』との整合性によって正当性を維持できる。
ここに、『国内ニーズ』と『資金流入目的』のミスマッチの生じる原因が存在する。
3.『国際的自由主義』と『地域的民主主義』の軋轢
新自由主義・グローバリズムの本質が明らかになるに従って、その綻びが目立ってきた。これは、世界の民主勢力の持続的な批判の成果である。http://www.diplo.jp/articles04/0405-5.html
その最も大きな亀裂の一つが、『地域的利害』との対立である。
現在、韓国、インドネシア、フィリピン、或いは、複雑に展開されるミャンマー、インド、中国などの国内政治は、この『国際的自由主義』と『地域的民主主義』の軋轢という観点から、説明することによって、整合性を持ちやすいように思われる。日本のODA政策は、低金利による日本型公共事業政策の海外展開、という特殊な形態を備えて、一層、地域紛争の発生を促進する傾向が強い。
以下、次を御参照ください。
http://blog.melma.com/00112192/20040605105640