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6月10日付・読売社説(2)
[多国籍軍参加]「一段と重みを増す自衛隊の役割」
国際平和協力活動に果たす自衛隊の役割が、ますます重みを増すことになる。
小泉首相が日米首脳会談で、イラクで復興支援活動を続ける自衛隊を多国籍軍に参加させることを表明した。日本が国連決議に基づく多国籍軍に参加するのは初めてだ。
イラク情勢は、民主化と安定が実現できるかどうか、重要な局面にある。
新国連決議は、多国籍軍への支援活動として、治安と安定、人道復興支援を求めている。日本が自衛隊による復興支援活動を継続して推進するのは、国際社会の一員としての当然の責務である。
ところが、妙な議論がある。
民主党は「サマワに展開する自衛隊は六月三十日の主権移譲前にいったん撤退すべきである」との見解を発表した。イラクでは「戦闘地域」と「非戦闘地域」を分けることはできず、イラク復興支援特別措置法が求める前提条件がもはや崩れている、などという理由からだ。
しかし、自衛隊は粛々と活動を続け、住民からも感謝されている。
新国連決議が加盟国に支援を呼びかけているのに、日本が一時でも撤退することの意味をどう考えるのか。国際社会からも無責任とのそしりは免れまい。
民主党は、自衛隊が多国籍軍に参加するには、イラク復興支援特別措置法に代わる新法が必要だとしている。だが、自衛隊の活動内容が全く変わらない以上、新法や法改正の必要はない。
民主党内には、自衛隊が米軍の指揮権の下で活動することにならないか、という懸念や、憲法が禁じる「武力行使」と“一体化”することになるのではないか、という指摘もある。
だが、自衛隊は、米軍の指揮権の下に入ることはない。
秋山内閣法制局長官は、参院外交防衛委員会で、「武力行使を伴わない業務に限って参加することを否定しない」と述べ、自衛隊の多国籍軍への参加は可能との見解を示している。
憲法が禁じているのは、「国際紛争を解決する手段」としての武力行使だ。人道復興支援が「武力行使」であるはずがない。「一体化」論自体が、不毛な神学論争を蒸し返すような議論だ。
今後、自衛隊に求められる国際共同行動の幅は一層広がっていくだろう。中長期的には、政府として、平和の維持・創出や治安などの活動への自衛隊の参加を検討することも必要になる。
日本が国際社会で果たすべき役割は何か。自衛隊をどう活用するのか。今回の多国籍軍への参加は、将来の自衛隊の役割を考える重要な契機となる。
(2004/6/10/01:50 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040609ig91.htm